本人確認のつもりで入れた番号が、公開されるところだった
今回は、Chrome拡張機能を作って、公開しようとして止まった話。
というか、現在進行形で止まっている。
普段は自分のWebサービス:Mintor(ミンター)を作ったりしています。
自己紹介も読んでいただけると嬉しいです。
✦ きっかけは、雑談だった
開発友達のギガビットさんと話していた時のこと。
「Geminiキャンバスで作ったアプリ、共有してると思うんですけど、公開リンクごちゃごちゃになってないですか?」
なってた。
Geminiで「共有リンクを作成」を押すたびにリンクは増えていく。
でも、どのチャットで作ったリンクなのか、何のアプリなのか、あとから見返しても分かりづらい。
公開リンクの一覧ページはある。
でも、タイトルは全部「Canvas Copied Confirmation」とかチャット開始時についた名前だったりする。
公開したあとで直せない。
メモもない。
元のチャットに戻る手段もない。
メモが残せて、元のチャットに戻れたらいいな。
そう思って作り始めた。

✦ Gemini Share Manager
Chrome拡張機能を作った。

公開リンクを作ると、タイトルと元チャットのURLを自動で記録してくれる。

リンクごとにメモを残せて、検索もできる。
データは全部ローカル保存。
あとは「テーマが4色から選べる」っていう趣味の機能。

自分が困ってたことを、自分で解消した。
✦ いざ公開しようとしたら
作るのは楽しかった。問題はそこからだった。
Chrome ウェブストアに拡張機能を公開するには、思っていたよりずっと多くの準備が必要だった。
まず、デベロッパー登録に$5。
これはすぐ終わった。
お金払うだけ。
次に、EUの法律(DSA:デジタルサービス法)への対応。
個人開発者でも、住所・電話番号を公開しないといけない。
※トレーダーのアカウントの場合
住所を自宅にするわけにはいかないから、バーチャルオフィスを契約した。契約証明書を取り寄せて、本人確認に使う。
英語のスクリーンショットも必要だった。
拡張機能の説明も英語で書いた。
サポート用のURLがないとダメだったから、GitHub Gistでページを作った。
プライバシーポリシーも用意した。
ひとつひとつは難しくない。
でも、数が多い。
そして、どれも「作る」作業じゃなくて「出す」ための作業だった。

✦ 本人確認で、電話番号を入れた
公開準備の中に、本人確認があった。
画面にはこう書いてあった。

身分証明書を撮影してアップロードして、住所の証明書類も提出して、最後に電話番号を入力する。
バーチャルオフィスの契約書に書いてある電話番号を入れなきゃ、と思った。
契約書と一致する番号じゃないと通らないかもしれない。
サブの番号は持っていた。
でも、契約書にはメインの個人携帯を書いていた。
だから、そのまま入れた。

…
「入力した電話番号は顧客に表示されます」

書いてあった。
ちゃんと書いてあった。
でも、本人確認の流れの中で、「本人確認に使う」としか思わなかった。
審査は通った。
✦ 公開ボタンの直前で気づいた
全部揃った。あとは「審査のため送信」を押すだけ。

最後にもう一度だけ、と思ってアカウント画面を開いた。
わたしの個人の携帯番号が、そのまま表示されていた。

「この情報は、Chrome ウェブストアの掲載情報に表示されます」
ユーザーに公開される情報として。
住所はバーチャルオフィスにしていた。
だから問題ない。
でも、電話番号だけ、メインの個人携帯のままだった。

✦ 直そうとしたら、直せなかった
「今すぐ直そう」と思った。
Google お支払いプロファイルで電話番号を変えた。
でも、ダッシュボードの表示は変わらない。
シークレットウィンドウで開いても、同じ。
トレーダー宣言のオン・オフを切り替えてみた。
自動で「確認済み」に戻る。
電話番号はそのまま。
電話番号を変えるには、メールを送って対応してもらうか、本人確認をもう一度やり直す必要があった。
身分証明書のアップロード。住所証明書の再提出。
新しい電話番号の入力。 全部、最初からやり直し。
「内容を確認し、数日以内にご連絡いたします」


数日待った。
却下された。

一度目は通った書類が通らなかった。

何回やっても同じ理由で却下される。
らちが明かないし、繰り返し続けるのはリスク。
ということで、問い合わせフォームから電話番号の変更依頼を出すことにした。

また、返信待ち状態に戻った。
拡張機能はできているのに、出せない。
zipで渡すことはできるけど、そうするとデベロッパーモードで入れてもらうしかなくなるし、改善する度に再度zipを渡して入れ直してもらう必要がある。
そっちの方がめんどくさいし、責任が負えない。

✦ 「あとで直せばいい」が効かない場所
本人確認の時、「あとで直せばいいか」と思った。
契約書の番号だし、通すことが先だと思った。
でも、個人情報は「あとで」が効かない。
一度公開されたら、キャッシュに残るかもしれない。
検索エンジンに拾われるかもしれない。
「やっぱり消したい」は通じない。
娘にはさんざん言ってきた。
「一度出したものは完全には消せないよ」って。
言ってきた側が、やりかけていた。
本当に大丈夫か?問題ないか?
何度も何度もチェックを重ねる。
それでも見落とすこともある。

✦ 作ることより、出す準備の方が地味で大変
拡張機能を作るのは楽しい。
困っていることを、自分の手で解決できる。
でも、それを「出す」ための準備は、作ることの何倍も地味で、何倍も時間がかかっている。
公開ボタンは、まだ押せていない。
電話番号の変更・再認証が通るのを待っている。
でも、焦ってはいない。
出す前に気づけたことの方が、ずっと大きかったから。
そう思うことにする。

電話番号の修正出来たら、また進捗アップと、他にも作ってる拡張機能の公開をしていく。

