【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第15話丨後半戦スタート

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり、陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが旅をしている。
全10階のダンジョンの地下5階で一旦食事休憩した一行。
"8人"が誕生したいきさつ、魔王が倒された後に世界が三つに分割された話がアッサムからなされた。
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しばらく皆が食事を進める沈黙の後、ウタリがまた尋ねた。
『その8人の能力って転生してもずっと変わらないんだよな?どんなのがあんの?』
『無、光、闇、力などと言われています』
『ふーん。
じゃあ俺が"力"でこいつが"無"ってことかな』
イレンカは食べ終えうつらうつらしている。

『どんな能力かについては正確な情報があまり残っていません。どの賢者を抱えているかは国の機密情報でしたでしょうからね。
でも、他の全てを無力化する無の賢者は世界を支配する能力と言われ、特に奪い合いがあったとされます』
『へーぇ。まぁ俺の力も無力化されたらなーんもできねぇしなぁ』
『よし!じゃあ行こうぜ!』
片づけ終わった四人は皆自らの足で6階へと下りていく。

『ここからが本番ってわけか』
坑道のような地下6階のフロアが見え、嬉しそうにウタリが言うとキーモンは一気に不安な顔になる。
『まさか…敵が強すぎるんですか…?』
『いや、そこまで変わらんよ。でも量が多いなぁ。二人を守りながらとなると…』
『どこにもいませんけど…』
辺りをキョロキョロ見渡すキーモンにウタリが床を指さし答える。
『下。埋まってる。アンデッドフロアかな』
アッサムとキーモンはゾッとした。
『まぁ、行くか』
ウタリの声にイレンカがスッと最後尾に回る。
『えっえっ?僕に前に行けと!?』
オタオタしながらイレンカのさらに後ろに行こうとするキーモンに、イレンカはイラっとした顔になり逆に先に進み始めた。
慌ててアッサムがキーモンをたしなめる。
『後ろから襲われたらどうするんだ。後ろの守りも重要だろ』
『あわわわわ。ごめんなさい待ってぇ~』
必死の訴えも届かずズイズイ進んでいくイレンカを横目に、ウタリが仕方なさそうに言う。
『しょーがねぇ、俺が後ろ行くか』
四人は迷路のように入り組んだ通路を進んで行く。

特に何も襲ってこない状況に、キーモンがビクビクしながら声を出す。
それにウタリが答える。
『ホントにいっぱいいるんですかぁ~?』
『あぁ。ある程度奥まで行ったら一斉に襲ってくるんだろーな。入り口から各個撃破で進んで行けたら楽なんだけど』
『じゃあアレやってくださいよ…アレぇ…。水のとこでやったヤツぅ…』
『埋まってるのがアンデッドなら効かないぜ?死んでるし』
『ひえぇぇ』
何度か行き止まりを引き返し、広い通路へとたどり着いた。ウタリとイレンカの顔が引き締まる。
『来るな…』
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全話⇩
