K 5109 : 2005
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本無機薬品協会
(JICIA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS K 5109:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 1248:1974,Iron oxide pigments for
paintsを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 5109には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)水抽出液の酸度及びアルカリ度の試験方法
附属書2(規定)水溶性硫酸塩及び塩化物の試験方法
附属書3(規定)酸化鉄グループ黒A及びBの酸化鉄含有量の測定
附属書4(参考)水銀を含む廃液からの水銀除去
附属書5(参考)分散性
附属書6(参考)JISと対応する国際規格との対比表
(1)
K 5109 : 2005
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 分類 ······························································································································ 2
4.1 一般原則 ······················································································································ 2
4.2 分類の基準 ··················································································································· 2
5. 品質 ······························································································································ 3
6. サンプリング ·················································································································· 5
7. 試験方法 ························································································································ 5
7.1 酸化鉄(Ⅲ)として表される全鉄の定量 ················································································· 5
7.2 クロム酸鉛の存在の試験·································································································· 8
7.3 全カルシウムの定量 ······································································································· 8
8. 表示 ····························································································································· 11
附属書1(規定)水抽出液の酸度及びアルカリ度の試験方法 ························································ 12
附属書2(規定)水溶性硫酸塩及び塩化物の試験方法 ································································· 14
附属書3(規定)酸化鉄グループ黒A及びBの酸化鉄含有量の測定 ·············································· 16
附属書4(参考)水銀を含む廃液からの水銀除去 ······································································· 18
附属書5(参考)分散性 ········································································································ 19
附属書6(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 20
(2)
日本産業規格
JIS
K 5109:2005
酸化鉄(顔料)
Iron oxide pigments-Specifications and methods of test
序文 この規格は,1974年に第1版として発行されたISO 1248,Iron oxide pigments for paintsを元に,技
術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書6(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,酸化鉄(顔料)について規定する。ただし,雲母状酸化鉄,透明性酸化鉄及
び灰色粒状酸化鉄には適用しない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 1248:1974,Iron oxide pigments for paints (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5101-2-1 顔料試験方法−第2部:色の比較−第1節:目視法
JIS K 5101-3-1 顔料試験方法−第3部:着色力−第1節:有色顔料の相対着色力及び淡色の測定(目
視比較法)
JIS K 5101-13-1 顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法
JIS K 5101-13-2 顔料試験方法−第13部:吸油量−第2節:煮あまに油法
JIS K 5101-14-1 顔料試験方法−第14部:ふるい残分−第1節:湿式法(手動法)
JIS K 5101-15-1 顔料試験方法−第15部:加熱減量−第1節:105 ℃揮発性物質
JIS K 5101-16-1 顔料試験方法−第16部:水溶分−第1節:煮沸抽出法
JIS K 5101-17-1 顔料試験方法−第17部:pH値−第1節:煮沸抽出法
JIS K 5101-17-2 顔料試験方法−第17部:pH値−第2節:常温抽出法
JIS K 5600-1-2 塗料一般試験方法−第1部:通則−第2節:サンプリング
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8092 インジゴカルミン(試薬)
2
K 5109 : 2005
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8132 塩化ストロンチウム六水和物(試薬)
JIS K 8136 塩化すず(Ⅱ)二水和物(試薬)
JIS K 8139 塩化水銀(Ⅱ)(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8312 クロム酸カリウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8401 塩化チタン(Ⅲ)溶液(試薬)
JIS K 8521 しゅう酸アンモニウム一水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬)
JIS K 8783 二硫酸カリウム(試薬)
JIS K 8819 ふっ化水素酸(試薬)
JIS K 8903 4-メチル-2-ペンタノン(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 9005 りん酸(試薬)
JIS K 9514 ジフェニルアミン-4-スルホン酸ナトリウム(試薬)
ISO 787-4:1981,General methods of test for pigments and extenders−Part4:Determination of acidity or
alkalinity of the aqueous extract
ISO 787-13:1973,General methods of test for pigments and extenders−Part13:Determination of water-soluble
sulfates,chlorides and nitrates
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
酸化鉄(顔料)(iron oxide pigments) 酸化鉄及び水和酸化鉄を主成分とし,クロム酸鉛及び有機着色材料
を含有しない顔料。色は,通常,赤,黄色,褐色又は黒である。
4. 分類
4.1
一般原則 酸化鉄(顔料)の分類は,次による。
− 色によるグループ
− 酸化鉄(Ⅲ)鉄含有量によるカテゴリ
− 水溶性物質含有量又はCl−及びSO42-イオンとして表される水溶性塩化物と硫酸塩との合計含有量に
よるタイプ
− ふるい残分によるグレード
− 産出によるクラス
4.2
4.2.1
分類の基準
グループ 酸化鉄(顔料)は,色によって次の四つのグループに分類する。
−
赤
− 黄色
3
K 5109 : 2005
− 褐色
−
黒
4.2.2
カテゴリ 酸化鉄(顔料)は,酸化鉄(Ⅲ)含有量によって表される最小酸化鉄含有量によって表1に
示すカテゴリに分類する。
表 1 カテゴリ
グループ
カテゴリ
最小酸化鉄含有量%
赤
黄色
褐色
黒
4.2.3
タイプ 酸化鉄(顔料)は,水溶性物質含有量と水溶性塩化物及び硫酸塩の合計含有量とによって表
2に示すタイプに分類する。
表 2 タイプ
品質項目
タイプⅠ
タイプⅢ
赤及び褐色
黄色及び黒
水溶性物質含有量(105 ℃乾燥後
定量)
%(質量分率)
Cl-及びSO42-として表される水溶
性塩化物及び硫酸塩の総量
%(質量分率)
4.2.4
タイプⅡ
赤及び褐色だけ
グレード 酸化鉄(顔料)は,ふるい残分によって表3に示すグレードに分類する。
表 3 グレード
品質項目
目開き63 μmによるふるい残分
%(質量分率)
4.2.5
グレードⅠ
グレードⅡ
グレードⅢ
クラス 酸化鉄(顔料)は,産出によって次のクラスに分類する。
a) 体質顔料を含有しない工業製品の顔料
b) 体質顔料を含有しない天然産の顔料
c) 体質顔料を含有しない天然産と工業製品とを混合した顔料
d) 体質顔料を混合した顔料
5. 品質 酸化鉄(顔料)の品質は,分類ごとに,表4に規定する品質及び表5に示す条件付き品質を満た
さなければならない。
なお,条件付き品質は,受渡当事者間の合意による。
4
K 5109 : 2005
赤
Fe2O3含有量 最低%(質量分
率)
105 ℃加熱減量 最大%(質量
分率)
水溶性物質含有
タイプⅠ
量
タイプⅡ
%(質量分率)
タイプⅢ
水溶性塩化物及
び水溶性硫酸塩
(Cl-及びSO42-)
としての合計量
%(質量分率)
ふるい残分
%(質量分率)
黄色
褐色
黒
試験方法
タイプⅠ
グレードⅠ
グレードⅡ
グレードⅢ
水抽出液の酸度又はアルカリ
度,
0.1 mol/L標準液消費量mL
クロム酸鉛
CaO含有量
クラスa(2)
%(質量分
クラスb及びc
率)
クラスd
7.1による。
黒は附属書3による。
JIS K 5101-15-1による
JIS K 5101-16-1によ
る。
附属書2による。
JIS K 5101-14-1によ
る。
附属書1による。
検出されてはならない。
受渡当事者間の合意による。
注(1) 試験試料が105 ℃で不安定ならば,受渡当事者間で合意した測定方法を採用することができるが,この場合,その旨を記録する。
(2) クラスは,4.2.5による。
7.2による。
7.3による。
グループ及びカテゴリによる要求品質
品質項目
表 4 品質
5
K 5109 : 2005
表 5 すべての分類に適用する条件付き品質
品質項目
条件付き品質
試験方法
水抽出液のpH値
受渡当事者間で合意した比較顔料のpH値から1以上
相違してはならない。
JIS K 5101-17-1,JIS K 5101-17-2によ
る。
吸油量
受渡当事者間で合意した比較顔料の値から15%以上
相違してはならない。
JIS K 5101-13-1,JIS K 5101-13-2によ
る。
色
受渡当事者間の合意による。
JIS K 5101-2-1による。
相対着色力
受渡当事者間で合意した比較顔料と比べて,合意した
許容範囲内とする。
JIS K 5101-3-1による。
参考 条件付き品質項目として用いる分散性の試験方法を,附属書5に示す。
6. サンプリング
a) 顔料を代表するサンプルは,JIS K 5600-1-2によって採取する。
b) 比較顔料は,受渡当事者間で合意し,かつ,表4に示す顔料の要求品質のすべてを満たすものを用い
る。
7. 試験方法 試薬は,分析用試薬の品質を満たさなければならない。水は,蒸留水又は蒸留水と同等の
純度のものを使用しなければならない。
7.1
酸化鉄(Ⅲ)として表される全鉄の定量 全鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
A法(塩化すず(Ⅱ)還元二クロム酸カリウム滴定法)
B法(塩化チタン(Ⅲ)還元二クロム酸カリウム滴定法)
7.1.1
A法
7.1.1.1
要旨 乾燥した試料を塩酸に溶解する。鉄(Ⅲ)を塩化すず(Ⅱ)溶液で還元し,過剰の還元剤を塩化
水銀(Ⅱ)溶液で酸化した後,ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを指示薬として,二クロム酸カリウ
ム標準液で滴定する。
参考 A法を行う場合に生じる廃液に含まれる水銀の除去方法を,附属書4に示す。
7.1.1.2
試薬
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) 塩酸(1+50) JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製したもの。
c) 硫酸(1+1) JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。
d) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
e) 二硫酸カリウム JIS K 8783に規定するもの。
f)
混酸 JIS K 8951に規定する硫酸300 mLとJIS K 9005に規定するりん酸250 mLとを,約400 mLの
水に加え,更に水を加え1 000 mLとする。
g) 塩化水銀(Ⅱ)飽和溶液(60〜100 g/L) JIS K 8139に規定する塩化水銀(Ⅱ)を用いて調製したもの。
h) 塩化すず(Ⅱ)溶液 JIS K 8136に規定する塩化すず(Ⅱ)50 gを塩酸300 mLに溶解し,水で薄めて500
mLとする。溶液には,少量の金属すずを加え,密栓した褐色瓶中に保存する。
i)
二クロム酸カリウム標準液(0.016 67mol/L) JIS K 8005に規定する二クロム酸カリウム4.904 gをはか
りとり,水に溶解して,全量フラスコ1 000 mLに入れ,標線まで水を加え振り混ぜる。
j)
ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液 JIS K 9514に規定するジフェニルアミンスルホン酸ナ
トリウム0.2 gを水100 mLに溶解する。この溶液は,褐色瓶に入れ保存する。
6
K 5109 : 2005
7.1.1.3
操作 試料(3)を105 ℃で1時間乾燥する。乾燥試料を約0.3 gの鉄を含有するように(表1参照),
0.3〜1.0 gの試料を0.1 mgのけたまではかりとる。
注(3) 試料が炭素若しくは有機材料を含有することが明らかな場合,又はそれが疑わしい場合には,
試料を石英るつぼ又は磁製るつぼに入れ,750 ℃で1時間焼成し,ビーカー400 mLに移しても
よい。
試料をビーカー300 mLに移し入れ,塩酸25 mLを加える。ビーカーを時計皿で覆い,80〜90 ℃に加熱
し,溶解する。もし不溶性の残さが残留する場合には,50 mLの水を加えてかき混ぜ,ろ紙を用いて残さ
をろ過する。ろ紙を温塩酸(1+50)で鉄(Ⅱ)の黄色が消失するまで洗浄する。次いで1回又は2回温水で洗浄
する。ろ液及び洗液は,ビーカー500 mLで受ける。
ろ紙及び残さを白金るつぼに入れ,乾燥し,加熱してろ紙を灰化し,最後に750〜800 ℃で焼成し,る
つぼを冷却する。るつぼの中の残さを少量の硫酸(1+1)で湿らせた後,ふっ化水素酸約5 mLを加え,緩や
かに加熱して二酸化けい素及び硫酸を除去する。
冷却したるつぼに二硫酸カリウム2 gを加え,最初緩やかに加熱した後,強熱し溶解する。るつぼを冷
却後ビーカー250 mLに入れ,温水約50 mL及び塩酸5 mLを加え,緩やかに加熱して融解物を溶解する。
るつぼを水で洗浄して取り除き,ろ液に合わせる。
混合したろ液を沸騰するまで緩やかに加熱する。このとき,長時間の強熱は避ける。かき混ぜながら塩
化すず(Ⅱ)溶液を滴加し,最後の1滴で溶液が無色になるか,又は黄色が消失したとき,更に1〜2滴を過
剰に加える。
7.1.1.4
滴定 7.1.1.3で得られた溶液に冷水を加えて約300 mLに薄め,水浴中で冷却する。激しくかき
混ぜながら塩化水銀(Ⅱ)溶液15 mLを一度に添加し,1〜2分間放置する。混酸50 mLを加え,更にジフェ
ニルアミン溶液を数滴加え,直ちに二クロム酸カリウム標準液によって滴定し,暗緑が紫に変色したとこ
ろを終点とする。二クロム酸カリウム標準液の消費量(V1)を記録する。
7.1.1.5
計算 試料の酸化鉄含有量(Fe2O3)は,質量分率として表示し,次の式によって小数点以下1けた
まで算出する。
Fe
2
O
3
=
ここに,
V
1
×
.0
007 984
m
1
×
100
Fe2O3: 酸化鉄含有量(%)
m1: 試料の質量(g)
V1: 滴定に要した二クロム酸カリウム標準液の消費
量(mL)
0.007 984: 二クロム酸カリウム標準液の量(mL)をFe2O3の
質量(g)に換算する係数
7.1.2
B法 塩化チタン(Ⅲ)還元二クロム酸カリウム滴定法
7.1.2.1
要旨 乾燥した試料を塩酸に溶解する。鉄(Ⅲ)を塩化チタン(Ⅲ)で還元し,過剰の還元剤を二クロ
ム酸カリウムで酸化した後,ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを指示薬として,二クロム酸カリウ
ム標準液で滴定する。
7.1.2.2
試薬
7
K 5109 : 2005
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) 塩酸(1+1,1+50) JIS K 8180に規定するものを用いて調製したもの。
c) 硫酸(1+1) JIS K 8951に規定するものを用いて調製したもの。
d) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
e) 二硫酸カリウム JIS K 8783に規定するもの。
f)
混酸 JIS K 8951に規定する硫酸300 mLとJIS K 9005に規定するりん酸250 mLとを約400 mLの水
に加え,更に水を加え1 000 mLとする。
g) 二クロム酸カリウム溶液(1g/L) JIS K 8005に規定するものを用いて調製したもの。
h) 塩化チタン(Ⅲ)溶液 JIS K 8401に規定するものを用いて調製したもの。塩化チタン原液(TiCl3 約200
g/L)を塩酸(1+1)で10倍に薄める。この溶液は,必要のつど調製する。
i)
二クロム酸カリウム標準液(0.01667mol/L) 150 ℃で60分乾燥した二クロム酸カリウム4.904 gを水に
溶解して,全量フラスコ1 000 mLに入れ,水で標線まで薄め振り混ぜる。JIS K 8005に規定するもの
を用いて調製したもの。
j)
ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液 JIS K 9514に規定するもので調製したもの。ジフェニ
ルスルホン酸ナトリウム0.2 gを水100 mLに溶解する。
k) インジゴカルミン溶液(1g/L) JIS K 8092に規定するインジゴカルミン0.1 gを水に溶かして100 mL
にする。
7.1.2.3
操作 試料(3)を105 ℃で1時間乾燥する。乾燥試料を約0.3 gの鉄が含有するように(表1参照),
0.3〜1.0 gの試料を0.1 mgのけたまではかりとる。
試料をビーカー300 mLに移し入れ,塩酸25 mLを加える。ビーカーを時計皿で覆い,80〜90 ℃に加熱
し,溶解する。不溶性の残さが残留する場合には,水50 mLを加えてかき混ぜ,ろ紙を用いて残さをろ過
する。ろ紙を温塩酸(1+50)で鉄(Ⅱ)の黄色が消失するまで洗浄する。次いで,1回又は2回温水で洗浄す
る。ろ液,洗液はビーカー500 mLに受ける。ろ紙及び残さを白金るつぼに入れ,乾燥し,加熱してろ紙を
灰化し,最後に750〜850 ℃で焼成し,るつぼを冷却する。
るつぼの中の残さを少量の硫酸(1+1)で湿らせた後,ふっ化水素酸約5 mLを加え,緩やかに加熱して二
酸化けい素及び硫酸を除去する。
冷却したるつぼに二硫酸カリウム2 gを加え,最初緩やかに加熱した後,強熱し溶解する。るつぼを冷
却後ビーカー250 mLに入れ,温水約50 mL及び塩酸約5 mLを加え,緩やかに加熱して融解物を溶解する。
るつぼをビーカーから取り出し,水で洗浄し,この水をろ液に合わせる。
溶液を90〜95 ℃に加熱し,直ちに塩化チタン(Ⅲ)溶液を溶液が黄色から無色になるまで滴加し,鉄を還
元する。引き続いてインジゴカルミン溶液を4滴加え,次に二クロム酸カリウム溶液(1 g/L)を溶液が,無
色から青に変化し,その青が約5秒間続くまで滴加した後,約15分間室温で放冷する。
7.1.2.4
滴定 7.1.2.3で得られた溶液に混酸50 mLを加え,ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液
1 mLを加え,二クロム酸カリウム標準液を用いて滴定し,暗緑が紫に変色したところを終点とする。二ク
ロム酸カリウム標準液の消費量(V2)を記録する。
7.1.2.5
計算 顔料中の酸化鉄含有量(Fe2O3)は,質量分率として表示し,次の式によって小数点以下1け
たまで算出する。
Fe
2
O
3
=
V
2
×
.0
007 984
m
2
×
100
8
K 5109 : 2005
ここに,
7.2
Fe2O3: 酸化鉄含有量(%)
m2: 試料の質量(g)
V2: 滴定に要した二クロム酸カリウム標準液の量
(mL)
0.007 984: 二クロム酸カリウム標準液の容量(mL)をFe2O3
の質量(g)に換算する係数
クロム酸鉛の存在の試験
試薬
7.2.1
a) 硝酸(1+5) JIS K 8541に規定する硝酸を用いて調製したもの。
b) よう化カリウム溶液(100g/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウムを用いて調製したもの。
7.2.2
操作 乾燥試料約1 gをビーカー250 mLにはかりとり,硝酸(1+5)100 mLを加えて激しくかき混
ぜる。ろ過し,ろ液によう化カリウム溶液の数mLを添加する。
黄色結晶が現れたら,鉛の存在を示している。
7.3
全カルシウムの定量 全カルシウム定量方法は,次のいずれかによる。
A法(フレーム原子吸光光度法) この方法は,酸化カルシウム含有量5 %未満の試料に適用する。
B法(容量法) この方法は酸化カルシウム含有量0.3 %以上の試料に適用する。
7.3.1
A法(フレーム原子吸光光度法)
7.3.1.1
要旨 乾燥した試料を塩酸に溶解する。共存する二酸化けい素はすべて,ふっ化水素酸によって
揮散させる。試料溶液をアセチン/一酸化二窒素フレーム中に吸引し,カルシウムホローカソードランプ
又はカルシウムディスチャージランプの分析線422.7 nmで吸光度を測定する。
7.3.1.2
試薬
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
c) 硫酸 JIS K 8951に規定する硫酸で調製したもの。
d) セシウム溶液(60mgCs/mL) 塩化セシウム76 gを水に溶解して全量フラスコ1 000 mLに入れ,標線
まで水を加える。塩化セシウムは,カルシウムを含むものがあるので入手可能な最高純度のものを使
用する。
e) ストロンチウム溶液(20mg/mL) JIS K 8132に規定する塩化ストロンチウム六水和物61.5 gを水に溶
解して全量フラスコ1 000 mLに入れ,標線まで水を加える。塩化ストロンチウムは,カルシウムを含
むものがあるので入手可能な最高純度のものを使用する。
f)
カルシウム標準貯蔵液(1g/L) 次のいずれかによって調製する。
1) 正確にCa 1 gを含む標準液の入ったアンプルの内容物を,全量フラスコ1 000 mLに入れ,標線まで
水を加える。
2) 110 ℃で約1時間乾燥したJIS K 8617に規定する炭酸カルシウム(質量分率99.9 %以上) 2.497 gを
はかりとり,ビーカー200 mLに入れ,水約10 mL及び塩酸約5 mLを加え,加熱して溶解し,二酸
化炭素を追い出して室温まで冷却した後,全量フラスコ1 000 mLに移し,標線まで水を加える。標
準貯蔵液1 mLは,Ca 1 mgを含有する。
g) カルシウム標準液(100mg/L) 標準貯蔵液を正確に10倍に薄める。この標準液は使用する日に調製す
る。この標準液1 mLは,Ca 100 μgを含有する。
9
K 5109 : 2005
7.3.1.3
検量線の作成
a) 数個の全量フラスコ100 mLのそれぞれに,カルシウム標準液を0〜10 mL(カルシウムとして0〜1 000
μg)を段階的に正しく加える。セシウム溶液(4)10 mL及び塩酸5 mLを加えて,標線まで水を加える。
注(4) セシウム溶液の代わりにストロンチウム溶液を10 mL加えてもよい。
b) 溶液の一部を,水を用いて,ゼロ点調整した原子吸光光度計の一酸化二窒素・アセチレンフレーム中
に噴霧し,波長422.7 nmにおける吸光度を測定する。
c) 得た吸光度とカルシウム量との関係線を作成し,この関係線を,原点を通るように平行移動して検量
線とする。
7.3.1.4
操作 試料を105 ℃で1時間乾燥する。乾燥試料約1 gを1 mgのけたまではかりとり,試料を
ビーカー300 mLに移し入れ,塩酸25 mLを加える。時計皿で覆い,80〜90 ℃に加熱し,溶解する。さら
に,乾固近くまで加熱する。冷却後,水50 mL及び塩酸5 mLを加え,加熱して溶解する。
不溶性の残さが残留する場合には,ろ紙を用いて残さをろ過する。ろ紙を,温塩酸(1+50)で鉄(Ⅲ)の黄
色が消失するまで洗浄する。次いで,1回又は2回温水で洗浄する。
ろ液及び洗液はビーカー500 mLに受ける。ろ紙及び残さを白金るつぼに入れ,乾燥し,加熱してろ紙を
灰化し,最後に750〜800 ℃で焼成し,るつぼを冷却する。るつぼの中の残さを少量の硫酸(1+1)で湿らせ
た後,ふっ化水素酸約5 mLを加え,緩やかに加熱して二酸化けい素及び硫酸を除去する。
冷却したるつぼに二硫酸カリウム2 gを加え,最初緩やかに加熱した後,強熱し溶解する。るつぼを冷
却後ビーカー250 mLに入れ,温水約50 mL及び塩酸約5 mLを加え,緩やかに加熱して融解物を溶解する。
るつぼをビーカーから取り出して,水で洗浄し,この水をろ液に合わせる。
ろ液を加熱し,約50 mLまで濃縮して冷却後,全量フラスコ100 mLに移す。セシウム溶液10 mLを添
加して標線まで水を加える。
7.3.1.5
吸光度の測定 7.3.1.4で得た溶液の一部を水を用いて,ゼロ点調整した原子吸光光度計の一酸化
二窒素・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長422.7 nmにおける吸光度を測定する。試料の吸光度が検量
線の最大濃度よりも高い場合には,既知量の水で適切な希釈を行う(希釈係数F)。
7.3.1.6
計算 計算は,次のいずれかによる。
酸化カルシウム含有量CaOは,質量分率として表示し,7.3.1.5で得た吸光度及び7.3.1.3で作成した検
量線からカルシウム量を求め,次の式によって算出する。
CaO
=
ここに,
A
×
.1
399 2
×
F
×
100
m
3
CaO: 酸化カルシウム含有量(%)
A: 検量線から得られた試料溶液のカルシウム量(g)
F: 7.3.1.5による希釈係数
m3: 試料の質量(g)
1.399 2: Caの質量(g)をCaOの質量(g)に換算する係数
10
K 5109 : 2005
B法 容量法
7.3.2
7.3.2.1 要旨 乾燥した試料を塩酸に溶解する。溶液中の鉄を4-メチル-2-ペンタノンによって抽出除去し,
カルシウムをしゅう酸カルシウムとして沈殿させる。しゅう酸カルシウムを硫酸に溶解し,遊離したしゅ
う酸を過マンガン酸カリウム標準液で滴定する。
7.3.2.2
試薬
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) 塩酸(1+1,10+6) JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製したもの。
c) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
d) 硫酸(1+4) JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。
e) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するもの。
f)
酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
g) アンモニア溶液 JIS K 8085に規定するもの。
h) 塩化アンモニウム JIS K 8116に規定するもの。
i)
塩化アンモニウム溶液(20g/L) JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム10 gを水500 mLに溶かし,
弱アルカリ性となるまでアンモニア水を滴加して調製したもの。
j)
しゅう酸アンモニウム飽和溶液 JIS K 8521に規定するしゅう酸アンモニウム飽和溶液を用いて調製
したもの。
k) しゅう酸アンモニウム溶液(1g/L) JIS K 8521に規定するしゅう酸アンモニウム溶液を用いて調製し
たもの。
l)
過マンガン酸カリウム標準溶液(0.02mol/L) JIS K 8001に規定するもの。
m) メチルレッド溶液(1g/L) JIS K 8001に規定するメチルレッド溶液を用いて調製したもの。
n) 4-メチル-2-ペンタノン JIS K 8903に規定するもの。
7.3.2.3
操作 試料を105 ℃で1時間乾燥する。磁製皿中に乾燥試料約2 gを0.1 mgのけたまではかりと
る。磁製皿を試料とともに炉に入れて750 ℃で1時間焼成する。冷却後,塩酸20 mLを加え溶解し蒸発乾
固する。次いで150 ℃の炉中で1時間加熱し,冷却後10 mLの塩酸を加えて溶解する。水50 mLで薄め,
ろ過して塩酸(1+1)で洗浄する。ろ紙及び残さを白金るつぼに入れ,乾燥し,加熱してろ紙を灰化し,最
後に750〜850 ℃で焼成しるつぼを冷却する。るつぼの中の残さを硫酸(1+1)で湿らせた後,ふっ化水素酸
約5 mLを加え,緩やかに加熱して二酸化けい素及び硫酸を除去する。残さに塩酸約10 mLを加え,緩や
かに加熱して溶解する。前の操作で得られたろ液に合わせる。この溶液を加熱濃縮する。
塩酸(10+6)で250 mLの分液ロートに移す。分液ロートに4-メチル-2-ペンタノン50 mLによって鉄を抽
出する。溶液が無色とならない場合には,2回目の抽出を行い,水相をビーカーに移す。溶液を加熱濃縮
し,冷却後,塩酸10 mLを加えて加熱溶解する。水200 mL及び塩化アンモニウム約5gを加えて溶解する。
メチルレッド溶液数滴を指示薬として加え,アンモニア溶液で黄色に変わるまで中和し約2分間煮沸する。
沈殿物の沈降を待ち,ろ紙でろ過する。ろ紙及び沈殿物は温塩化アンモニウム溶液で数回洗浄する。ろ液
及び洗液をビーカー300 mLにとり,溶液を酢酸によって酸性とし,わずかに過剰に加える。
溶液を沸騰させ,熱しゅう酸アンモニア飽和溶液50 mLを添加する。沈殿物が粒状に成長するまで,沸
騰を続ける。約1時間静置した後ろ過し,ろ紙をしゅう酸アンモニウム溶液(1 g/L)で,洗浄,ろ液に塩化
物の反応が消失するまで洗浄する。最後に極少量の冷水で洗浄し,しゅう酸アンモニウムを除去する。
11
K 5109 : 2005
7.3.2.4
定量 ビーカー300 mLをロートの下に置き,ガラス棒でろ紙の下端を突き破り,熱水で沈殿物を
ビーカーに洗い落とす。約30 mLの温硫酸(1+4)をろ紙の上に注ぎ,ろ紙を洗浄する。次いで,ビーカー
中の溶液を水で250 mLに薄める。約75 ℃として,過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定する。このとき,
液温は滴定終了まで60 ℃未満としてはならない。過マンガン酸カリウム標準液の消費量(V3)を記録する。
7.3.2.5
計算 酸化カルシウム含有量CaOは,質量分率として表示し,次の式によって小数点以下1けた
まで算出する。結果は,0.1 %のけたまで記録する。
CaO
=
ここに,
V
3
×
.0
002 804
m
4
×
100
CaO: 酸化カルシウム含有量(%)
m4: 試料の質量(g)
V3: 滴定に要した過マンガン酸カリウム標準液の量
(mL)
0.002 804: 過マンガン酸カリウム標準液のmLをCaOの質量
(g)に換算する係数
8. 表示 製品の包装の外面に,次の事項を表示する。
a) 日本産業規格の名称
b) 分類
c) 正味質量
d) 製造年月又はその略号
e) 製造番号又はロット番号
f)
製造業者名又はその略号
12
K 5109 : 2005
附属書1(規定) 水抽出液の酸度及びアルカリ度の試験方法
序文 この附属書は,本体の表4品質規格の水抽出液の酸度又はアルカリ度の試験方法を規定するもので,
1981年に第1版として発行されたISO 787-4,General methods of test for pigments and extenders−Part 4:
Determination of acidity or alkalinity of the aquaeous extractの必要とする箇所を翻訳し,技術的内容を変更す
ることなく作成した試験方法である。
1. 適用範囲 この附属書は,本体の表4に規定する酸化鉄(顔料)の水抽出液の酸度又はアルカリ度の
試験方法に適用する。
2. 試薬
a) 塩酸標準溶液(0.05mol/L) JIS K 8001に規定するもの。
b) 水酸化ナトリウム標準溶液(0.05mol/L) JIS K 8001に規定するもの。
c) 水酸化カリウム標準溶液(0.05mol/L) JIS K 8001に規定するものを正確に2倍に薄めたもの。
d) メチルレッド指示液 JIS K 8001に規定するもの。
3. 測定装置
a) pH測定装置 測定温度において,既知のpH値の緩衝液に対して補正されかつ,0.1単位まで測定可
能なもの。
4. サンプリング JIS K 5600-1-2による。
5. 操作
5.1
試験溶液 JIS K 5101-16-1に規定する手順に従って,無色透明な液(1)を調製する。
注(1) ろ液が着色している場合,指示薬の使用は適切でない。電位差法を使用する。
5.2
測定
5.2.1
中和法(A法) 試験溶液100 mLをはかりとり,メチルレッド指示薬5滴を加える。
溶液がオレンジ色ならば,中性である。
溶液が黄色(アルカリ性)であれば,0.05 mol/L塩酸標準溶液を用いて,オレンジ色の終点まで滴定する。
溶液が赤色(酸性)であれば,0.05 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液又は0.05 mol/L水酸化カリウム標準溶
液でオレンジ色の終点まで滴定する。
消費量(V)を記録する。
5.2.2
電位差滴定法(B法) 試験溶液100 mLをはかりとり,その中にpH測定用電極を入れて,pH値を
読む。
値が4と8との間にあれば,その溶液は中性である。
値が8以上(アルカリ性)であれば,pH値が8以下になるまで,0.05 mol/L塩酸標準溶液で滴定する。
値が4以下(酸性)であれば,pH値が4以上になるまで,0.05 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液又は0.05
mol/L水酸化カリウム標準溶液で滴定する。
消費量(V)を記録する。
13
K 5109 : 2005
5.3
繰返し測定 測定は2回行う。
6. 計算 酸性度又はアルカリ度は,次の式によって算出する。
A
=
V
×
5.2
×
100
V
=
125
2
×
m
m
ここに,
A: 試料100gの抽出物を中和するのに必要な0.1mol/L
アルカリ(又は塩酸)溶液のミリリットルとして表
される酸性度(又はアルカリ度)。
m: 試験溶液を作成するために採られたサンプルの質
量(g)。
V: 0.05mol/L塩酸標準溶液,0.05mol/L水酸化ナトリ
ウム標準溶液又は0.05mol/L水酸化カリウム標準
溶液の消費量(mL)
試験溶液が中性ならば,その結果を“中性”として記録する。中和法に対しては,2回の測定値の平均
値を記録する。
14
K 5109 : 2005
附属書2(規定) 水溶性硫酸塩及び塩化物の試験方法
序文 この附属書は,1973年に第1版として発行されたISO 787-13,General methods of test for pigments and
extenders−Part 13:Determination of water-soluble sulfates,chlorides and nitratesの必要とする箇所を翻訳し,
技術的内容を変更することなく作成した試験方法である。
1. 適用範囲 この附属書は,本体の表4に規定する酸化鉄(顔料)の水溶性硫酸塩及び水溶性塩化物の試
験方法に適用する。
2. 試薬
a) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。
b) 硝酸銀溶液(0.01mol/L) JIS K 8001に規定する0.1 mol/L硝酸銀溶液を正確に10倍に希釈したもの。
c) 塩化バリウム溶液(50g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム溶液を用いて調製したもの。
d) クロム酸カリウム溶液(50g/L) JIS K 8312に規定するクロム酸カリウム溶液を用いて調製したもの。
3. サンプリング JIS K 5600-1-2による。
4. 硫酸塩の測定
4.1
操作 JIS K 5101-16-1で得た透明な抽出液50 mLをはかりとり,塩酸3 mLで酸性にし,突沸に注
意して煮沸する。熱い液に微過剰になるまで塩化バリウム溶液を滴加し,一夜放置する。No.5種Cのろ紙
を使用してろ過し沈殿する。塩化物がなくなるまで洗浄する。ろ紙及び沈殿物は,磁製るつぼに入れ,乾
燥し,加熱してろ紙を灰化し,最後に750〜800 ℃で焼成しデシケーター中で冷却後,1 mgまでひょう量
する。
4.2
計算 水溶性硫酸塩の質量分率は,次の式によって小数点以下2けたまで算出する。結果は小数点
以下2けたまで記録する。
A
=
206
×
m
1
m
0
ここに,
A: 水溶性硫酸塩の質量分率(%)
m0: 水溶分の測定に使われた顔料の質量(g)
m1: 硫酸バリウムの沈殿の質量(g)
5. 水溶性塩化物の測定
5.1
操作 JIS K 5101-16-1で得た透明な抽出液50 mLをはかりとり,クロム酸カリウム溶液1 mLを加
える。わずかに赤みがかった褐色が持続するまで,かくはんしながら硝酸銀溶液で滴定する(1)(V1)。
空試験は,水50 mLにクロム酸カリウム溶液1 mLを加えて乳白色又は濁りを観察しながら,この滴定
の色と同様になるまで硝酸銀溶液で行う。
注(1) 滴定の終点は電位差で滴定してもよい。
15
K 5109 : 2005
5.2
計算 水溶性塩化物の質量分率は,次の式によって小数点以下2けたまで算出する。結果は,小数
点以下2けたまで記録する。
1−
B
=
.0
1775
(
V V
0
)
m
ここに,
B: 水溶性塩化物(Cl)の質量分率(%)
V0: 空試験に要した0.01N硝酸銀溶液の容積(mL)
V1: 滴定に要した0.01N硝酸銀溶液の容積(mL)
m: 水溶分の測定に使われた顔料の質量(g)
16
K 5109 : 2005
附属書3(規定) 酸化鉄グループ黒A及びBの酸化鉄含有量の測定
1. 適用範囲 この附属書は,酸化鉄(顔料)黒A及びBの酸化鉄の含有量の定量方法について規定する。
備考 本体では,酸化鉄(Ⅲ)の分析方法が規定されているが,酸化鉄グループ(黒)は,[(FeO)X・(Fe2O3)1-X]
と示されるように酸化鉄(Ⅲ)以外に酸化鉄(Ⅱ)を含み,乾燥中に酸化され本体の7.1酸化鉄(Ⅲ)
の定量方法では正しい結果が得られない。
なお,グループ黒の純分は使用者にとって重要な品質項目である。
2. 要旨 試料(1)を塩酸に溶解し,全鉄を本体の7.1によって測定する。FeOは,溶液を還元しないで同
様に測定し,計算によってFeO及びFe2O3を各々求め,合計して酸化鉄含有量とする。
注(1) 試料の乾燥温度は,受渡当事者間で合意した条件とする。
3. 試薬 本体の7.1による。
4. 操作
4.1
全鉄の測定 全鉄は,本体の7.1で求めた二クロム酸カリウム標準液の消費量(V1)によって質量分率
として表示し,次の式によって算出する。
Fe
=
V
1
×
.0
005 585
×
100
m
ここに,
4.2
Fe: 全鉄含有量(%)
m: 試料の質量(g)
V1: 滴定に要した二クロム酸カリウム標準液の消費
量(mL)
0.005 585: 二クロム酸カリウム標準液の容量(mL)をFeの
質量(g)に換算する係数
Fe(Ⅱ)の測定 試料1 gを0.1 mgのけたまではかりとる。試料をビーカー400 mLに移す。ビーカー
を時計皿で覆い,炭酸ガスを流しながら(滴定が終了するまでこの炭酸ガスを流す。)塩酸25 mLを加えて
加熱溶解する。混酸30 mLを加えて,水で約300 mLとする。ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶
液数滴を加え,直ちに二クロム酸カリウム標準液で滴定し,終点近くで溶液の緑が青緑に変わり,最後の
1滴で紫に変わる点を終点とする。二クロム酸カリウム標準液の消費量(V4)を記録する。
4.3
計算 Fe(Ⅱ)は,質量分率として表示し,次の式によって算出する。
Fe
(
Ⅱ
)
=
ここに,
V
4
×
.0
005 585
m
5
×
100
Fe(Ⅱ): Fe(Ⅱ)含有量(%)
17
K 5109 : 2005
m5: 試料の質量(g)
V4: 滴定に要した二クロム酸カリウム標準液の量
(mL)
0.005 585: 二クロム酸カリウム標準液の容量(mL)をFeの
質量(g)に換算する係数
5. 計算
5.1
Fe(Ⅱ)からFeOの計算 FeOは質量分率として表示し,次の式によって算出する。
FeO
=
Fe(
Ⅱ
)
×
5.2
71
.
85
55
.
85
Fe(Ⅱ)からFe2O3の計算 Fe2O3は質量分率として表示し,次の式によって算出する。
Fe
2
O
3
=
[
Fe
−
Fe(
Ⅱ
)
]
×
79
.
846
55
.
85
5.3 酸化鉄(顔料)黒の酸化鉄含有量 酸化鉄含有量は,FeOとFe2O3とを合計した値とする。結果は,0.1 %
のけたまで記録する。
18
K 5109 : 2005
附属書4(参考) 水銀を含む廃液からの水銀除去
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 処理法 3個の10Lのプラスチック容器を附属書4図1のように連結する(連結された系列のうち,付
加された最後のチャンバーは,急激な反応によって増大する圧力による危険性を最小にするためのもので
ある。)。最初の二つの容器には,水銀を還元し,沈殿させるための3 kgのアルミニウム又は鉄の棒を入れ
る。第三の容器から排出される溶液は,最終的に廃棄する前に中間槽で処理する。蓄積した水銀のスラッ
ジは,適宜取り除き,回収工場へ送る前に傾斜法によって濃縮する。アルミニウム又は鉄の棒は,必要に
応じて交換する。
参考文献 Ansmann W.,Arch. Eisenhuttenw.,53(10),1982,p.390
附属書4図 1 廃液からの水銀除去装置
19
K 5109 : 2005
附属書5(参考) 分散性
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 適用範囲 この附属書は,酸化鉄(顔料)の分散性について記述する。分散性は,ビヒクルの性状及び
試験条件の微妙な相違によって一定の結果が求められない場合がある。受渡当事者間の合意による見本品
及び試験条件によって,試験を行うことが望ましい。
なお,ISO 1248には,分散性の規定はないが,分散性は使用者側にとって極めて重要な項目である。
2. 見本品 見本品は,品質を評価するために用いる顔料で,あらかじめ受渡当事者間の合意によって取
り決めたもの,又は,あらかじめ製造事業者が製品の品質管理を目的として定めたものとし,品名,種類,
ロット番号などを表す記号を付ける。
3. サンプリング JIS K 5600-1-2による。
4. 分散性の評価 分散性は,見本品と比べてほとんど差のないことが要求される。
5. 分散性の試験方法 分散性の試験方法は,JIS K 5101-5-1,JIS K 5101-5-2及びJIS K 5101-5-3による。
関連規格 JIS K 5101-5-1 顔料試験方法−第5部:分散性の評価方法−第1節:有色顔料の着色力の変化
による評価
JIS K 5101-5-2 顔料試験方法−第5部:分散性の評価方法−第2節:分散度の変化による評価
JIS K 5101-5-3 顔料試験方法−第5部:分散性の評価方法−第3節:光沢の変化による評価
20
K 5109 : 2005
附属書6(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 5109:2004 酸化鉄(顔料)
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)国際
規格番号
項目番号
内容
1.適用範囲
酸化鉄(顔料)につ
いて規定。ただし,
雲母状酸化鉄,透
明性酸化鉄及び灰
色粒状酸化鉄を除
く。
2.引用規格
(Ⅲ)国際規格の規定
項目
番号
内容
塗料用に適
した雲母状
酸化鉄顔料
並びに乾燥
状態の急速
分散性顔料
を含む工業
製品及び天
然産の酸化
鉄顔料につ
いての品質
及び試験方
法
ISO 1248:1974 酸化鉄(顔料)−品質及び試験
方法
(Ⅳ)JISと国際規格との技術 (Ⅴ)JISと国際
的差異の項目ごとの評価及 規格との技術
びその内容
的差異の理由
表示箇所:本体,附属書
及び今後の対
表示方法:点線の下線又は実
策
線の側線
項目ごとの
評価
MOD/削除
技術的差異の
内容
雲母状酸化
鉄,透明性酸
化鉄及び灰色
粒状性酸化鉄
は国内では一
般的に使用さ
れていないの
で削除。
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
MOD/変更
MOD/追加
国際規格は古
く最新のISO
を引用してい
ないためこれ
に対応する最
新JISを引用
した。
実質な技術的
差異はないが,
国際規格の見
直しの際,提案
を行う。
21
K 5109 : 2005
(Ⅰ)JISの規定
項目番号
2.引用規格
(Ⅱ)国際
規格番号
内容
(Ⅲ)国際規格の規定
内容
項目
番号
を追加
(Ⅳ)JISと国際規格との技術
的差異の項目ごとの評価及
びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実
線の側線
項目ごとの
評価
MOD/変更
MOD/追加
技術的差異の
内容
(Ⅴ)JISと国際
規格との技術
的差異の理由
及び今後の対
策
3.定義
MOD/削除
国内では使用
されていない
灰色酸化鉄を
削除
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
4.分類
MOD/削除
この種類は,
雲母状だけに
含まれ国内で
は流通してい
ないことから
4.2から金属光
沢の灰色を削
除
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
名称
MOD/削除
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
表4要求品質 MOD/追加
日本国内では
ISOで規定さ
れているよう
な名称の使用
はないため名
称についての
規定項目を削
除
1248.2:1996の
規定内容を参
考にして条件
付き品質を追
加
5.要求事項
6.サンプリ
ング
表4要求品質
表5条件付き品質
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
22
K 5109 : 2005
(Ⅰ)JISの規定
項目番号
(Ⅱ)国際
規格番号
内容
7.試験方法
(Ⅲ)国際規格の規定
項目
番号
7.1酸化鉄(Ⅲ)
7.1.1A法 塩化す
ず(Ⅱ)還元二クロ
ム酸カリウム滴定
法
7.1.2B法 塩化チ
タン(Ⅲ)還元二ク
ロム酸カリウム滴
定法
内容
塩化すず滴
定法
7.2クロム酸鉛の存
在の試験
7.3全カルシウムの
定量
7.3.1A法 フレー
ム原子吸光光度法
7.3.2B法 容量法
有機着色剤
の試験方法
(Ⅳ)JISと国際規格との技術
的差異の項目ごとの評価及
びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実
線の側線
(Ⅴ)JISと国際
規格との技術
的差異の理由
及び今後の対
策
項目ごとの
評価
MOD/変更
技術的差異の
内容
1248.2:1996の
規定内容を参
考にして使用
する試薬及び
操作の変更
MOD/選択
試験方法を追
加。A法は水
銀を使用する
ためB法を追
加し,A法,B
法の選択とし
た。
ISOへ提案す
る。
MOD/追加
1248.2の規定
内容を参考に
して試料採取
量及び試験器
具を追加
ISO/DISに整合
している。
MOD/選択
1248.2:1996の
規定内容を参
考にして試験
方法を追加
し,B法と選択
できるように
した。
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
MOD/変更
1248.2:1996の
規定内容を参
考にして使用
する試薬,滴
定方法及び計
算式の変更
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
MOD/削除
有害な試薬を
使用するため
試験項目を削
除
WTO/TBT協定
の例外規定に
よる。
ISO/DISに整合
している。
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K 5109 : 2005
(Ⅰ)JISの規定
項目番号
(Ⅱ)国際
規格番号
内容
8.表示
(Ⅲ)国際規格の規定
項目
番号
内容
(Ⅳ)JISと国際規格との技術
的差異の項目ごとの評価及
びその内容
表示箇所:本体,附属書
表示方法:点線の下線又は実
線の側線
項目ごとの
評価
MOD/追加
附属書1(規
定)
水抽出液の酸度及
びアルカリ度の試
験方法
水抽出液の
酸度及びア
ルカリ度の
試験方法
MOD/追加
附属書2(規
定)
水溶性硫酸塩及び
塩化物の試験方法
水溶性硫酸
塩及び塩化
物の試験方
法
MOD/追加
附属書3(規
定)
酸化鉄グループ黒
A及びBの酸化鉄
含有量の測定
MOD/追加
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
(Ⅴ)JISと国際
規格との技術
的差異の理由
及び今後の対
策
技術的差異の
内容
製品取引上必
要な製品の表
示について表
示項目を追加
ISO 787-4に
規定されてい
る試験方法抜
粋を追加
本体の表4で
ISO 787-4を
試験方法とし
て引用してい
るが,これに
対応するJIS
がないため必
要な試験方法
を規定した。
ISO 787-13に
規定されてい
る試験方法抜
粋を追加
本体の表4で
ISO 787-13を
試験方法とし
て採用してい
るが,これに
対応するJIS
がないため必
要な試験方法
を規定した。
Fe2O3含有量
の試験方法を
追加
本体の表4で
規定している
7.1の試験方法
では正しい結
果が得られな
いため試験方
法を規定し
た。
提案を検討す
る。
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
国際規格の見
直しの際,提案
を検討。
ISOに提案す
る。
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K 5109 : 2005
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD/削除・・・・・・・・・ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− MOD/追加・・・・・・・・・ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更・・・・・・・・・ 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD・・・・・・・・・・・・・ 国際規格を修正している。