銀河フェニックス物語<少年編>第十九話(3)敵とブラックアウト
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<少年編>第十九話「敵とブラックアウト」(1)(2)
<少年編>マガジン
俺一人でできることには限りがあるが、やれることをやるしかねぇ。いっそ爆破しちまったほうが被害は少ないんじゃねぇか?
と、その時、
ピッツ
レーダーが反応した。
アリオロン艦から機体が飛び出してきた。
おおおおぉぉぉ。アリオロンの新型戦闘機だ。本物だ。尾翼のデザインがかっけぇ。
「アリオロンと共同作戦を決行する」
アレックの声が聞こえた。

アリオロン機と並走する。こいつの腕がどんなもんかわかんねぇが一緒にやれば何とかなる。
作戦命令が通信機から飛んできた。
「データ接続する。こちらの指示通りに小天体を撃て。射出速度、角度、位置、強さ一つも間違うな」
「誰に言ってんだよ、俺は銀河一の操縦士だぜ」
とは言ったものの、結構難易度が高いな。五つのうち俺が、一つ目、三つ目、五つ目の小天体を、アリオロンの奴が二つ目と四つ目を狙う。
一つ目が終わったら、アリオロンの奴が二つ目をやってるうちに、急いで三つ目を狙いにいく。先にイメージしとかねぇと、ジャストの位置に持っていけねぇぞ。
「ヨロシク」
と隣の機体にあいさつのメッセージを送る。
「ヨロシク」
と返事が返ってきた。フルフェイスのヘルメットを被っているからお互い顔は見えねぇ。だが、あいつの緊張感が伝わってきた。
さて、いくぜ。
まずは一つ目。俺の獲物だ。小天体は戦闘機のように逃げたり反撃してこねぇ。楽っちゃ楽だが、かけらを飛ばさないように丁寧に撃つってのは別の技量を問われる。
「そりゃ」
小型ミサイルを指示通り、狙った角度で優しく撃ちこむ。小天体の上部に着弾。軌道がずれていくのが目視で確認できた。成功。
俺は反転上昇して三つ目を狙いに行く。
アリオロンの奴が二つ目を撃つ。
俺は俺の任務に集中すべきだが、アリオロンの最新機が気になる。ミサイルの誘導機能はかなり優秀だな。パイロットもまずまずの腕とみた。二つ目の小天体も軌道がそれていった。
さて、俺の番だ。三つ目は上から小天体の左側を狙う。こいつは大きいから推力ミサイルだ。一つ間違うと小天体が割れちまう。女性を扱うぐらい神経を使う。
行けっ。
計算通り小天体の左角に着弾。推力ミサイルが押すように小天体の向きを変える。一度軌道がずれればそのまま慣性で別の方向へ飛んでいく。よっしゃ、成功。
あと二つ。
俺は五つ目の退治に向かおうと機体を展開した。
アリオロンの奴が四つ目をやろうとしているのが視界に入る。
その時、身体中の毛が逆立った。あの角度じゃ甘い。小天体が粉砕される。
「撃ツナ!」
アリオロン機にメッセージを送る。
「アレック、五つ目の計算をやり直してくれ」
「計算の変更はできんぞ」
「アーサーが殺されてもいいのかよ!」

敵のパイロットはそのままの角度で四つ目を撃った。意図的なのか、俺のメッセージに気づかなかったのか。
全速力で引き返す。
小天体にアリオロンのミサイルが当たる。天体に大きなひびが入ると同時に炎が上がった。失敗だ。割れた破片が加速して四方八方に飛び散る。
大小入り乱れた大量のかけらがアーサーのいる方へと向かっていく。アーサーが死んだらどうなるんだ? アリオロンの奴、将軍家の跡取りがいるってことを知って狙ったのか?
機関砲のスイッチを思いっきり押しながら、破片の軌道に突っ込んだ。
ダダダダダダダッツツツ。
四つ目の破片をできる限り粉砕する。アーサーが着ている船外作業服は小石サイズまで砕けば持ちこたえるはずだ。
これが終わったら、アリオロン機を撃ち落してやる。
最終回へ続く
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ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」
レイター「なんか、すげぇな……」