語彙力が壊滅的|我が家の会話はアレだらけ
言葉が出てこない。語彙力が弱い。
いや、弱いなんてもんではない。日常会話の大半が「あれ」「これ」「それ」で構成されている。もはや日本語というより、指差しと雰囲気で成立する家庭内暗号である。
「アレどこやった?」
「そこにあるやん」
「どこ?」
「それの横」
「これ?」
「ちゃう、それ」
この会話で目的にたどり着けるのだから、補完能力はすごい。いや、たどりつけたかどうかも不明である。
パパは昔から読解力が弱かった。作者の気持ちなど知ったことではないし、文学の授業では「本人に聞け」と思っていた。それでも、本を読破せずに、読書感想文で佳作をもらったのは自慢だ。たぶん文章の中身ではなく、流れだけで押し切っていたのだろう。
娘も勉強はお察しだが、文章は整っていた。以前、謹慎反省文のようなものを読んだ時「構成うまいな」と思ってしまった。反省しているかは保証しないけど、文章としてはちゃんとしていた。親として褒めていいのか迷う才能である。
問題は妻だ。妻は語彙が弱いだけでなく、説明が壊滅的である。主語が消え、時系列が飛び、結論は迷子になる。スーパーで店員さんに何かを尋ねている時など、店員さんの顔がだんだん「私は今、何を聞かされているのだろう」という表情に変わっていく。
それでいて妻は言う。
「前にも言ったでしょ」
いや、言われたかもしれん。ただ、覚えてるか、理解できたかは別問題だ。
我が家は全員、語彙力が弱い。パパと娘は文章にすれば多少ごまかせるも、妻の話は宇宙へ飛んでいく。だから今日も家では「あれ取って」「これ?」「それちゃう」高度な通信が飛び交っている。
家族の絆とは「アレ」だから。
🔗 前章はこちら:国語力の正体📚
🌀 シリーズ序章:ADHD?いや、ただのナマケモノかもしれん🦥
