私の人生を変えた、ページをめくらない読書と2冊の本
こんにちは。エバンス愛です。英語圏への長期滞在や留学経験はゼロで、社会人になってイチから英語をやり直しました。
英語講師、外資系企業秘書、通訳翻訳者を経て独立起業し、アメリカ人の夫と一緒に英語を指導しています。これまで、延べ1万人以上の方に英語学習法をお伝えしてきました。
今日は、私の人生を変えた2冊のオーディオブックをご紹介させてください。
私とオーディオブックの出会い
私が愛用している、オーディオブックの「株式会社オトバンク」さんからインタビューを受けた記事が掲載されました。
インタビューの内容:
・2007年に出会った英語のオーディオブック
・「ながら聴き」で学びが日常に
・英語学習におすすめ『ラダーシリーズ』
・日本語オーディオブックで自国理解を深める
・心を揺さぶられた名作たち
・オーディオブックが背中を押した独立起業
・旅も人生も、オーディオブックで何倍も豊かになる
このインタビュー記事の内容と一部重複しますが、私は2007年頃、「英語のオーディオブック」というものの存在を知りました。当時、私は駆け出しの通訳者で、リスニング力の向上が急務でした。
当時は日本ではほとんどオーディオブックは流通しておらず、私は試しにアメリカのサイトで1冊オーディオブックを買ってみたところ、ハマってしまいました。それから、自己啓発書やビジネス書の英語オーディオブックを購入し、次々と英語で聴くようになりました。
英語が話せるようになった先の苦悩
英語が話せるようになり、外国の方と接する機会が増えると、新たな悩みが増えます。
それは、「日本の歴史、政治、文化、宗教などについて、外国人に質問されることが多くなる」ということです。
「日本では、政治に関心がない人が多いのはなぜ?」
「どうして日本では、まだ死刑が廃止されてないの?」
「日本人は無宗教の人が多いと聞いたけど、本当?」
「日本人は原爆を落とされたのに、なぜアメリカを憎んでないの?」
「なぜ日本では、女性は天皇になれないの?女性差別では?」
こうした質問を外国人に聞かれるたび、私はドキッとし、冷や汗を流し、いつも以上にしどろもどろの言葉で、意味不明なことをつぶやくのみでした。そして、自己嫌悪に陥るのです。「私、日本のことを何も知らない」と。
海外経験がある方や、外国人と接する機会がある方は、きっと皆さん経験済みではないでしょうか?
「私の国はいい国」と自信満々に言える留学生
私は21歳で初めてフランスに留学しました。その時、私と同世代の周りの学生たちが、自国のことをきちんと説明できるのはもちろん、自国を誇りに思っている姿に圧倒されました。

一方、私は「日本はいい国だ」とか、「日本を誇りに思う」とか、そんな概念を人生で一回も持ったことすらありませんでした。
日本の学校教育では日本の負の側面ばかりが強調されて、「日本人であることの誇り」を持つ機会なんて、なかったように思います。親からも、そんな話を一度も聞かされたことはありません。
だから、「私の国はこういう問題があるけど、こういうところが素晴らしい」と言う外国人留学生をよそに、私は、日本の問題点ならいくらでも言えるけど、「日本はいい国です」とは言うことができなかったのです。
胸を張って自国の良さをアピールできる他国の留学生たちを羨ましく思う一方で、「自分の国を自慢して、バカみたい」と冷ややかな目で見ている自分もいました。
そして、日本の政治についても、天皇についても、死刑制度についても、「あなたはどう思う?」と言われても、「『どう思う?』って言われても、そんなこと、考えたこともない・・・」ということばかりでした。
そんな経験があり、「真の国際人であるためには、ただ外国語が堪能なだけではダメだ。まずは、日本のことを知らないといけない」と、心から思うようになったのです。
日本語オーディオブックとの出会い
そこで、今までは英語コンテンツしか聞いたことがなかったオーディオブックを活用して、歴史や文化、宗教、政治などに関する書籍を日本語で聴きはじめました。
これまでも、何度も歴史や宗教、政治などの本を購入しては、勉強しようとしてきました。でも、すぐに眠くなって挫折を繰り返していたんですよね。
私はそれまで、
・忙しくて本を読む時間がない
・本を読んでいたらすぐ眠くなる
・読書習慣が続かない
という悩みがありました。ですが、オーディオブックだと自分でページをめくらなくていいし、受け身でも情報が入ってくるので、紙の本よりずっと楽に学べたのです。
今では、日本語と英語をあわせたら、軽く1000冊は超える本を聞きました。人生で、活字で読んだことがある冊数より、オーディオブックで聞いたことがある冊数がずっと多い状態です。
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!』(小名木善行著)
「日本文化」や「日本の歴史」を知るために聞いた本のおかげで、私のこれまでの思いが変わっていきました。私の考え方を特に変えたオーディオブックが、『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!』(小名木善行著)です。
日本の歴史を学校で習ったこととは全く違う観点で学び直すことができ、日本という国への思いが大きく変わり、はじめて日本が好きになりました。
著者の小名木先生は日本の歴史を研究されていて、多くのご著書がありますが、私が住んでいる大阪府の枚方にも拠点を構えて活動されるようになり、直接知り合う機会にも恵まれました。
初めて小名木先生にお会いしたときは、「私、先生の本が大好きで、オーディオブックで何回も何回も聞いたんです!先生の本のおかげで、日本人として誇りが持てるようになりました!」と暑苦しく語りました。(笑)
いつもにこやかで気さくな先生で、今では仲良くさせていただいています。先日、小名木先生とちょうど一緒にランチをいただく機会があり、お話をした時、先生がこうおっしゃっていました。
「僕ね、学生時代は英語は苦手だったんだけど、日本文化を海外に発信しないといけないと思って、英語でブログを書き始めたよ」
私は、驚きました。機械翻訳を活用していて先生が英語を書いたわけではないのですが、「英語、これで大丈夫かどうかマイクさんに見てもらいたくて」とおっしゃり、夫のマイクが英語をチェックさせていただきましたが、全く問題なく理解できるとのことでした。
小名木先生の英語ブログ:
今も聞こえる、ある人の声
小名木先生は、海外に向けた情報発信を始めたことについて、こうおっしゃっていました。
「松本先生に、『書け、書け』って言われるもんだから、ね」と。
「松本先生」とは、英語道の松本道弘先生のことで、2022年に83歳でお亡くなりになりました。私も、英語について、また生き方について、たくさんのことを教えていただきました。一緒に英語教材を制作したり、映画の字幕を作成したりと、本当にお世話になった先生です。

小名木先生は、松本先生がお亡くなりになった今でも、先生から「日本のことを世界に伝えてくれよ、頼んだよ」と言われている気がする、と言うのです。
私は、小名木先生のおっしゃることは、よく理解できました。小名木先生とは規模も実力も比べ物になりませんが、私も同じ思いだからです。
私は、松本先生が毎日読んでいたThe Economistを毎日読み、世界情勢について少しずつ勉強しています。そして、英語教材SPEEDIER READINGで時事問題をマイクと解説したり、英単語講座Vocab Rebootで語源の知識を活かして英字新聞を読み解く方法をお伝えしています。
英語コミュニティAmbassador Language Program (ALP) では、外国人によく聞かれる日本に関する質問に英語で答える力を磨いたり、「英語で大人の修学旅行」と称して日本文化や歴史を英語で学ぶツアーを開催したり、英語学習を通じて日本をより深く知り国際人として通用する人を育てようとしています。
これらをやっているのは、松本先生に「愛ちゃん、英語教育を通じて日本人を目醒めさせてくれよ」と言われている気がするからです。それが、松本先生がずっとやってきたことであり、きっと、もっともっとやりたかったであろうこと。そうに違いないと思って、私は松本先生の後継者の一人だという思いで、やっているつもりです。
小名木先生の歴史観
学べば学ぶほど、歴史には奥があり、定説には裏があり、そのまた裏があり、誰もが納得する揺るぎない「真実」と言えるものは、ほとんど存在しないのだろうと思います。学校で「真実」として教えられていることも、一つの説に過ぎないことがたくさんあることを知りました。
いろんな解釈がある中で、小名木先生の歴史観は、とことん「日本は素晴らしい国」という立場に立ったものです。小名木先生は、もちろんいろんな説をご存知の上で、「今までは日本人が卑屈になるような歴史ばかりが教えられてきたから、日本人が胸を張れるような歴史を伝えたい」と今の活動をされていると聞いています。
小名木先生の説だけが正しいとかそういうことではなく、先生の解釈も一つの可能性として捉えて「こういう考え方もあるのか。日本には良いところもあったんだな」と新しい解釈が加わり、日本という国への理解が増し、今までより日本が好きになれば、それが何よりも大事なことだと思います。
『海賊とよばれた男』(百田尚樹著)
そして、もう一冊特に良かったオーディオブックをご紹介させてください。それは、『海賊とよばれた男』(百田尚樹著)です。これは、出光石油の出光佐三が主人公の歴史小説です。
敗戦直後の混乱期の日本で、主人公の国岡鐡造(出光佐三がモデル)は、石油販売会社「国岡商店」を率いる経営者ですが、会社は第二次世界大戦で壊滅的な打撃を受けてしまいます。ですが、鐵造は社員を一人も解雇せず、社員を自分の家族として守り抜きます。
戦後しばらく、日本の石油供給は欧米の言いなりになっていました。ですが鐵造は、日本の真の独立のためには、独自の石油供給網の開拓が不可欠だと考えます。そして鐵造は、イギリスによる経済封鎖を受けていた産油国のイランに目をつけます。鐵造の勇気ある決断によって、国岡商店はイギリスの経済封鎖を突破してイランからの原油輸入を成功させ、国際的に大きな衝撃を与えます(1953年の「日章丸事件」)。このおかげで、イランは現在も親日国なのだそうです。
このオーディオブックを聞きながら、佐三の社員や日本国を思う熱い生き方に、何度も胸が熱くなり、鳥肌がたち、涙がこぼれました。長い小説なので、オーディオブックでなければ、きっと私は一生出会えなかったであろう本です。
実はこの本、「audible」でもオーディオブック版が出ていますが、ぜひ、『海賊とよばれた男』(audiobook.jp版)を聞いていただきたいです。ラジオドラマ風になっていて、臨場感があり素晴らしいです。主人公の国岡鐡造(モデルは出光佐三)を俳優の中村雅俊さんが演じているんですが、めちゃくちゃかっこいいです。
鐵造(出光佐三)が「日本国のため」と、自らをかえりみず困難な挑戦をするたび、「ああ、私はいつも自分やその周りの小さいところで損得勘定で考えているな。私には、『日本のため』という情熱と覚悟がまだまだ足りないな」と、自分に欠けている部分を気付かされています。
政治家としての百田尚樹さんには、人それぞれ思うところがあるかもしれません。でも、小説なのでそこは一旦無視して、ぜひ、ぜひ、聞いてほしいオーディオブックです。
国際社会で大事なこと
私は、「愛国心」という言葉に昔はすごく違和感がありました。ですが、それも日本の教育の結果かもしれません。今は、「自国に誇りを持ち国を愛することは、国際社会で信頼されるために当然のこと」と実感しています。自国を卑下するような態度では、相手の信頼も得にくいのではないでしょうか。
大切なのは、自国について学び、知り、他国と比べてどんな特徴があるのかを考え、自国も素晴らしいけど他国も素晴らしいという立場を忘れず、さまざまな視点を知り、一つの立場だけに偏らず、その中で自分なりの答えを見つけていくことだと思います。
聴き放題やチケットで聞けます
今日ご紹介したオーディオブックは、いずれもaudiobookjpで聞けます。

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!』(小名木善行著)は、単品購入またはチケットプランで聞くことができます。単品購入だと1,540円ですが、「チケットプラン」を利用すると980円で購入できます。
『海賊とよばれた男』(百田尚樹著)は、上下巻あり合計で2,520円ですが、「聴き放題プラン」で833円で聞けます!しかも、聴き放題なら初回はお試しで14日間無料です。聴き放題プランなら英語の「ラダーシリーズ」の本も対象なので、英語リスニング学習にも使えます。
私の本館ブログの記事:→英語初級者に最適!おすすめ洋書オーディオブック15冊【ラダーシリーズ】
というわけで、今日は以上です!最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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