直島,盛夏03 大竹伸朗「はいしゃ」-大竹ワールド再び【瀬戸内国際芸術祭2025】
盛夏、瀬戸芸2025夏開催中、混雑の直島。

3年前に巡った「家プロジェクト」を、再訪する。
家プロジェクト「はいしゃ」≪舌上夢/ボッコン覗≫(2006年)
まずは、直島といえばやっぱり大竹伸朗。

バス通り沿いに、

なにか怪しげなアジトのような建物がそびえている。村営バスの車窓を見ていれば、「えっ」という違和感。周囲から完全に浮いている。

立派な塀と門がなかったなら、廃屋か、あやしい集団の棲家(拡声器も付いているし……)だと思われるに違いない。


「はいしゃ」は、かつて歯科医院兼住居だった直島・本村地区の建物を、2006年の「直島スタンダード2」展をきっかけに大竹伸朗氏がまるごと作品化したものです。彫刻や絵画、スクラップなど、外観・内観ともに大竹氏ならではの多様な作品様式が盛り込まれ、家全体が一つのコラージュ作品として成り立っています。
大竹伸朗「はいしゃ」追加制作ドキュメント

外観からすでに、嬉しくなるくらいの大竹ワールドが展開される。



建物を回り込んで、入口のほうへ。


「はいしゃ」制作時、大竹氏は建物を囲む塀には手を加えず、既存の塀をそのまま活かしました。しかし2018年、安全上の理由から塀の一部を建て直すことになりました。建て直しについて福武財団が大竹氏に打診したところ、「どうせなら塀も作品の一部として手を加えたい」という意向が示され、追加制作が決まりました。大竹氏は「歯茎色」の塀に陶器製の歯を埋め込むというアイデアを提案しました。

リアルすぎる陶器製の歯。
外も内も大竹ワールド
館内へ。

歯科医院時代、きっとここにはスリッパが置かれて……と想像する。

しかしその内部といえば、

2階の床を取り去ったと思われる、天井が高すぎるふしぎな空間や、

コラージュが敷き詰められた床、その延長にあるトイレ。



2階に上がってみれば
急な階段をのぼって、振り向くとこんな感じ。


2階部分は家屋だったのかな? と想像しながら、板の間を進む。陽当たりがとてもいい。


そして奥の部屋では、

これぞ大竹作品、という場面に遭遇することになる。

なぜか「自由の女神」
それは、床を取り払って設置された、自由の女神だ。

なぜここに? という疑問とともに、この女神、ちょっと変なことに気が付く。どう観ても、オリジナルの複製とかではなく、ちょっと素人が真似たかのような……。

大竹氏の著書『見えない音、聴こえない絵』(149頁)ほかの情報を総合すると、こうだ。
この女神は、もともと新潟のパチンコ店に設置されていた。作家がそれを、アトリエのある宇和島に引き取り、そのまま約10年が過ぎ、修復したあとで、回顧展「全景」展の吹き抜け会場に設置。その後、この場所へ。
大竹伸朗にはそういう、旧くなって不要となったものをもらい受け、そのまま作品化した作品が多くある。
たとえば「宇和島駅」と書かれた駅のプレート。東京国立近代美術館での展覧会の際は、その「宇和島駅」が美術館の「外に」展示され、「ここは駅なんですか」とまじめに訊ねてくる人にも遭遇した(そのくらい紛らわしかった)。 ↓サムネ参照

女神は、長い長い旅をしてきたのだ。
女神を見上げてみる
1階に降りて確認すれば、


シュールな光景がたのしめる。

直島銭湯&MIMOCAも
大竹作品いいな、と思ったなら、宮浦港すぐの銭湯に行くもよし(わたしがこの日訪れた時間は、満員だったけれど、周囲は鑑賞できる)、
高松経由なら、ちょっと丸亀市まで足を延ばして、MIMOCAで開催されている大竹伸朗展を鑑賞するのもいいと思う。
やっぱりパワーがある
前に一度観たから、という話ではなく、大竹作品には、ぎゅうぎゅうに凝縮された情報と、内包されているパワーがあるから、観ていて飽きてしまうということがない。
この旅では、女木島の大竹作品「めこん」も再撮してきたので、また記事にするつもりだ。




元気をいただき、再び炎天下へ。


