読書まとめ『何もしたくない40代へ』→自分と向き合い、危機を転機に変える
『脱ミッドライフクライシス 何もしたくない40代へ: 会社を辞めて見つけたお金と心の整え方』浮雲
一言で言うと
自分と向き合い、危機を転機に変える
概要
アラフォーのあんぱんだ、「このままではいけない」という漠然とした不安があったのかもしれません。この 2ヶ月ほど、不動産投資に手を出そうとして色々学んでみたり、やっぱり AI関連に走ってみたり、学びへの興味が拡散していました。
そんな自分の現状は、中年期特有の症状、いわゆる「ミッドライフ・クライシス」なのかもしれないと考え、FIRE研究所のご縁で知り合った浮雲さんの著書を読んでみました。
ご自身の経験をもとに、ミッドライフ・クライシスから抜け出すためにやったことなどが書かれています。年齢や境遇は自分とは違うものの、お金のことや心境の変化がリアルにつづられており、貴重な学びになりました。
本書を通じて、ミッドライフ・クライシスは危機ではなく前向きな転機にもなりうる、と感じました。ただ、転機として捉えるためには、自分の資産状況や価値観に本気で向き合う必要があります。簡単ではない取り組みですが、著者のリアルな経験談が詰まった本書は、中年の背中を押してくれる 1冊だと思います。
本稿では、本書からの学びを 3点共有します。
① お金の不安を視える化し、恐怖→課題に
ミッドライフ・クライシスを乗り越える方法として真っ先に挙げられているのが、お金の不安への対応です。家庭を持った 40代は、住宅ローンが残っていたり、子どもの受験などでお金がかかる時期だったりすることが多いでしょう。ミッドライフ・クライシスの「今のままでいいのか」という感情に対して転職や移住などの対策を思いついたとしても、長年かけて築いてきた今の収入や地位を捨てることになるのでお金の不安がつきまといます。
不安は、正体が見えないと際限なく膨らむと書かれていました。サラリーマンであれば収入は予測がつきやすいものの、支出の正確に予測することは簡単ではありません。20年近く先となる老後は言うに及ばず、来月・来年いくらお金がかかるのかでさえ、急なケガや病気、子どもの進学先や住宅ローン金利の上昇など、変動要因が無数に存在します。
正体が見えないからといって目を背けるのではなく、不安を視える化して正面から向き合うことが必要になります。現実を直視することで、「何となく怖い」という不安が、「ここを改善すればよい」という課題に代わります。
具体的な方法としては、収入や支出を自分の実績ベースで試算することが挙げられています。著者自身も、奥様に任せていた家計管理について、自身もすべての支出を把握するようにしたそうです。その結果、退職したらすぐに破綻すると気づいて絶望した一方、コントロールできる支出があるという希望も見えたとのこと。そこからサブスクの見直しや保険の整理などに着手し、生活費を最適化することができたと書かれています。
家計調査などの統計データも参考になりますが、最も信頼できるのは自分自身の家計簿です。「平均的な 40代の数字」だけではなく、「自分自身のリアルな数字」をしっかり把握することが、不安を小さくする第一歩なのだと感じました。
この章を読んですぐ、私も定期支出一覧の更新を行いました。作ってはあったのですが更新しておらず、年度が変わって長女が保育園から小学校に進級するなど、定期支出も大きく変わっていました。作って終わりではなく、年度初めなどで定期的に更新・見直しをする必要があると痛感。現状の更新だけでなくテーブルのフォーマットも改善し、過去の履歴を残すために終了日を入れた SCD Type2 のような形を取り、各支出の把握方法も明文化しておきました。

今後の生活費シミュレーションがしやすくなったことで、たしかに不安が減った感覚があります。「なんとなく足りなさそうで不安」から、「去年は+○○万円だけど、今年は-○○万円くらいになりそう」と解像度が高まり、課題への対策も打ちやすくなったと感じます。将来への不安は、結局のところ大半はお金の不安だったということですね。
② やってみて、どう生きたいかを探る
お金の不安が小さくなって残ったのは、「これからどう生きたいのか」という悩みだったそうです。今までの生き方をいったん捨てて、まっさらな状態になりたい欲求が湧いてくるんだとか。これは自分にも心当たりがあります。現状に強い不満があるわけではありませんが、転職・地方移住して全部リセットしてみたい気持ちはくすぶっています。
人生を一度リセットしたくなる感覚は、中年期特有の悩みとして認識されています。妻子を捨ててフランスからタヒチに移ったゴーギャンの名を取って、ゴーギャン症候群とも呼ばれているそうです。ロシアの文豪・トルストイなども同じような葛藤を抱えていたとされており、自分だけの悩みではないと知れたことで少し安心しました。
この悩みに対する著者の解決策として、何でもやってみて、自分にとっての快・不快を見極めることが挙げられていました。退職後の著者も今までやりたかったことをやってみた結果、「毎日でもやりたい!」と思っていたスーパー銭湯通いは 3日で飽きた、昼から飲み屋に行ったり朝ラッシュ時に下り電車に乗ってみたりしたら罪悪感の方が強かった、と語られています。そういった小さな実験を通じて自分の価値観を確認し、どうやって生きていきたいのかを模索していった様子が興味深く描かれていました。
何でもやってみることができるのは、退職して時間があるからこその特権とも言えます。労働に追われて自由な時間がないから、やりたいと思っていることができない、その結果不満や不安が増大していく、という構図なのではと思います。先日の FIRE研究所の動画でも語られていたとおり、ヨーロッパのサバティカル休暇のように、月単位で仕事から離れる期間があれば、中高年特有の悩みも軽減しやすいように感じました。
私は前回の転職時、2か月弱の有休消化期間があり、このときは疑似 FIRE 生活といってもよかったのかもしれません。それまでどおり早寝早起きして、平日の昼に博物館・美術館を巡って感想をアウトプットする、保育園の送迎対応、妻が出社している時は日中に家の掃除、技術の勉強や読書などをして過ごしていました。
2か月弱で強制終了だったこともあるのかもしれませんが、幸福度が非常に高い期間でした。たぶん、退職後の生活もこんな感じになるんだろうと思います。博物館・美術館巡りは、真夏の屋外移動が過酷すぎたので、できれば春・秋に…!
③ 幸せに飽きる時期。感度を磨け
自分が何に幸せを感じるのか、感度を磨くことが大事だと述べられていました。どうやって生きるかを考えることにもつながりますね。
著者は、エキストラ活動や地域のボランティア活動への参加で楽しさや幸福感を得られたそうです。前述のとおり、一度やってみたいと思っていた昼飲みは罪悪感があった一方、無償で他者に貢献する活動は心地よかったと書かれています。
今までの仕事とは異なる領域にシフトしたことも重要だったのでは、と感じました。エキストラ活動に関して、一般的に働き盛りと言われる 40代男性は、ドラマや CM などでも需要が多くあります。しかし、働き盛りであるがゆえにエキストラをやる人の供給も少なく、需要に対して供給が追いついていないとのこと。しかも、撮影スタッフの方が持っていない「サラリーマンとしてのリアルな経験値」によって、作品をよりよくすることに貢献できることもあるそうです。ただでさえ供給不足なエキストラ業界に、その業界からすると貴重な経験を持ってシフトしたことで、他者・社会に貢献でき幸福感も得られたのではと思います。
中年期は、今までの人生の延長線上にある幸せに飽きる時期なのかもしれません。若いころよりも将来の選択肢が限られてくるのは事実ですが、老い先短いというほどでもない。仕事での達成感や子どもの成長などの幸せを経験し、知識や経験が蓄積されて将来の予測の精度が高まっている時期でもあります。今までの人生の歩みから、この先にある幸せがなんとなく予測できてしまい、おもしろみがなくなってしまう時期なのかなと想像しました。
そんな時期だからこそ、幸せの感度を磨く必要があるのだと思います。著者は退職後、⼩さいけれども確かな幸せ=「⼩確幸」を意識した⽣活をするよ
うになったと述べられています。小さな幸せを当たり前のものだと思わず、しっかり噛みしめる。日記に書き留めたり、note などでアウトプットしたりするのもいいですね。小さな幸せを書き留める習慣は、取り入れてみたいと思います。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。