Zendeskは6月18日、Microsoftのクラウドマーケットプレイス「Microsoft AppSource」において、新たに「Microsoft 365用Zendesk Support Assistant」の提供を開始したと発表した。MicrosoftのAIエージェント基盤「Agent 365」と統合され、企業の従業員向けサポート業務の効率化と高度化を担う。
従来、従業員サポートは専用ポータルや別アプリで提供されるケースが一般的だったが、本ソリューションで「Teams」「Outlook」「Word」など、従業員が普段利用している環境内でAIを活用したサポートワークフローが実行できる点が特徴になる。
これにより、ユーザーは業務を止めることなく、問い合わせやトラブル対応を進められる。例えば、Teams上でITヘルプデスクに問い合わせを行い、そのままチケット管理や問題解決まで完結するといった、シームレスな体験が実現される。サポート部門側も、AIによる自動応答や優先度判定、エスカレーション機能を活用することで、限られた人員でも多くの問い合わせに対応できるようになる。
Zendesk Support Assistantは、Agent 365との統合により、チケット管理や課題解決、ワークフローの制御をMicrosoft 365上で一元的に実行することが可能となる。また、Microsoftのセキュリティおよびコンプライアンス基盤上で動作するため、企業が求めるガバナンス水準を維持しながらAIの安全な活用が可能だ。
Zendeskで従業員サービス領域を統括するVishnu Parimi(ヴィシュヌ・パリミ)氏は、「テクノロジーは従業員の負担を増やすのではなく、働く場所に自然に溶け込むべき」と述べ、今回の設計思想を強調した。多くの企業でサポート部門の人手不足が課題となる中、AIを活用した目立たない支援が、業務効率の鍵を握ると指摘する。
Microsoft側も、今回の統合をパートナーエコシステム強化の一環と位置付けている。MicrosoftのSrini Raghavan(スリニ・ラガヴァン)氏は、「AppSource」を通じて既存のMicrosoft製品と連携する専門ソリューションを容易に導入できる点を強調し、Zendeskとの連携が企業のデジタルワークフロー高度化に寄与するとした。
企業におけるデジタルワークプレイスは急速に進化しており、従業員向けサポートも「受動的な問い合わせ対応」から「能動的な支援」へとシフトしている。AIを活用したチャットボットやエージェントは、その中核を担う存在となりつつあるが、依然としてツールの分断やユーザー体験の断絶が課題として残っていた。
今回のZendeskの取り組みは、そうした課題を解消し、業務の中にサポートを埋め込むアプローチを体現したもの。従業員がどのツールを使っていても同じ品質のサポートが受けられる環境は、企業の生産性向上や従業員満足度向上にも直結する。
また、AIエージェントの普及に伴い、企業にとっては「管理・統制」の重要性も高まっている。AIが各部門で個別に導入されると、セキュリティやガバナンスの観点でリスクが生じる可能性があるが、Microsoft 365の統合基盤上で一元管理することで、こうしたリスクを抑制できる点も導入を後押しする要素となる。

