🌅平穏なのに、なぜか満たされない――『50歳からのむなしさの心理学』第1章⑥から学んだこと
50歳前後になると、
これまでとは違うモヤモヤした気持ちを抱くことが増えてきました。
そんなときに手に取ったのが、
榎本博明さんの『50歳からのむなしさの心理学』です。
本書は、50代以降に突然訪れる空虚感やむなしさを
心理学の視点から整理し、それを「生きる意味を再構築するチャンス」
として捉えるためのヒントを教えてくれる一冊です。
今回は、第1章⑥「『ろくに恋もしなかった』複雑な思いと悪あがき」
の概要とポイントをまとめます。
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■第1章⑥「『ろくに恋もしなかった』複雑な思いと悪あがき」
この節では、50代前後になり、安定した人生を送ってきたはずなのに、
「自分は、本当に心が躍るような経験をしてきただろうか」
と振り返る心情が描かれています。
仕事も家庭も大きな問題はない。
毎日の生活も、それなりに安定している。
それなのに、どこか物足りない。
そんな感覚の中で、
「ろくに恋もしなかった」という思いが浮かんでくるのです。
しかし、この言葉が意味するのは、
単純に恋愛経験が少なかったということだけではないように感じます。
そこには、自分の感情を抑え、失敗を避け、
安全な道を選び続けてきた人生そのものへの複雑な思い
も含まれています。
■平穏と充実は同じではない
大きな問題もなく、穏やかに暮らせることは、
とてもありがたいことです。
けれども、
「何も問題がないこと」と「心が満たされていること」は、
必ずしも同じではありません。
毎日が安全で安定していても、
「このまま同じような日々が続いていくのだろうか」
と思った瞬間、急に物足りなさを感じることがあります。
危険を避け、失敗しないことを優先してきた結果、
心が大きく動く経験まで少なくなっていた。
そんなことに50代になって気づく人もいるのかもしれません。
■「恋をしなかった」という後悔の奥にあるもの
「もっと恋をしておけばよかった」
そう考えたとき、
本当に後悔しているのは恋愛そのものなのでしょうか。
もしかすると、その奥には、
「もっと自分の気持ちに正直になればよかった」
「失敗を恐れず、誰かを本気で好きになればよかった」
「もっと心が動く経験をしておけばよかった」
「無難な人生だけではなく、少しくらい冒険してもよかった」
という思いが隠れているのかもしれません。
恋愛への後悔は、
これまでの人生への後悔を映す鏡にもなります。
だからこそ、
「恋愛経験が足りなかった」と単純に考えるのではなく、
自分が何を後回しにしてきたのかを考えることが大切なのだと思います。
■「悪あがき」には2つの側面がある
50代になると、
若さが永遠ではないことも実感するようになります。
その焦りから、
「まだ若く見られたい」
「もっと刺激的な経験をしたい」
「今からでも青春を取り戻したい」
という気持ちが生まれることがあります。
新しいことに挑戦すること自体は、
決して悪いことではありません。
むしろ、人生を楽しむうえで大切なことです。
ただし、「失った若さを取り戻さなければ」と焦るあまり、
無理をしてしまえば、かえってむなしさが深まることもあります。
大切なのは、
昔に戻ることではありません。
今の年齢だからこそ楽しめるものを、
新しく見つけていくことです。
■過去を取り返すのではなく、これからを変える
若い頃にできなかった恋愛や冒険を、
そのまま再現する必要はありません。
これからの生活に、
自分の意思や好奇心、人との温かなつながりを
少しずつ取り戻していけばいいのだと思います。
たとえば、
・新しいことを学んでみる。
・行ったことのない場所へ出かけてみる。
・気になる趣味を始めてみる。
・誰かとゆっくり話す時間をつくる。
そんな小さな変化でも、
毎日の景色は少しずつ変わっていきます。
大切なのは、「誰かが人生を変えてくれる」のを待つのではなく、
自分自身で日常の中に心が動く瞬間をつくっていくことです。
■この節の核心
この節で最も大切なのは、
「平穏無事だけれど退屈だ」と感じている自分を、
まず正直に認めることだと思います。
そして、
「自分は、なぜ物足りないのだろう」
と考えてみる。
求めているのは刺激なのか。
深い会話なのか。
誰かに必要とされる感覚なのか。
自分の意思で何かを選ぶことなのか。
それとも、新しい挑戦なのか。
そこを丁寧に見つめることで、
漠然としたむなしさは、少しずつ具体的な課題へと変わっていきます。
■今からできること
まずは、
「安全を優先する代わりに、何を後回しにしてきたのか」
を1つ考えてみる。
そして、若さを取り戻すためではなく、
「今の自分が本当に面白いと思えること」を、
小さく始めてみる。
恋愛を求めるとしても、
空虚感を埋めてもらう相手を探すのではなく、
対話や信頼をゆっくり育てられる関係を大切にする。
学び、趣味、外出、人との交流など、
生活の中に自分で選んだ変化を少しだけ増やしていく。
そうすることで、
日常の中に新しい「輝き」が生まれてくるのではないでしょうか。
■むなしさは、もっと生きたいという気持ち
「何か物足りない」と感じることは、
ぜいたくな悩みではありません。
むしろ、
「残りの人生を、もっと自分らしく生きたい」
という心の奥からの要求なのだと思います。
過去にできなかったことを悔やみ続けるよりも、
今から心が動く時間を増やしていく。
50代からでも、
新しい楽しみや人とのつながりは十分に育てられます。
むなしさを感じたときこそ、
「これからは、どんな毎日を生きたいのか」を
考えるチャンスなのだと感じました。
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