C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 概要······························································································································· 1

3 装置······························································································································· 1

4 手順······························································································································· 3

5 個別に規定する事項 ·········································································································· 3

附属書A(参考)ジルコニア割りスリーブの静疲労 ···································································· 4

(1)

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

また,令和2年6月22日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準

化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61300の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 61300-1 第1部:通則

JIS C 61300-2-1 第2-1部:正弦波振動試験

JIS C 61300-2-2 第2-2部:繰返しかん合試験

JIS C 61300-2-4 第2-4部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向引張り)

JIS C 61300-2-5 第2-5部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)

JIS C 61300-2-6 第2-6部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り)

JIS C 61300-2-7 第2-7部:かん合部締結強度試験(曲げモーメント)

JIS C 61300-2-9 第2-9部:衝撃試験

JIS C 61300-2-11 第2-11部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向圧縮)

JIS C 61300-2-12 第2-12部:落下衝撃試験

JIS C 61300-2-14 第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験

JIS C 61300-2-15 第2-15部:結合部ねじり試験

JIS C 61300-2-17 第2-17部:低温試験

JIS C 61300-2-18 第2-18部:高温試験

JIS C 61300-2-19 第2-19部:高温高湿試験(定常状態)

JIS C 61300-2-21 第2-21部:混合温湿度サイクル試験

JIS C 61300-2-22 第2-22部:温度サイクル試験

JIS C 61300-2-24 第2-24部:応力印加によるセラミック割りスリーブのスクリーニング試験

JIS C 61300-2-26 第2-26部:塩水噴霧試験

JIS C 61300-2-27 第2-27部:ダスト試験(層流)

JIS C 61300-2-40 第2-40部:SM調心円筒形斜めPC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験

JIS C 61300-2-41 第2-41部:SM調心円筒形直角PC端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験

JIS C 61300-2-44 第2-44部:光ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ

JIS C 61300-2-45 第2-45部:浸水試験

(2)

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

JIS C 61300-2-46 第2-46部:湿熱サイクル試験

JIS C 61300-2-47 第2-47部:熱衝撃試験

JIS C 61300-2-48 第2-48部:温湿度サイクル試験

JIS C 61300-2-49 第2-49部:取付け済み光ファイバコード付き光ファイバコネクタプラグの曲げ試

験(予定)

JIS C 61300-3-1 第3-1部:外観検査及び機械的検査

JIS C 61300-3-2 第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性

JIS C 61300-3-3 第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ法

JIS C 61300-3-4 第3-4部:損失測定

JIS C 61300-3-6 第3-6部:反射減衰量測定

JIS C 61300-3-7 第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定

JIS C 61300-3-11 第3-11部:結合力及び離脱力測定

JIS C 61300-3-15 第3-15部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定

JIS C 61300-3-16 第3-16部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定

JIS C 61300-3-17 第3-17部:斜め研磨光ファイバコネクタのフェルールの端面角度測定

JIS C 61300-3-20 第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定

JIS C 61300-3-21 第3-21部:切替時間測定

JIS C 61300-3-22 第3-22部:フェルール押圧力測定

JIS C 61300-3-23 第3-23部:フェルール端面からの光ファイバ引込み量測定

JIS C 61300-3-24 第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定

JIS C 61300-3-25 第3-25部:フェルール及び光ファイバ取付け直角PC端面フェルールの同心度測定

JIS C 61300-3-26 第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定

JIS C 61300-3-27 第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定

JIS C 61300-3-28 第3-28部:過渡損失測定

JIS C 61300-3-30 第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定

JIS C 61300-3-31 第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定

JIS C 61300-3-32 第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定

JIS C 61300-3-33 第3-33部:ピンゲージを用いた割りスリーブのフェルール引抜力測定

JIS C 61300-3-34 第3-34部:ランダム接続時の挿入損失

JIS C 61300-3-36 第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定

JIS C 61300-3-38 第3-38部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定

JIS C 61300-3-40 第3-40部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタプラグの偏波消光比測

JIS C 61300-3-43 第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定

JIS C 61300-3-50 第3-50部:光スイッチのクロストーク測定

(3)

日本産業規格

JIS

C 61300-2-24:2016

(IEC 61300-2-24:2010)

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−

基本試験及び測定手順−第2-24部:応力印加による

セラミック割りスリーブのスクリーニング試験

Fiber optic interconnecting devices and passive components-

Basic test and measurement procedures-Part 2-24: Screening test of

ceramic split sleeve by stress application

序文

この規格は,2010年に第2版として発行されたIEC 61300-2-24を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,セラミック割りスリーブの初期故障を排除するための応力印加によるスクリーニング試験

方法について規定する。

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61300-2-24:2010,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures−Part 2-24: Tests−Screen testing of ceramic alignment split sleeve by

stress application(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。

2

概要

セラミック割りスリーブは,単心円筒形光ファイバコネクタの一組のプラグ−アダプタ−プラグを接続

する場合に一般的に用いる。この試験は,通常の使用条件よりも大きな応力を加えることによって,ぜい

(脆)弱な割りスリーブを,初期的に排除することを目的としている。

注記 セラミック割りスリーブの材料として一般的に用いているジルコニア材料の割りスリーブにつ

いての静疲労寿命の推定モデルを附属書Aに示す。

3

装置

装置を図1に示す。試験には,次のa) 及びb) に記載する基準ゲージ及びリングを用いる。

a) セラミックス製で,スリーブ保持部,テーパ部及び応力印加部で構成する基準ゲージ。各部位の直径

は供試品の選別基準による。スリーブ保持部及び応力印加部の長さは,供試品の長さに対し十分長い

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2

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

ことが望ましい。

b) 基準ゲージに挿入する供試品の割りスリーブを移動するために,クリアランスをもつ穴を中心に加工

したリングA及びリングB。

a) 基準ゲージ

b) リングA及びリングB

注a) 基準ゲージのスリーブ保持部の直径Dは,供試品の割りスリーブの内径よりも小さくなければならない。

b) 直径Fは直径Eよりも大きく,供試品の割りスリーブの外径よりも小さくなければならない。

図1−セラミック割りスリーブのスクリーニング試験に用いる基準ゲージ及びリング

注記 図1の注a) 及び注b) は,対応国際規格では表1のNOTEに推奨事項として記載しているが,こ

れらの条件はこの試験を行う要求事項であり,間違いのため,表1から図1に記載を移して修

正した。

表1に,セラミック割りスリーブの2種類の外径に対する,基準ゲージ及びリングの寸法例を示す。ま

た,表2に,一般的なセラミック割りスリーブの寸法例を示す。

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3

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

表1−基準ゲージ及びリングの寸法例

単位 mm

記号

外径1.25 mmフェルール用

外径2.5 mmフェルール用

注a) 表面粗さは,0.2 µm以下とする。

表2−一般的なセラミック割りスリーブの寸法例

単位 mm

項目

4

外径1.25 mmフェルール用

外径2.5 mmフェルール用

長さ

外径

内径

割り部分の幅

手順

この試験は,環境温度23 ℃±2 ℃で行うことが望ましい。試験手順は,次による。

a) リングAを基準ゲージの固定部に挿入する。

b) 供試品の割りスリーブの内周を蒸留水で湿らせる。湿らせる場合,スティックタイプの清掃具などを

用いる。割りスリーブは,塑性変形を起こさないように過剰な力を加えず,かつ,表面に汚れが付着

しないように取扱いに注意する。

c) 供試品の割りスリーブを,挿入端が基準ゲージのテーパ部の直前に至るまで,挿入する。

d) リングBを,供試品を挿入する端[図1 a) の左側]から挿入し,割りスリーブを応力印加部のリング

Aに至るまで,約1秒以内で移動する。

e) この状態で3秒間保持する。

f)

リングAをスリーブ保持部の方向[図1 a) の左側]へ,テーパ部に供試品がかからない位置まで,

約1秒以内で移動し,応力を緩和する。

g) 外観検査を行い,供試品に,割れ,ひびなどの異常がないことを確認し,選別を行う。

5

個別に規定する事項

次の事項を,必要に応じて製品規格などに規定する。

− 基準ゲージの割りスリーブ保持部の直径(D)

− 基準ゲージの応力印加部の直径(E)

− 基準ゲージの割りスリーブ保持部の長さ(A)及び応力印加部の長さ(C)

− リングA及びリングBの内径(F)

− この試験方法との差異

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4

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

附属書A

(参考)

ジルコニア割りスリーブの静疲労

A.1 静疲労の故障率の推定

この附属書は,参考文献[1]1)〜[5]に記載する,外径2.5 mmフェルール用割りスリーブに対して適用する。

外径1.25 mmフェルール用割りスリーブについては,総括的な解析が文献[6]に記載されており,図A.6に

その強度分布を示す。セラミックスの表面又は内部には,マイクロクラック(微小のひび)が内在してい

る。したがって,セラミックスでは,材料の物性強度よりも低い応力で,クラック(ひび)の成長によっ

て,静疲労による割れが起こることがある[1][2]。

注1) 角括弧の数字は,参考文献の番号を示す。

高信頼の単心円筒形光コネクタのプラグ−アダプタ−プラグの接続を行うには,使用条件下(フェルー

ル挿入時)における割りスリーブの故障率の推定が必要となる。

単心円筒形光コネクタプラグを整列するには,割りスリーブには一定の締付け力が必要である。締付け

力を発生する場合,割りスリーブには応力σaが加わる。ワイブル統計の理論及びぜい性材料の静的なクラ

ックの成長理論によると,光コネクタプラグとの接続条件におけるジルコニア割りスリーブの累積故障率

Faは,式(A.1)で示される。

ln ln

1

m

N

=

ln

σ

a

t

a

+

ln

γ

··················································· (A.1)

1 F

a

N 1

ここで,γは次の式による。

γ

β

V

e

σ

0

m

β

m

/( N

)2

2

(

N

2

)

AY

2

K

IC

(

N

)2

ここに,

ta: 応力σaの印加時間

m,Ve及びσ0: それぞれ,ワイブル分布の傾き,実効体積及びワイ

ブル統計理論に基づく故障率の規格化定数

Y: 形状に関する定数

KIC: 限界応力強度因子

A及びN: ぜい性材料のクラック成長に関わる定数[2]

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5

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

これらのクラックの成長に関する各定数は,温度,湿度,大気条件及び材料特性に依存する。したがっ

て,m,N及びγを求めることで,ジルコニア割りスリーブの静疲労寿命を予測できる。ここで,定数N

は,単位時間当たりの応力増加率σ'(単位MPa/s)に対する割りスリーブの強度を測定する動疲労試験の

結果から求まる。一方,累積故障率F,割りスリーブに加わる応力σf及び単位時間当たりの応力増加率σ'

の関係は,割りスリーブの破壊試験結果から求まる。これらの定数を用いると,ワイブル分布の傾きm及

び切片lnγは,式(A.2)の関係になる。

( N

+

)1 /( N

2 )

ln ln

σ

f

1

=

m

ln

+

ln

γ

··········································· (A.2)

[

(

N

+

1

)

σ

]

1

/( N

2

)

1 F

A.2 スクリーニング試験による割りスリーブの高信頼化

ぜい性材料であるジルコニア割りスリーブの信頼度を高めるため,保証応力(使用条件よりも大きい応

力)を加え,クラックを内在する弱い製品を初期的に排除するスクリーニング試験が有効である。クラッ

クは,保証応力を加えることによって成長することがある。そこで,クラックの成長を考慮したスクリー

ニング試験の条件を設定することが望ましい[3][4]。

スクリーニング試験は,図A.1に示すように,ジルコニア割りスリーブに印加する応力σ(t) を,時間に

対し,台形の形状に加えることによって行う。図A.1に示す応力を加える場合の応力の変化を,次の式で

示す。

0<t≦tl:

σ(t)=σ't

tl<t≦tl+tp:

σ(t)=σp

tl+tp<t≦tl+tp+tu:

σ(t)=σp−σ'×(t−tl−tp)

ここに,

σ'=σp/tl=σp/tu

ここで,スクリーニング試験後の累積故障率Frは,式(A.3)で表される。

ln ln

1

=

ln

1

F

r

(

σ

)

Nt

( N

p

)2 /(

N

)2

a a

+

ζ

(

N

p

)2

δ

( N

p

/)2 m

m

/( N

p

)2

ζ

m

δ

+

ln

γ

·· (A.3)

また,ζ,δ,γp及びteは,次による。

(

p

ζ

σ

p

Nt

e

)

1 /(

N

p

)2

γ

β

1

/(

N

p

)2

δ

p

1

/(

N

)2

γ

β

p

p

γ

p

m

V

e

p−

σ

0

m

β

p

m

/(

N 2 )

t

+

t

t

e

t

p

+

u 1

N

p

+

1

ここに,

Np及びβp: それぞれ,スクリーニング試験の環境におけるN及び

βの値

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C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

図A.1−ジルコニア割りスリーブの保証応力の時間依存性の例

A.3 スクリーニング試験の方法

A.3.1 ジルコニア割りスリーブの応力計算

図A.2に,ジルコニア割りスリーブのゲージ保持力fr及びフェルール挿入状態での応力σaの割りスリー

ブの内外径の依存性の計算結果を示す。割りスリーブは,曲げはり(梁)モデルを仮定し,割りスリーブ

の保持力及びフェルール挿入状態での応力は,発生した応力を基に計算した。計算に当たって,割りスリ

ーブの長さ,フェルールと割りスリーブとの間の最大静止摩擦係数及び割りスリーブのヤング率は,それ

ぞれ,11.4 mm,0.1及び196 GPaとした。スクリーニング試験の作業性及びスクリーニング試験での割り

スリーブの歩留まりを考慮すると,保証応力はできるだけ小さいことが望ましい。例えば,割りスリーブ

のゲージ保持力の許容できる最大値(3.9 N)及びフェルール挿入状態での応力の最大値が,上記条件及び

ジルコニアの平均破壊強度1 200 MPaに対して約10の安全係数を確保する割りスリーブの外径の計算結果

は,3.2 mmとなる。図A.2からフェルール挿入時における外径3.2 mmの割りスリーブに加わる応力の最

大値は,130 MPaとなる(ゲージ保持力が3.9 N及び内径が2.490 mmの場合)。

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7

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

図A.2−ゲージ保持力及びフェルール挿入状態における応力の

割りスリーブの内外径の依存性の計算結果

A.3.2 スクリーニング試験条件

通常,パッチパネル装置及び通信装置は非常に高い信頼度(低い故障率)が求められる(例えば,20年

間で0.1 FIT以下)。この要求信頼度を満足するために,式(A.3)に示すジルコニア割りスリーブのスクリー

ニング試験条件の各定数である,m,N,Np,γ及びγpを見積もる必要がある。表A.1は,ZrO2に対し,3 %

mol比でY2O3を添加したジルコニア割りスリーブの各定数の測定値を示している。式(A.3)に従い,表A.1

による各定数を用いることによって,20年間の使用条件下(フェルール挿入状態)にて0.1 FITを満足す

る一般的なσp/σa及びteの関係を導くことができる。その結果を図A.3に示す。

表A.1−ジルコニア割りスリーブの静疲労に関する各定数の測定値

定数

25 ℃(水中)

85 ℃(水中)

N及びNp

lnγ及びlnγp

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8

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

図A.3−20年間で0.1 FITを満足する一般的なσp/σa及びteの関係を示す計算結果

使用条件(フェルール挿入状態)及びスクリーニング試験条件における環境条件をそれぞれ,85 ℃及び

25 ℃の水中下とする。図A.3から,σp/σa=2.7に対応する時間“Te”では,σp/σaがスクリーニング試験時

間teに対してほとんど飽和している。σp/σa=2.7,te=Teの条件でジルコニア割りスリーブの信頼度0.1 FIT

の参照ラインを稼働時間taに対して図A.4に示す。これによって,20年間で0.1 FITを満足するスクリー

ニング試験条件が決まる。

図A.4−スクリーニング試験に合格したジルコニア割りスリーブの故障率の計算値

A.3.3 スクリーニング試験の実験による検証

実際20年間の使用条件での故障率推定は非常に困難であるが,上述した理論に基づくスクリーニング試

験条件を適用することで,ジルコニア割りスリーブの信頼度の向上が,実験的に検証されている。

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9

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

A.3.4 スクリーニング試験後の強度分布

スクリーニング試験によってぜい弱な割りスリーブを初期的に効率よく除去できることは実験的に検証

されている。スクリーニング試験に合格した割りスリーブの破壊試験による累積故障率Frは,スクリーニ

ング試験の印加応力の単位時間当たりの増加率σ'を用いると,式(A.4)によって表すことができる。

N

+

1

σ

f

p

1

N

2

=

ln

+

ζ

p

ln ln

σ

p

1

F

r

(

)

m

/(

N

p

)2

ζ

m

+

ln

γ

p

····················· (A.4)

図A.5に,外径2.5 mmフェルール用ジルコニア割りスリーブの強度分布測定値及び式(A.4)による計算

結果を示す。スクリーニング試験条件の有効性を強調する目的で,スクリーニング試験条件は,保証応力

σp=1 000 MPa及び応力印加時間tp=10秒とした。計算では,m=7.1,Np=34及びlnγp=−53.9を用いた。

定数m,Np及びlnγpは,動疲労試験結果及び破壊試験結果で得た値を用いた。図A.5の強度分布で明らか

なように,強調スクリーニング試験によって,初期的にぜい弱な割りスリーブが排除され,信頼度が向上

していることが分かる。計算結果及び測定結果の整合性は十分であり,これらによって,上述した理論は

裏付けられている。図A.6に,表A.1に示す特定条件下での,外径1.25 mmフェルール用ジルコニア割り

スリーブに対して,表1に示す基準ゲージを用いたスクリーニング試験(通常スクリーニング試験)の結

果を示す。通常スクリーニング試験によって割りスリーブの初期強度が低下していないことが確認できて

いる。

図A.5−外径2.5 mmフェルール用ジルコニア割りスリーブの

強度分布計算結果及び測定結果(強調スクリーニング試験有無)の比較

page

10

C 61300-2-24:2016 (IEC 61300-2-24:2010)

図A.6−外径1.25 mmフェルール用ジルコニア割りスリーブの

強度分布の測定結果(通常スクリーニング試験有無)の比較

A.4 結論

ジルコニア割りスリーブの静疲労によるクラックの成長によって生じる故障(割れ)に対し,スクリー

ニング試験が有効である。高温高湿度下で想定される実使用期間20年間及び要求信頼度0.1 FITを満足す

るために,実使用時に比べ強い応力を加えることによって,ぜい弱な割りスリーブを初期的に排除するス

クリーニング試験条件を説明した。スクリーニング試験条件は,理論に基づく計算式によって求められる。

また,この試験の有効性は実験に裏付けされている。実使用の応力最大値に対し2.7倍の応力を用いてス

クリーニング試験を行うことが十分な信頼性を確保するための条件であると考えられる[5][6]。

参考文献

[1] 阿部 弘他,エンジニアリングセラミックス(セラミックサイエンスシリーズ5),技報堂出版,pp.

167-188,1984年

[2] EVANS, A.G. and WIEDERHORN, S.M., Crack propagation and failure prediction in silicon nitride at elevated

temperatures, J. Mater. Sci., 9, pp. 270-278, 1974.

[3] 満永 豊他,スクリーニング試験による光ファイバ強度保証法,電子情報通信学会論文誌,J66-B,pp.

829-836,1983年6月

[4] MITSUNAGA, Y., KATSUYAMA, Y., KOBAYASHI, H. and ISHIDA, Y., Failure prediction for long length

optical fiber based on proof test, J. Appl. Phys., vol. 53, No.7, pp. 4847-4853, 1982.

[5] KANAYAMA, K., ANDO, Y., IWANO, S., and NAGASE, Ryo, IEICE Trans Electron., vol.E77-C, No. 10, pp.

1559-1566.

[6] NAGASE, Ryo, SUGITA, Etsuji, KANAYAMA, K., ANDO, Y., and IWANO, S., IEICE Trans Electron., vol.

E81-C, No. 3, pp. 408-415, March 1998.