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zetaのロアブックが「反映されない」三つの原因|150文字で会話が58%短くなる計算

キャラクターが前の話を忘れるのが嫌で、ロアブックを付けてみました。設定を覚えていてくれるなら、そのほうがいいに決まっています。ところが付けた翌日から、前より早く話が噛み合わなくなりました。

最初はバグを疑いました。調べていくうちに、仕様どおりの動きだと分かりました。ロアブックは記憶を増やす機能ではあるのですが、増やした分を毎ターン支払う仕組みになっています。

ロアブックは「キーワードが出たときだけ」動く

zetaの公式アナウンスにはっきり書いてあります。「特定のキーワードとその説明を、プロンプトとは別に登録できる機能」で、「キーワードが出たときのみ関連情報が有効に」なります。

登録しただけでは何も起きません。会話の中でそのキーワードが実際に出てきた瞬間に、その項目の中身がまとめてAIに送られます。ここを読み違えると、あとの話が全部ずれます。

プロンプトは常にそこにある設定で、ロアブックは条件付きで呼び出される設定です。同じ「設定」という言葉でも、動き方がまったく違います。

「反映されない」には三つの原因がある

検索でよく見かける「ロアブックが反映されない」ですが、実際に切り分けると三つに分かれます。どれなのかで、やることが変わります。

一つめは、そもそも自分の環境にまだ来ていないという場合です。これは公式が書いています。2026年5月のアナウンスに「現在は安定提供のため段階的に適用を行っているため、ご利用環境によってはまだ機能が表示されない、または利用できない場合がございます」とあります。

書き方を直す前に、まずここを疑ってください。自分の書き方が悪いと思い込んで何時間も直していた、という展開が一番もったいないです。

二つめは、キーワードが会話に出てこない場合です。noteでcocoaさんが書かれている指摘が的確でした。「{{user}}尊重」のようなキーワードは、会話の中で誰も口にしません。

呼び出されないのだから、中身がどれだけ良くても効きません。ここは書き方の問題なので、直せます。

三つめは、呼び出されすぎて窓を食い潰している場合です。これが一番やっかいで、しかも見た目は「効いていない」とそっくりになります。次で数字にします。

150文字のロアブックが、会話を58%短くする

実際に測ってみました。よくある世界観エントリを日本語で152文字書いて、トークン数を数えると147トークンでした。日本語1文字あたり0.97トークンです。

会話のほうも測ります。ユーザーの発言とキャラの返答を合わせた1往復が、だいたい109トークンでした。

ここから計算できます。8,000トークンの窓なら、ロアブックなしで約73往復ぶん入ります。同じ窓で152文字のエントリが毎ターン呼び出されると、31往復まで落ちます。

42往復ぶん、率にして58%が消える計算です。エントリを三つ同時に呼び出す設定にすると、73往復が15往復まで落ちます。

この割合は窓の大きさにあまり左右されませんでした。16,000トークンでも58%、32,000トークンでも57%です。zetaは各モデルの窓の大きさを公開していないので絶対値は出せませんが、何割減るかは出せる、ということです。

トークン数はAnthropicのcount_tokensで測っています。zetaが使っているトークナイザは非公開なので絶対値は多少ずれます。日本語と会話の比率のほうは変わりません。

キーワードは「自然に出てくる言葉」だけ意味がある

ここまでを踏まえると、キーワードの選び方が決まります。狙ったときには出てきて、それ以外では出てこない言葉を選ぶ、ということです。

一番やってはいけないのが、「。」のような毎回出る文字をキーワードにすることです。cocoaさんも同じ指摘をしていて、句点が使われるたびに長い指示が送られ、すぐ容量を使い果たすと書かれています。私の計算でも、これは58%どころでは済みません。

固有名詞は当たりやすいキーワードです。地名、組織名、道具の名前あたりは、その話題のときだけ自然に出てきます。

エントリの長さもそのまま効きます。100文字なら94トークン、152文字なら147トークンと、ほぼ文字数どおりに増えました。削った分だけ会話が伸びます。

関係性は、ロアブックよりプロンプトに書くほうがいい

Yahoo!知恵袋に、3,624回読まれている質問がありました。「ロアブックのキーワードって何書けばいいんですか?このキャラとこのキャラの関係性を書きたい、みたいな場合は」という内容です。

回答は一つだけ付いていて、関係性はプロット作成画面のプロンプト欄に書いたほうがいい、という趣旨でした。回答者は「現状ロアブックは付けてると会話の内容がバグったりする元になりやすい」とも書いています。

この結論は、仕組みから見ても筋が通っています。関係性は会話のあいだじゅう効いていてほしい設定なので、条件付きで呼び出される置き場所とは相性が悪いのです。

常に効かせたいものはプロンプト、特定の場面だけ効かせたいものはロアブック。この分け方にすると、たいていきれいに収まります。

それでも足りないと感じたら

ロアブックを整理しても、窓そのものは広がりません。長く付き合うつもりなら、記憶の長さで選び直したほうが早い場面もあります。

どのアプリがどれくらい覚えていられるかは、記憶の長さで選ぶAIチャットのおすすめを書いたときに実際に測りました。zetaの料金まわりについては、zetaの課金を1通いくらに直した話のほうにまとめてあります。英語圏まで含めて選び直すなら、Character AIの代わりを探したときの比較が一番近いです。

ロアブックは便利な機能です。使うときにそれが毎ターン払う費用だと知っているかどうかで、続けられる長さが変わります。

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