ぐーってなってから、食べる
※この記事は「わたしのディナチャリア」シリーズのひとつです。シリーズの入り口(ディナチャリアって何?)はこちら。
※アーユルヴェーダを知らない人にこそ読んでほしい連載です。カタカナは意味を都度そえるので、わからなければ飛ばして、気楽にどうぞ。
このシリーズでは、白湯とか舌磨きとか、道具のある習慣の話を多くしてきました。
でも今日のは、目に見えない話。
「アグニ」という、体の中の火の話です。
地味だけど、これがいちばん大事。
アグニは、体の中の火
アーユルヴェーダでは、消化する力のことを『アグニ(消化の火)』と呼びます。
食べたものを、ちゃんと消化して、栄養に変えて、いらないものを出す。
その全部を担ってるのが、このアグニ。
火が強すぎても弱すぎてもダメで、ちょうどよく燃えてるのが理想です。
で、この火が今どうなってるかを、いちばん簡単に教えてくれるのが──空腹感なんです。
次のごはんの前に、ちゃんとお腹が空く。
これは、前に食べたものを、火がきれいに消化しきったサイン。
逆に、食べたのになんだか重い、お腹が空かない、というときは、火がうまく燃えてなくて、消化しきれなかったもの(アーマ=未消化の毒素)が溜まってるサインだったりします。
つまり、空腹は、火が元気に燃えてる証拠。
我慢する時間じゃなくて、うれしいサインなんです。
わたしの、火が壊れてた時代
昔のわたしは、この火がぐちゃぐちゃでした。
ダラダラ食べをしてた頃は、全然お腹が空いてないのに、お昼だから食べるってことが多かった。
空腹じゃないのに、なんとなく食べすぎたり。
かと思えば、さっき食べたばっかりで、量も十分なはずなのに、すぐお腹が空いた気がする。
今思えば、あれはたぶん、お腹は満たしてても、野菜とか栄養が足りてなくて、体が「まだ足りない」って言ってたんだと思います。
食べても満たされない。
空いてないのに食べる。──火のセンサーが、完全に狂ってたんですね。
火が、戻ってきた
それが変わってきたのが、90日実験を始めて2週目、ちょうど断食(アーマパーチャナ)明けくらいから。
朝から、ちゃんとお腹が空くようになったんです。
これ、地味だけど、すごくうれしい変化でした。あ、火が戻ってきたって。
ただ、今もまだ不安定です。朝の食事の加減がまだよくわからなくて、お昼の時間になっても空腹にならないまま食べちゃうこともある。
わたしはお昼を11時にしてるのですが、「あれ、まだ空いてないな」ってまま食べちゃう日が、今でもたまにあります。
でも、それでいいと思ってます。狂ってたセンサーが、少しずつ整ってきた気がするから。
火の調子は、たぶん翌朝の舌に出る
これは最近ふと思ってることなんですが。朝も昼も、ちゃんと空腹の状態で食べられた日って、次の朝の舌苔はどうなんだろう?
理屈でいえば、火がしっかり燃えて消化しきれてる=アーマ(未消化の毒素)が溜まらない=舌がきれいなはず。……なんですが、正直、まだちゃんと確かめられてません。
今度から、意識して見てみようと思ってます。舌の話は、別の回(「舌は、毎朝の通信簿」)にくわしく書きました。
ちなみに、週1でやってる断食(アーマパーチャナ)も、これと地続き。
あれは火だけじゃなく、体全体をまるっと休ませる日、という感覚でやってます。
だから、昼に空腹になるように食べる
お昼に、ちゃんとお腹が空いて迎えられるように、逆算して1日を組む。
そのために、わたしがやったのが、お昼の時間と、ごはんの量を固定したことです。毎日だいたい同じ時間に、同じくらいの量を食べる。
そうすると不思議なもので、体が「この時間にごはんが来る」って覚えて、ちょうどその時間に、ちゃんとお腹が空くようになってくる。
火にも、リズムがあるんですね。
時間と量がバラバラだと、火のほうも「いつ燃えればいいの?」って混乱しちゃう気がします。
朝は軽く(わたしはスープ)。
そうすると、火が一番よく燃えるお昼の時間に、ぐぅっと空きっ腹で、いちばん美味しくごはんが食べられる。
空きっ腹に大麦キチディが染みわたる。
ちなみに、わたしは夜は食べません。アーユルヴェーダ的には「夜はアグニが落ちるから軽く」って言われるんですが……正直に言うと、わたしの本当の理由は、そこじゃない(笑)。
仕事が夜9時まであること、今はダイエット期間だと思ってること、そして、別に食べなくても苦しくないこと。この3つです。
教科書の理由と、たまたま結果が同じになった感じ。
でも、自分の暮らしに無理なくハマってるから続いてる、というのが本音です。
そして、これがおもしろいんですが。ちゃんとお腹が空いてから食べると、何を食べても美味しいんです。空腹が最高の調味料、って本当だった。
しかも、素材そのものの味がちゃんと美味しく感じられるから、だんだん薄味でよくなってきた。濃い味でごまかさなくても、じゅうぶん満足できる。火が整うと、舌まで素直になっていくみたいです。
「昼を最大に」「間食しない」っていうアーユルヴェーダの習慣も、結局は全部、この火を大事にするためなんだと思います。
空腹で食べたほうが、圧倒的に美味しいから。
お腹がぐぅっと鳴るのを、ちょっと楽しみに待てる。
火が元気だと、体は軽い。ごはんは美味しい。それがいちばんのごほうびです。
90日間のアーユルヴェーダ実験、本編はこちら。
