【世界はひとつの世界】第一章ウタリ編丨第12話丨トヘ○ス

【これまで】
千年前に魔王を倒した8人の賢者の生まれ変わり、陽気な金髪ウタリと無口な黒髪イレンカが旅をしている。
最近発見された高レベルダンジョン。それを調査するために入った城の兵士たちも、一旦引き返した地下3階。
二人は特に気にすることなく進んでいく。
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パシャッパシャッパシャッ。
ごくごく浅い水溜まりを歩くかのように水深5mの水面を歩いていく。
その音に水中のモンスター達が引き寄せられてくる。
『あああぁ…集まってきてますよぅ…集まってきてますよぅ…』
震えながら横目で水中を窺っていたアッサムが呟いた次の瞬間!
ウタリの足元からサメ型モンスターが大口を開けて襲い掛かってきた!

サイドテップで華麗にかわすと嬉しそうに拳に力を込める。
『よいしょーっ!』
白く輝く拳から空気を切り裂く轟音とともに放たれたパンチに、モンスターの身体は頭と腹の間が吹き飛んだ。
高く跳ね上がった頭が落ち水しぶきをあげる。
それがキーモンとイレンカにも降りかかった。
途端、イレンカの顔が急激に歪む。
左肩からかけたサコッシュを右手で撫でている。
なにやら大事な物のようで、しぶきがかかったことが相当に気に食わないようだ。
『ほいっと』
一瞬浮かび上がったアッサムとリュックを頭でキャッチしたウタリがそれに気づく。
『あ!おい!やめろって!』
『黙れ!殺すぞ!』
ウタリが拳に力を込めたようにイレンカが全身に力を込める。次の瞬間!
ズドン!!!バリバリバリッ!!
空気が割れるような衝撃がフロアに轟く。
『あ~あ、やっちまった』
すぐに水中にいたモンスター達が仰向けで浮かび上がってくる。
何かの魔法を使った訳でもなく、ただ圧倒的なレベル差を見せつけて気絶させただけのようだ。
眉間にしわを寄せてスタスタと歩き出すイレンカの後ろから、ウタリは勿体なさそうに浮かび上がったモンスターをチラチラ見ながらついていった。
『まぁ、でしょうねぇ』

ボス部屋でも、巨大なタコと人間が合体したようなモンスターが浮かんでいた。
『一人で来ればよかったなーぁ』
ウタリのボヤキは誰にも届かなかった。
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