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ルート66を行く 14 アリゾナ州西部

アリゾナ州西部には、ルート66の面影が残り、観光スポットも集中しています。日本からの観光客はラスベガスやロサンゼルスからこの辺りを目指してやってきて「ルート66に行ってきた」と話します。確かに数日でインスタ映えするルート66の象徴を撮影することができるエリアです。
この辺りは観光客の数が増えるので、観光資源としてルート66は維持され綺麗に整備されています。標識や無料の観光ガイドもありますので、日本人にも出会います。

実際のルート66はシカゴからサンタモニカまでの長距離を指します。これまで私が記してきたように様々な景色、文化、宗教があり、住んでいる人々にもかなりの違いがあります。アリゾナ州西部を見ただけでルート66に行ってきたというのにはちょっと語弊があるようにも感じますが、アメリカの文化を知る上では日本人には良いエリアなんだと思います。

今回は、そんな「映えるルート66」を旅します。

では、フラッグスタッフから始めましょう。

フラッグスタッフの街

Flagstaff
アリゾナ州のちょうど真ん中あたりに位置します。ここはロッキー山脈の南端のコロラド高地にあり、標高は2,000メートル以上あります。ルート66の中でもサンタ・フェと同様に標高の高い場所のひとつです。
この町は宿場町として発展しました。東西を走るルート66、北に向かうとソルトレイク、南に向かうとフェニックスがあります。今も昔も賑わっている場所です。大陸横断鉄道は今も頻繁に走っていて、数分おきに貨物車が通ります。これは深夜にも及び、夜も数十分間隔で貨物車が走ります。旅客は、アムトラックのサウスウエスト・チーフ号が1日に1往復走っています。乗降客数は多いです。理由はフラッグスタッフには大学がいくつもあるからです。そしてグランドキャニオンやセドナに向かう人もこの街を経由します。
このようにフラッグスタッフは、様々な方向からフラッグスタッフを経由して別の場所に向かう人、大学生で賑わっています。
詳しくはフラッグスタッフに詳しく記しています。

フラッグスタッフにある旧道ルート66は、現在も古き良きアメリカの景色を残しています。有名なダイナーなどもあり、ルート66を観光する人々の人気スポットにもなっているようでした。

フラッグスタッフを出発し、次の町ウィリアムズを目指します。この辺りの旧道ルート66は州間高速道路40号線に塗りつぶされています。車を西に走らせると、森が続きます。そしてどんどん標高を下げていきます。目の前には長い下り坂が続き、はるか先まで見通せますが、地平線までずっと森です。そんな森の中にウィリアムズという町があります。

ウィリアムズの入口

Williams
ウィリアムズはルート66が輝いていた頃の宿場町の様子を色濃く残しています。町の入り口にあるゲートは、西部劇に出てくるような鉄製です。それには、西部開拓時代の雰囲気があります。約1kmのメインストリートにはたくさんのレストランやカフェ、お土産物店が並びます。メインストリートの建物も開拓時代のものでしょう。観光地化されているとはいえ、良い雰囲気です。どこも個人経営ですがこだわっていて、たとえばレストランの食事はとても美味しいですし、お土産物もどこにでもあるものというよりはここでしか買えないようなデザインが中心です。
この町からはグランド・キャニオンに向けて鉄道が走っています。西部開拓時代の面影を残した蒸気機関車でグランドキャニオンに行くことができます。列車が出発する際には町中に蒸気機関車の汽笛が鳴り響き、石炭の匂いがします。まるでタイムスリップしたかのような雰囲気は素晴らしいです。

ウィリアムズの駅

ウィリアムズを出発しさらに西に向かいます。隣町のアッシュフォークまでは坂道を降りながら森林地帯が続きます。アッシュフォークを抜けたあたりから旧道が復活します。急に木々がなくなり砂漠のような景色に変わりますが、ひたすら標高を下げていきます。木々がない分、はるか先まで景色が見えます。どのくらい標高を下げるのでしょう。結構下の方に次の集落が見えてきます。かなり小さな集落です。これがセリグマンです。

寂れた感じのセリグマン

Seligman
ルート66を再興したAngel Delgadilloさんが住んでいた町。映画「カーズ」の舞台。かつてゴーストタウンになりつつあったこの辺境の地は今やルート66の最も重要な観光ポイントになっていて、団体客が世界中から押し寄せる「観光の街」に変貌しました。
短いメインストリートにはお土産物屋さんやレストラン、カフェがポツンポツンと点在していますが、どこも観光客で満員です。そこにはかつて賑わっていた頃の建物がありますが、当時のような生活感はなく、今は観光用にリノベーションされています。それでも観光客がお金を落とすので、この町の外観は当時のまま維持されているのです。

エンジェルさんが経営していた店

私は何度もセリグマンを訪れているので、特に見るものも買うものもありませんが、この辺りから日本人観光客を多く目にするようになります。彼らはラスベガスからの1日観光でグランドキャニオンを訪れるついでにここに立ち寄っているのだと思います。残念ながらルート66に関する知識はないようで、写真映えする場所で一生懸命写真を撮っている人が多い印象です。

セリグマンを出発します。ここからも西に向けてさらに標高を下げます。急な坂になるのでルート66は北側に大きく迂回して標高を下げていきます。ルート66と並行に走る鉄道も同様に大きく迂回します。しかし高速道路は迂回せず次の大きな町キングマンまで一直線に下っていくのです。この高速道路の斜度は結構なものです。現代の車なら走ることができますが、昔の車や馬車、鉄道は傾斜がきついのでここを一直線に降りるのは無理です。よって、ルート66を通ると高速道路を行くより2〜3倍の時間と距離がかかります。お急ぎの場合は高速を使うのが良いでしょう。ルート66をのんびり旅する人は大回りをすべきです。

私はもちろん大回りのルートを走ります。

ピーチスプリングスの有名なお土産店

Peach Springs
セリグマンを出るとインディアン自治区に入ると標識に書かれていました。この辺りはアメリカというよりネイティブ・アメリカンの土地です。失礼のないよう走りたいと思います。この辺りは農場が広がっています。タンブルウィードが道をコロコロと転がっていて、アメリカの西部に来たなあと感じます。
そんな景色を眺めながらルート66を走るとピーチ・スプリングスに到着です。
ピーチ・スプリングスには何人住んでいるのでしょう。ここには有名なお土産物店が1軒あるだけです。ただ、この店はとても有名で、多くの観光客が訪れていました。おそらく写真映えするのだからだと思います。
私はこの辺りのルート66の寂しい雰囲気が好きです。横を走る100両にも及ぶ貨物車がホーンを鳴らしながら坂を登っていく姿も見応えがあります。
高速道路でショートカットするのも良いですが、時間があればぜひ迂回して走ってほしい場所です。

主要道の分岐点キングマン

Kingman
キングマンは大きな町です。東から来るとフラッグスタッフと同じくらいの規模でしょうか。次に大きな町はモハベ砂漠を越えたところにあるバーストーです。高速道路が発達した現代、多くの宿場町は廃れゴーストタウンになりましたが、キングマンは年々大きくなっている宿場町です。ロサンゼルスとアルバカーキやオクラホマを結ぶアメリカ横断の幹線にあり、北に行くとラスベガスがあります。重要な交通の結節点であることで町は発展しています。
現在は大きな街になっていますが、今でも旧道66号線は存在し、60年代のイメージが色濃く残っています。主にキングマンの駅周辺には60年代の景色がそのままあります。レストラン、モーテル、ダイナーなどがいい感じで点在していて観光客や街の人で賑わっていました。

キングマンのダイナー

ルート66を旅してみて、年々寂れていったり、貴重な建物が壊されていったりしている中で、キングマンは安定の素晴らしさです。
ルート66では、大きく3つの時代を見ることができます。まずはゴールドラッシュなど西部開拓時代の景色、次にダストボウルに追われたオクラホマの人たちが西を求め大移動した時代、そしてモータリゼーションが発達した60年代のポップな景色です。キングマンは60年代の雰囲気を感じます。

キングマンを出発し旧道を西に走ります。この先にある峠道 Sitgreaves Passはルート66の最大の難所です。険しい山の峠道を登っていく必要があります。かつては多くの旅行者がここで事故を起こしたり谷に転落したりして命を落としたそうです。今でも結構狭い道幅で、カーブがきついので慎重な運転をしなければなりません。と言っても現代の車はパワーがあるので難なく峠を越えてくれます。

オートマンにいる野生のロバ

Oatman
峠を越えるとまるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。ここは西部開拓時代の集落がそのまま残っています。目の前には西部劇で見たあの景色が広がっているのです。道の両側には木製の建物があります。サルーンやホテルが並んでいますが、まるで映画のセットのように西部開拓時代の町なのです。この町はまさに西部開拓時代からゴールドラッシュの頃栄えた場所で、その頃から街の景色は変わっていません。道には野生のロバがたくさんいます。このロバたちも含め、本当に現代にこんな集落が存在しているのかと不思議に思います。

高速道路を使うとオートマンは経由しません。険しい峠道を越えないとこの時代から取り残された町に辿り着きません。おそらく峠がこの町をタイムカプセルに閉じ込めたのでしょう。もしルート66を旅するならば、峠を越えオートマンに立ち寄ってください。そのくらい思い出に残る場所です。

オートマンを出発します。ここにもっと滞在したいのですが、宿泊施設もないので、西に向かいます。
オートマンからはしばらく南に進路を取りコロラド川を越えます。コロラド川はグランドキャニオンから流れラスベガス近くのフーバーダムを通りこの辺りに流れてきています。基本的に砂漠地帯なのですが、川の両側にだけ木々が茂っているので、川がどこにあるかは分かります。
このコロラド川がアリゾナ州とカリフォルニア州の州境となっています。
現在は旧道ルート66の橋は使われていません。隣にできた新しい橋を渡り、最後の州カリフォルニア州に入ります。








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