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割引シールの罠|30%オフってなんぼやねん

算数は、嫌いではなかったはずである。足し算も引き算も、それなりに人並みにこなしてきた。ところがスーパーの棚の前に立ち、「30%オフ」の赤いシールを見ると、頭の中のそろばんは閉店作業を始める。

「30%オフって、なんぼやねん?」

値札を見つめながら固まる。598円の30%オフ。たぶん安い。かなり安い気がする。しかし、それがなんぼなんかは分からない。分からないけど「お得やん」と叫んでる。

20%オフは、ちょっとお得。
30%オフは、なんかお得。
40%オフになると、もうほぼ半額。
そして50%オフは大勝利である。

買い物とは計算ではない。ただの気分である。数字を見ているようで、シールの色と勢いを見ていただけなのだ。

一応、計算式は知っている。
……たぶん。

1000円の30%オフは700円である。

しかし、そんな親切な数字ばかりではない。398円、548円、738円。中途半端な数字たちが、暗算力を試すように並んでいる。そこへ「2個で298円」などと書かれた日には、もう白旗である。

1個なんぼなのか、得なのか、そもそも本当に必要なのか。考える前にカゴへ入れている。

だから、割引後のお値段をちゃんと書いてくれるスーパーが好きだ。あれはやさしさである。「30%オフ」と言われても、こちらは雰囲気で生きている。

ちゃんと「418円」と書いてくれたら、安心して買える。必要かどうかも判断できる。

結局、買い物とは、計算力ではなく錯覚力だ。赤いシールを見ると安く見える。半額シールを見ると勝った気になる。

レジで合計金額を見て、「あれ?」となるところまでが買い物だ。

30%オフがなんぼなのかは分からないけど、安いと感じた時点で負けである。

🔗 前章はこちら:ヤフコメの既視感👽
🌀 シリーズ序章:ADHD?いや、ただのナマケモノかもしれん🦥

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