ハヤシライスを作ったのにカレーと間違われた夜🍛|正しさよりも平和が正解!?
「今日のカレー、美味しいね😋」
そう言われて、手が止まった。
目の前にあるのは、どう見てもハヤシライスである。玉ねぎを炒め、牛肉を入れ、ルウを溶かし込んだ、ごく普通のハヤシライスだ。
一週間ほどカレーを作り続けていたので、最後くらいは気分を変えようと思ったのである。ちょうど玉ねぎも余っていたし、冷蔵庫の整理にもなる。実に平和的な理由だった。
ところが、妻はスプーンを口へ運びながら、満足そうに「今日のカレー、めっちゃ美味しい」と言った。
「……カレー?いや、ハヤシライスやで」と言いかけた。
しかし、その言葉を喉元で止めた。なぜなら料理名の訂正は、ときに外交問題へ発展するからだ。
昔、付き合っていた子がハヤシライスを作ってくれたことがある。肉、玉ねぎ、マッシュルーム。こちらも実に模範的なハヤシライスだった。
私は何の疑いもなく、「このカレー、めっちゃ美味い」と言った。
空気が凍った。
「はぁ? ハヤシライスやねんけど💢」
カレーか
ハヤシライスか
それだけで人間関係は簡単に険悪になる。料理とは恐ろしい。美味しいと言った事実より、“名前を間違えた”事実のほうが強く残るのだ。
その際は、慌てて取り繕おうとした。
「この牛肉が旨かったから、間違えたんや😉」
「豚肉やで💢」
墓穴を掘るとは、まさにこのことだ。浮気がバレた男みたいな空気になり、「美味しい」はどこかへ消え去った。
そんな辛い過去があるので、妻が「カレー」と言っても、何も訂正しない。見た目は似ているし、味だって遠い親戚くらいではある。正しさを主張するには、エネルギーが必要なのだ。
それに、妻は冗談が通じないタイプである。軽い気持ちでツッコんでも、「は?💢」で終わることがある。だから黙ってハヤシライス……いや、“今日のカレー”を食べた。
夜。バイトから帰ってきた娘が鍋を見て言った。
「このカレー、うまっ😋」
……もうええわ、カレーで。
結局、料理というのは名前ではないのかもしれん。完食されて、「美味しい」と言われ、空気が悪くならなければ、それはもう成功した料理である。
この日、我が家のハヤシライスは、正式に“カレー”へと進化した。

🔗 TSUKUSI女将の記事読みながら、思い出したネタです🍛ごちそうさまでした😋
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🌀 シリーズ序章:ADHD?いや、ただのナマケモノかもしれん🦥
