カメムシ失踪事件🪲容疑者ココの💩に証拠なし🐶
新たなペットを迎えた。名前はカメムシのブンくんである。正式に飼うと決めたわけではない。許可を出した記憶もない。ある日、勝手に部屋へ入り込み、勝手に居座り、勝手に家族の一員みたいな顔をしていただけである。それでも七日も同じ空間にいると、だんだん情が湧いてくる。
最初はもちろん迷惑だった。カメムシである。見た目からして「触ったら負け」と言っているような虫である。しかも、下手に刺激すると例の香りを放つ。あれは匂いではない。小さな体に詰め込まれた化学兵器である。だから追い出すでもなく、殺虫剤を使うでもなく、ただ静かに共存する道を選んだ。冷戦状態のまま七日目を迎えたわけである。
ところが今朝、ブンくんの姿が見えなかった。窓の近くにもいない。カーテンの裏にもいない。洗濯物にもついていない。天井の角にもいない。いつもなら、どこかで小さく「ブーン」と存在感を出していたはずなのに、部屋は静まり返っていた。
静かな部屋ほど、妄想を加速させるものはない。逃げたのか。自立したのか。あるいは事件なのか。頭の中で捜査本部が立ち上がった。事件名は「カメムシ失踪事件」。被害者、ブンくん。最終目撃場所、我が家のどこか。現場に残された証拠、なし。これほど難解な事件も珍しい。
🐶 第一容疑者:ココ
まず疑うべきはココである。普段から何でも口にする。ゴミ箱を漁る姿など、もはや日課というより職人芸である。マンションの階段に転がっているカメムシにすら興味津々だったことを考えれば、動機も能力も十分にある。しかも恐ろしいことに、もし犯行が行われていた場合、証拠はすでに体内へ消えている。完全犯罪である。
💬 ……まさか食ったんか?💦
ただし、現時点で決定的な証拠は見つかっていない。捜査は主に💩方面へ向かうことになるが、そこまでして真実を知りたいかと問われると迷う。知りたい。けれど知りたくない。事件には、知らないままのほうが幸せな真相というものがある。
🐩 第二容疑者:リン
次に疑わしいのはリンである。リンはグルメなので、カメムシを好んで食べるタイプではない。敵は虫より猫であり、日々の業務はパパの監視である。ただし、「ブーン」という音には反応する可能性がある。小さな羽音を聞いた瞬間、反射的に飛びついたとしても不思議ではない。しかし今日のリンは平和そのものだった。いつも通り足元で寝ている。監視員が職務中に事件を起こすとは考えにくい。
🧍♀️ 第三容疑者:ママ
そして第三の容疑者はママである。ゴッキーも平気でしばける強心臓の持ち主であり、カメムシ程度なら素手でポイできるレベルの実力者である。起きた頃にはすでに仕事へ行っていたため、事情聴取はできていない。もしママがそっと外へ逃がしてくれていたなら、それは犯行ではなく慈悲である。だが、黙って処理した可能性もある。優しさと隠蔽は、時に紙一重なのだ。
🔍結論(パパの推理)
結局、パパの推理では、ブンくんの自主退去が五割、ココの朝ごはんが四割、ママの優しさが一割である。リンは今回は不起訴としたい。犯行動機が薄すぎるし、何より今も足元で寝ている姿があまりにも無罪顔である。
ただ一つ確かなことがある。あれほど迷惑だった「ブーン」という音が消えると、家は静かになる。平和になったはずなのに、どこか物足りない。誠に勝手なものである。来たら嫌がり、消えたら寂しがる。七日も居座ったカメムシに、いつの間にか名前までつけていた。
ブンくんはどこへ行ったのか。窓の外で自由を手に入れたのか。ココの腹の中で第二の人生を始めたのか。それともママの手によって、静かに外の世界へ送り出されたのか。真相はまだ闇の中である。
そして今、パパは部屋の片隅で耳を澄ませている。もしまた「ブーン」と聞こえたなら、きっと安心するのだろう。事件は未解決のまま、容疑者たちは今日も何食わぬ顔で暮らしている。
💬 ……ただし次に見つけたら退去命令である。
🪲 関連記事はこちら:全国でカメムシ侵入祭り🪅
🐩 リンのアンサー:絶対ココ😤
🐶 ココのアンサー:オレちゃうって💦
🔗 次話はこちら👇
↩️ 前話はこちら:夫婦喧嘩は犬も食わぬ🦴
