【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第16話丨白目の二人

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり、陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが旅をしている。
一般的には超難度のダンジョンの地下6階。地面の下に敵の気配はあるものの、特に襲ってくる様子もない。
しばらく進むとウタリがぽつりと言った。
『来るな…』
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ウタリの言葉通り四人全員が広い通路に入った瞬間!

四方八方の地面からゾンビやガイコツやミイラが這い出てきた!
同時にウタリとイレンカが蹴散らしていく。
ガッ!
キーモンの足元から生えたゾンビの手がその両足を掴んだ!
『うひゃあああ!』
『チッ』
すぐさまウタリが助けに入る。
『わっわっ…』
アッサムは自分も足を掴まれないようにと片足を交互に高く上げている。
『こりゃキリねぇな。先に進んだ方がいいぜ』
ウタリは二人の護衛をしながらイレンカが敵を蹴散らしていく後をついて行く。

少し後ろの方で背の高いミイラが地面からのそりと這い出てきた。
その場で両手を高く上げ左右にゆらゆらと揺れ始める。
それに二人の周りの敵を蹴散らしているウタリが気付く。
『あっ、やべぇ!スクリームだ!耳を塞げ!』

恐怖で思考が停止しキョトンとした顔で
身体を縮こまらせ、ガクガク身震いしている二人に、強烈な衝撃が襲い掛かる!
『ギイイーーーーーヤアアアーーーーー!!!!』
この世の物とは思えない叫び声が響きわたる!
ウタリとイレンカには全く効いていない。
しかし、アッサムとキーモンの身体は恐怖のあまりピーンと伸びて硬直してしまった。
『くっそ。あ、第2波だ!』
『ギャギャギャギャーーーーーーーー!!!!!』
硬直した二人は白目をむいて泡を吹き始めた。
『ダメだ!突っ切ろう!』
ウタリはアッサムを抱えるとイレンカに向かって放り投げ、キーモンを抱えて走り出した。
イレンカもアッサムを受け取り敵をかわしながら走り出す。
二人のスピードに敵が出てくる方が追い付かず、難なく広い部屋に逃げ込んだ。

『下りる階段が無い…けどここがボス部屋だよな』
ウタリが地面をじーっと見つめると…
ズゴゴゴゴ…
埋まっていた巨大ゾンビが起き上がってきた!
硬直したポーター二人を壁際に転がし、ウタリとイレンカが再び戦闘態勢に入る。

起き上がりきる前にウタリが右腕を、イレンカが左足を吹き飛ばす!
ズウゥゥン…
巨大ゾンビは後ろへ倒れた。
その周りから、さっき見たミイラやガイコツが湧きだし…
吹き飛ばされた部分にくっつき再生していく…。
『再生すんのか。やっかいだな…げっ』
巨大ゾンビの周りだけでなく、部屋全体から敵が湧き始めた。
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全話⇩
