アメリカ人義兄に「So what?(だから何?)」と言われて、改めて日本の天皇制を考えた日
現在、アメリカ人の夫とアメリカに帰省中で、これを書いているリアルタイムでは、ジョージア州北部に滞在しています。

少し前、夫のお兄さんの家に行った話をしました。↓
夫のお兄さんは日本のことにとても興味があるようで、いろんな鋭い質問をされます。
先日は日本の天皇の話になり、お義兄さんにこう聞かれました。
「アメリカ人の自分の価値観では、エンペラーとかキングとか、はっきり言って意味不明だし、早く廃止すればいいと思うんだけど、君は天皇がいなくなったらどう思う?
ていうか、天皇の存在について違和感とか、嫌だなとか思うことはないのか?」
はい。これをお読みのあなた、自分がこの質問をされたと想像してください。なんて答えますか?
もちろん、夫の家族に会えるのは嬉しいし、みんなと話せるのは楽しいけれど、こういう質問がくると「ああ、また来たか〜(滝汗)」って感じがします。(ていうか、去年帰省したときも天皇の話を聞かれた気がする・・・)
「世界一長い」に関する価値観の違い
私は答えました。
「日本ではずっとそうだったから、私にとっては天皇がいるのが当たり前かな〜。だって、ずっと同じ家系で続いてきた世界で一番長い王室だよ?」
すると、お義兄さんが、一言。
「だから何?(So what?)」
お義兄さんはめちゃくちゃいい人で、私は大好きです。お義兄さんは決して喧嘩をしたいわけではなく、私との議論を楽しんでいるだけです。
でも、「だから何?」って言われると、なんかグサッと来るんですよね。
でも、ここで「天皇陛下をそんな風に言うなんて、信じられない」と腹を立てるのでもなく、「外国人には、日本文化なんてどうせ理解できない」と諦めるのでもなく、ましてや「確かに、もうそんな古臭い制度は廃止して、日本も西洋のスタンダードに合わせるべき」と迎合するのでもなく、まずは、相手の立場を理解することが、異文化コミュニケーションの第一歩です。
アメリカ人の国家観
お義兄さんの立場で考えてみると、こういうことです。
アメリカは、イギリス王室の支配に抵抗して、イギリスとの戦争に勝って建国した国です。だから、『王室とは憎むべきもの』という思いがアメリカ人の根底にあります。もちろん、イギリス王室が好きで、敬意を払うアメリカ人もたくさんいますけどね。
そして、アメリカは建国からまだ250年しか経っていない、若い国です。
そして、気づきました。
『世界一長い王室』なんて、アメリカ人のお義兄さんにとっては、どうでもいいことなんだ・・・と。
それを、「だって世界一長い王室だよ?」とドヤ顔で自慢したところで、全く響かなかったわけです。
私は、こう答えました。
「日本の皇室が世界一長く続いていることは、あなたには意味がないことかもしれないけど、私には重要なことだし、日本人として誇りに思うよ。
もちろん、天皇家は完璧ではないし、いろいろ問題もあるけど、日本の歴史や伝統において重要な存在だし、政治家にはできない外交を担える場面もある。
第一、そんな長く大切に保ってきたものを、自分の代で終わらせてしまうのはすごく責任を感じるし、先人に申し訳ないから、私は嫌だよ」
するとお義兄さんは、私が言った「先人が守ってきたことを大切にしたい」という点について、「なるほど、その気持ちはわかる」と納得してくれました。
その後は、トピックは日本の政治の話に移り、日米関係や日中関係に話が及び、私の動悸はさらに激しくなりましたが・・・(苦笑)
外国人によく聞かれる日本のこと

私たちのコミュニティALP (Ambassador Language Program)では、「外国人によく聞かれる日本のこと」というテーマでお題を出して、メンバーさんに自分の意見を発表してもらっています。
そして、まさに「外国人によく聞かれる日本のこと」の一つが、天皇家の話なのです。たとえば「日本では女性は天皇になれないの?それについてどう思う?」というのも、よくある質問のひとつです。
だから、あなたが天皇制に賛成であれ、反対であれ、その理由とともにきちんと意見を言えることが、国際人としてすごく重要なのです。
「興味がない」では逃げられない

もちろん、「天皇家に興味はない」という人もいるでしょう。
でも、外国人に天皇についてどう思うかと聞かれて、「興味がない」ってあなたが答えたところで、絶対に、聞かれますよ。「なんで興味がないの?」って。
「世界で『エンペラー』がいる国は、日本だけでしょ?そんな特別な存在なのに、どうしてあなたは興味がないの?
天皇を誇りに思うでもなく、廃止すればいいと思うでもなく、興味を持たない理由は、いったい何?」
そう聞かれたら、どうします?欧米人との議論では、ここまで必要です。
この「なぜ?」「あなたはどう思う?」攻撃、ご経験がある方は多いでしょう。でも、私たち日本人は、すごく困るんですよね。
「なんでって言われても・・・」「なんとなく、そういうものだから・・・」としか答えられないから。
自分の意見がない日本人
私たちは、学校教育で自分の意見を論理的に伝える方法を教わりません。
だから、意見を言うことに慣れていないし、もっと言えば、自分の意見を持つことに慣れていません。
「自分は仕事で英語が必要なだけだし、外国人の家族もいないから、天皇がどうこうとか、英語で話せる必要はない」
って思うかもしれませんが、そんなことないですよ。
ビジネスの場で英語が必要な人は、みんな、以下のように悩んでいます。
「英語でのプレゼンなら、事前に準備すればいいので、たいして難しくない。仕事の話なら、言いたいことはだいたい通じる。
でも、問題は、相手と親しくなって想定外の質問が来た時、そして、食事の場などで仕事以外のトピックで雑談をしないといけない時だ。
この『雑談』が、一番難しい」と。
こういう「雑談」の場で相手が何を聞いてくるか、それは私たちにはコントロールできません。天皇について聞かれる可能性も十分にあります。
その時、「興味ない・・・」「よく知らない・・・」では、あなたは恥ずかしい思いをするかもしれません。
英語力とともに、中身も磨こう
「英語がいくらペラペラになっても、中身がペラペラでは、駄目だよ」
松本道弘先生の言葉として、いつもお伝えさえていただいています。
いいですか、私たち日本人が外国人とのコミュニケーションで最終的に問題になるのは、「英語力」ではないです。
「自分の意見がない」ことなのです。
もちろん、私も未だに知らないこと、わからないことだらけで、自分の意見がない(知識がない)トピックがたくさんあります。そして、夫の「なぜ?」「君はどう思う?」攻撃に日々タジタジしています。
だからこそ、今、この年齢になってもまだまだ学ぶべきことがあるのは楽しいなとも感じています。
ということで、英語力と同時に教養を磨いて、外国人に日本のことや自分の意見をしっかり伝えられるように成長していければと思います。
この記事を通じて、あなたにそういう気づきを持っていただけたら嬉しいです。
では、今日はこれで。
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