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調査報告書を読んで③ 「教育内容は対象外」

学校法人同志社の特別調査委員会による調査報告書について、考えたことを書いています。

1回目: https://note.com/beloved_tomoka/n/na6ae86916d89
2回目: https://note.com/beloved_tomoka/n/n26163a573ffb

前回は、報告書が「分からない」で終わった問いについて書きました。最後となる今回の記事は、その答えにつながっているかもしれない、この報告書が「調べなかったこと」についてです。


この報告書では、教育の適切性は、調査の対象外となっています。冒頭に、こう書かれています。

平和学習の内容の適切性それ自体については本調査の対象外である

調査報告書 P4

会見での委員長の説明によれば、これは学校側と委員会側の理解が一致した上でのスコープ設定でした。ただ、学校側として本当にそれでよかったのかな、というのが私の印象です。

なお、調査委員長は会見で、質問に答える形でこう述べています。

「教育基本法違反であったかどうかは当委員会としてコメントはできないのですけれど、文科省が公表したその結論に至る部分、事実に関係する部分において当委員会の事実認定と相違はないという風に考えております」

https://www.youtube.com/live/rU7WAIUwEYI?si=TP0eFv7EmvNbyj15&t=3618

国の認定を支える事実関係を、特別調査委員会も追認したという意味で、重い言葉だと思います。ただ、報告書には残念ながらこの記載がありません。少なくともこの文言は、報告書に入っていてほしかったと思っています。

私は、教育の中身の善し悪しを断じる立場になく、教育論争をしたいわけでもありません。

それでもこの記事を書くのは、全容解明を考えたとき、事故と教育の適切性は根底でつながっているかもしれない、その疑問への答えが欲しいと思うからです。


学校側の認識

学校は、なぜ辺野古に行くのか。校長は、事故翌日の会見でこう説明しました。

私たちとしては、辺野古はご存知のように現代の沖縄が抱える基地問題の1つの縮図のような場所だという風に考えております。それは基地反対運動に生徒たちを巻き込むというような意図ではなく、少なくともそのような視点で基地に疑問を感じている方々がおられるという事実、その発見にあるという風に考えております。京都にいてはなかなか感じにくい沖縄の実相を見せないのではなく、見せることによって各自がそのことの意味を考える機会としてほしいという思いで、毎年ではないですが今まで沖縄の研修コースとして辺野古を取り上げておりました。

https://youtu.be/olhivW01yEU?t=1063

考える機会。その言葉に、異論はありません。

しかし、辺野古の基地移設に関する学習で実際に生徒に提供されていたのは、一方の側の視点だけでした。報告書によれば、基地問題に対する多様な見解・視点に触れる機会となっていた沖縄の高校との交流会は途絶えたままで、復活の試みも実っていませんでした。

賛否が今も割れている問題を、「考える機会」と呼びながら、片側の材料だけを与える。学校自身は、辺野古の基地移設問題を、多角的に捉えるべき問題だと考えていたのでしょうか。


前回も書いたとおり、船長は開会礼拝で、生徒と教員を前に、禁止区域にあえて入り海上保安庁に拘束される活動を自ら語っていました。事故の年の学年主任は、生徒が乗る船が抗議船であることを、船の名前まで含めて認識していました。過去には、実際に船に乗り、海上保安庁の船が並走する状況を体験した教員もいました。

一方、生徒に配られた文書には、こう書かれていました。

主たる目的は、「きれいな海を見る」ことではなく、基地建設と、それに反対する人が対峙する「現場」を見ること

調査報告書 P98

学校は、「反対する人の側から、対峙する現場を見せる」ことを、選び続けました。


私の疑問に対する答えが欲しい

その目的は、学校にとって、それほどまでに重いものだったのか。そして、その目的の重さが、本来いちばん大切にされるべき安全を、あれほどまでに軽くしたのではないか。

事業登録の有無すら確かめられていなかった船。一度も行われなかった下見。乗らない教員。確認されない注意報。この空洞は、「うっかり」では説明がつきません。

目的のために、この船でなければならなかった。そして安全への疑問は、目的の前で口をつぐんだ。その可能性が本当になかったのかどうか、今回の報告書からは分かりません。

慎重な検証の結果、そうであったなら、学校には原因の核心として向き合ってほしい。もし違うということが合理的に示されるのであれば、私は納得します。

ただ、全容解明には、この疑問への調査と分析が必要だと思っています。


教育内容の検証は、学校法人が外部の専門家を交えて別途進めているとのことです。誰が、どのような方法で検証しているのか、私たちはまだ知りません。

公表を、注意深く待ちます。


【お知らせ】

このたび、「辺野古転覆事件の全容解明と再発防止を求める会」を設立しました。

事故の全容解明と責任の所在の明確化、そして再発防止の実現には、長い時間と、専門家の力が必要です。個人としての発信に加えて、継続的に活動していくための組織として、会を立ち上げました。あわせて、活動資金のためのクラウドファンディングを立ち上げました。いただいた寄付金は会計規程に基づき適切に管理し、収支概要は当ホームページおよびnote等で定期的に公開します。

▶︎ 会の概要・設立の経緯・寄付金口座について:https://belovedtomoka.jp

▶︎ クラウドファンディングはこちら:

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