【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第21話丨死亡フラグ

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり、
陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが
旅をしている。
超絶何度のはずだったダンジョンも終盤。
火属性アイテムを手に入れて臨んだ地下8階
氷の洞窟はあっという間にクリアされた。
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4人が9階に着くと、
そこには珍しい色と形をしたスライムがいた。
うにょうにょと動き
徐々に形が人のようになっていく…
次の瞬間!
イレンカが能力を発動し形を元に戻す!
と同時に壁に向かって蹴り上げ
叩きつけられたスライムを手のひらで叩き潰した!

『おっ?なんだなんだ?』
他の二人と一緒にウタリも呆気にとられていた。
アッサムが口を開く。
『シェイプシフター…?
文献で読んだことがあります。
人の姿と能力を真似るとか…』
『そりゃーやべーなぁ。でもここはそいつ1匹か』
部屋の先には下へと続く階段が見えた。
『次がラストだろ。その前に一休みしようぜ』
ウタリの提案に皆頷く。
アッサムとキーモンが食事の準備をしている間、
ウタリとイレンカは
大量に持ってきたパンを食べて待っていた。

肉を大量に使った料理が出来上がるとパンも進む。
『こんなにスムーズに進むなんて。
食料もこんなに必要なかったですね』
『あればあるだけ食うぜー?』
アッサムの苦笑いに
ウタリはガツガツ食べながら満面の笑みで答える。
食事も終わり片付けと寝床の準備をしていると、
カツッカツッ
という足音が近づき人の話し声も聞こえてきた。
『ほんっと、大したことねぇなぁ』
『全然言うほどじゃないですね』
『まぁ、私たちはレベルが違うから。ハハッ』
数人のパーティが地下8階から下りてきた。
先頭のリーダーらしき男がウタリたちを見つけた。

『おや?先客か?』
後ろの魔法使いらしき金髪女が笑いながら続ける。
『ぬるいダンジョンだから
こんな連中でも来れるのね』
ムッとするアッサムにリーダーらしき男が気付く。
『ポーター屋の店長か』
『あぁ、どうも。
あれっ?
ダジルとジャスミンがいないようですが…』
『途中で帰ってもらったよ。
王の許可だの入り口の結界だの
随分ビビらせてもらったが、
この程度のダンジョンじゃ金の無駄なのでね。
今からおねんねの君たちと違って』
周りで笑い声がおきる。
アッサムはさらにムッとしながらも
内心ホッとしていた。
ウタリは最初にチラッと見ただけで気にも留めず、
イレンカはもう横になって
スピースピー寝息を立てていた。
キーモンが一人ワタワタしている。
『じゃあ、お先に失礼するよ』
見下すように一礼したリーダーらしき男に続き、
他のメンバーも地下10階への階段へ向かう。
『おっさき~』
『バイバーイ』
『失礼…』
キーモンが慌ててウタリに訴える。
『あああぁ。どうするんですか。
先に行かれちゃいましたよ。お宝があぁ』
『どうせすぐ戻ってくんだろ』
アッサムがニコッと微笑む。
『ダジルとジャスミンが追い返されたのは
逆にありがたかったですね』
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