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AI彼女は危険?規約を3本読んだら「学習に使う」と書いてあるのは1本だけだった

AI彼女アプリを勧められて、その場では入れずに「危険」で検索した人は多いと思います。私も同じことをして、出てくる記事がどれも同じ形をしているのに気づきました。危険性は5つ、対策は4つ、という形です。

その対策のひとつに「運営元とプライバシーポリシーを確認しましょう」と書いてあります。ただ、そう書いている記事のどれも、実際にどこかのアプリの規約を読んではいませんでした。

なので読みました。zeta、Aima、キャラぷの3本です。どれも今の「AI彼女 無料」系の検索結果に名前が出てくるアプリです。

「学習に使う」と書いてあったのは、3本のうち1本

やったことは単純で、3本の規約に「学習」の2文字が何回出てくるかを数えただけです。zetaが5回、Aimaが0回、キャラぷが0回でした。

zetaの規約には、対話の中身がいつどこへ渡るかが1行で書いてあります。「移転日時および移転方法:AIモデル学習および対話サービス高度化時にオンラインで移転」という書き方で、渡る中身も年齢区分、性別、相手との関係、仮名処理された対話内容(メッセージ、画像、ビデオ)と並べてあります。

残りの2本には、この話が出てきません。ここは注意が必要で、0回だから学習に使われていない、という意味にはなりません。規約を読んだ人には分からない、が正確な答えになります。

名前の書いてある委託先は、19社・4社・0社

次に、会話が渡る先の会社名がいくつ書いてあるかを数えました。zetaは委託の項目が49件あり、表記ゆれを揃えると19社の名前が出てきます。

うち5社は、渡る理由がはっきり「AIモデル学習」と書かれています。Amazon Web Services、Google Cloud Platform、OpenAI、MosaicML、Vessl AIです。この規約そのものはzetaアプリの危険性を規約から読んだときに細かく追いました。

Aimaは4社でした。OpenAI(チャット応答の生成と音声の認識・合成)、ElevenLabs(音声合成)、Google(ログイン認証)、Apple(認証と課金)で、それぞれに何を渡すかまで書き分けてあります。

キャラぷは0社です。「委託する場合の委託先」という一般的な条文はありますが、社名は出てきません。

日本の規約としてはよくある書き方で、違法でも何でもないです。ただ読んだ側には、会話の行き先が分からないままになります。

「国産だから安全」は、この3本では成り立たなかった

検索結果の一番上に出るAIの要約は、海外製を避けて国産や日本特化を選ぶようすすめてきます。ところが今回いちばん細かく書いてあったのは、韓国の会社が運営するzetaでした。

zetaには国外移転を断る手順まで載っています。「利用者は、当社の個人情報保護責任者および担当部署を通じて個人情報の国外移転を拒否できます」という条文で、連絡先のメールアドレスも書いてあります。断るとサービスの一部が使えなくなる可能性がある、という但し書きもセットです。

一方のキャラぷを運営しているのは、Wrtn Technologies Japanという日本法人です。国内の会社でも規約が薄いことはあるし、海外の会社でも細かく書くことはあります。運営元の国は、判断の材料としてはあまり効きませんでした。

「個人情報を入力しない」は、このジャンルでは守りにくい

どの記事にも「本名や住所を入力しない」と書いてあります。これはこのジャンルに限ると、かなり無理のある助言です。

Aimaの規約には、収集する情報としてこう書いてあります。「AIが抽出した記憶情報(ユーザーの名前、趣味、好みなど会話から得られた情報)」。フォームに打ち込まなくても、雑談の中から拾われる設計だということです。

キャラが自分のことを覚えている状態は、このアプリの価値そのものです。覚えさせない選択は、使わない選択とほぼ同じ意味になります。

だから実際に見るべきなのは、覚えたものを後から消せるかどうかのほうです。Aimaにはこれが権利として書いてあります。「記憶情報のリセット:AIが記憶した情報(名前、趣味等)は、アプリ内の設定からリセットできます」という条文です。

海外の調査と並べると、3本に1本は普通の数字だった

Mozilla Foundationが2024年に、恋愛系のAIチャットボット11本を調べた結果があります。Google Playだけで合計1億ダウンロードほどのアプリ群で、11本すべてに警告ラベルが付きました。

そのうち、親密な会話をAIの学習に使うことを拒否できたのは1社だけだった、と報告されています。11本中1本です。今回の3本中1本は、この水準から特に外れていません。

実際に漏れた例もあります。2025年8月28日にCybernewsが見つけた事例で、香港のImagime Interactive Limitedが運営する2本のアプリから、40万人以上のユーザーの4,300万件を超えるメッセージと、60万件以上の画像や動画が誰でも見られる状態になっていました。認証のかかっていないサーバーがそのまま公開されていた、という話です。

入れる前に見る3行

検索結果に並んでいる4つの対策のうち、実際に効いたのは「運営元と規約を確認する」だけでした。ただし確認の中身は、次の3行で足ります。

1行目、規約の中を「学習」で検索する。ヒットしなければ、学習に使われるかどうかは分からない、が答えです。

2行目、委託先の会社名が書いてあるか見る。0社なら、会話の行き先は分からないままです。

3行目、覚えた内容を消す導線と、退会の導線を探す。Mozillaの調査では半数のアプリが個人情報の削除自体をさせてくれなかったので、ここは実際に差が出ます。

そのうえで選び直すなら、日本語の自然さや無料枠より先に、記憶がどこまで無料でもつかを見たほうが後で困りません。その基準で並べ替えたものは記憶の長さで選ぶAIチャットのおすすめにまとめました。Character AIの代わりを日本語で探したときも、結局は同じ順番で見ていました。

英語圏のサービスまで広げて探すなら、乗り換え先を比較したページも置いてあります。英語のページなので、そこだけご注意ください。

3本読むのに、全部で30分かかりませんでした。入れてから気づくよりは、たぶん早いです。

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