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早期退職した私が2年間で55人の転職を支えられたワケ|シリーズ第6話(全7話)就活|転職|失敗|後悔|自己分析|人事|仕事|書類選考|面接|早期離職|短期離職|キャリア

「私が誰かにしてもらったことを、今度は自分がする番だ」——そう思い直しながらも、なかなか結果が出ない日々が続いていました。(前回の話はこちら/シリーズ全話はこちら
そんな中、一人の求職者との面談が、私にとって大きな転機になります。

過去の自分と、鏡合わせのような人

その方は既卒で、職歴なし。年齢は私とそう変わりませんでした。
話してみると、コミュニケーション力も高く、受け答えも丁寧で、正直「なぜこの人が、まだ内定を持っていないんだろう」と最初は不思議に思うくらいでした。

でも面談を重ねるうちに、少しずつ事情が見えてきました。新卒の就活で、大手ばかりを志望していたこと。周りが次々と内定を決めていく中で、自分だけ決まらなかったこと。気づけば就活そのものから目を背けるようになり、無気力感を抱えたまま卒業し、そのまま既卒になっていたこと。

「どうせ自分なんて、何を受けても同じですよ」
そう力なく笑うその方を見て、私は言葉を失いました。まるで、あの頃の自分と向き合っているようだったからです。ESが通らず、糸がぷつっと切れた大学3年生の自分。実績ゼロで書類選考にすら通らず、「市場価値がない」と思い込んでいたあの頃の自分。

「この人を、なんとかしたい」ではなく、正確には——「この人を通して、あの頃の自分を救いたい」。そう思ったのが正直なところでした。

無気力感の奥にあったもの

いつものように「強み」や「志望動機」を聞いても、当たり障りのない答えしか返ってきませんでした。当然です。自信を失っている人に、いきなり「あなたの強みは?」と聞いても、言葉は出てきません。かつての私がそうだったように。

そこで私は、順番を変えてみることにしました。強みや実績から聞くのではなく、まず「何にモヤモヤしてきたか」「本当は何を大事にしたかったか」から聞くことにしたんです。
大手志向だった理由を掘り下げていくと、その方は「安定していないと、周りに認めてもらえない気がして」とぽつりと言いました。そこからさらに聞いていくと、実は学生時代、体調を崩した家族を支えるためにアルバイトを掛け持ちしながら家事もこなしていたこと、その中で後輩や友人からしばしば相談を受け、頼られる役割を担っていたことがわかってきました。

「安定」を求めていたように見えて、本当に大事にしていたのは「誰かを支えられる自分でいること」だったんです。これは、就活の自己PRには一度も登場していない話でした。

「事実」の並べ方を変えただけで、別人になった

ここで、シリーズ第4で書いた「Before/After」と同じことを、今度は支援者として実践しました。

  • Before:「特にアピールできる実績はありません」

  • After:「家族のサポートと学業を両立させながら、周囲から相談を受ける役割を自然と担ってきた。誰かを支えることに、一貫して力を注いできた人間です」

事実は何一つ変えていません。ただ、本人の中では「取るに足らない日常」だったものを、一貫したキャリアテーマとして並べ直しただけです。
その方は、自分の話が言葉になっていく様子を見ながら、途中から涙ぐんでいました。「私、ちゃんと頑張ってきたんですね」と。

内定、そして気づいた「型」

その後、その方は医療系の企業から内定をもらいました。「誰かを支える」というキャリアテーマに、まっすぐ合致する仕事でした。内定の連絡をもらったとき、私は自分のことのように嬉しくて、電話越しに少し泣いてしまいました。
そして同時に、はっきりと気づいたことがありました。
実績や経歴の量ではなく、「本人も気づいていない一貫性」を一緒に掘り起こし、事実の並べ方を変えること。
これが、実績のない人の転職を成功させる、再現性のある型だということに。
この気づき以降、私は面談の順番を変えました。「強み」から聞くのではなく、「モヤモヤ」「大事にしてきたこと」から聞く。そこから逆算して、事実を並べ直す。特に、実績が少ない第二新卒・既卒の方の支援では、この順番が驚くほど効きました。

◆第二新卒・既卒で書類選考に悩んでいる方は、ぜひ以下の記事を合わせてご覧くださいね。
自己PRに「再現性」を出して通過率を上げるには?⇒
こちら
書類・面接で使える「キャリアテーマ」を探るには?⇒
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短期離職でも通過する「職務経歴書の書き方」は?⇒
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型ができてから、数字が動き始めた

一人、また一人と、同じように事実の並べ方を変えるだけで、書類が通り、面接が通っていく方が増えていきました。
気づけば月30名近くの面談をこなし、2年間で面談数はざっと700名以上に。転職の成功に貢献できた人数は55人に上りました。振り返れば、達成率170.4%という数字も、全国トップクラスの成績も、あの一人の既卒の女性との面談がなければ、たどり着けなかったと思っています。
あの頃の自分を救えなかった代わりに、目の前の誰かを救うことができた。そう思えたことが、今の私の原点になっています。


このあと私は、CAとしての経験を経て、現在の「事業会社の人事」という立場に転じることになります。支える側から、選ぶ側へ。次回は、その転身の理由についてお話しします。

続きはこちら →キャリアアドバイザーから事業会社人事への転身|「支える側」から「選ぶ側」になった理由|シリーズ第7話(全7話)

ここで気づいた「事実は変えず、キャリアテーマを先に立てる。」型は、私が今も面談で最初に使っている考え方です。実際にどう自分の事実を並べ直せばいいか、AIと一緒にキャリアテーマを言語化するプロンプトを含めた具体的な方法はこちらにまとめています。

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