見出し画像

「お金はあの世に持っていけないんだから」すらも世界共通認識じゃない【香港紙紮文化】

こんにちは、オランダからリアル孟母ベティです。
今日はちょっと文化の違い・感覚の違いの話です。

私がこれを感じたのは、タイトルの通り「香港人の死生観」でした。
2009-2020年に私が香港に暮らす中で感じた最大の違い。
まさかそんなことまで違うと思わなかった!
というお話。

海外と日本の宗教・文化の違いや、香港文化に興味がある方向け記事です。
画像多めで参ります。
楽しんでね!


死ぬときには世俗的な欲は無くなる、はず。

「お金はあの世に持っていけないんだから」って日本人は一回くらいはどこかで見聞きしたことがある言い方ですよね。

 私自身は
「戒名はswitchの戒名メーカーで生成」
「お経はYoutubeで。坊さんに来てもらうプライベートライブは贅沢」
「坊主に金は払うな(何代にも渡る檀家なのに安くしてくれるでもなく、親の葬儀に500万かかったうらみ)」
「お金は生きている人間が使え」

的なことを常々娘2人に言っていて、それを遺言書にも残そうとしているくらいの、「超カジュアル仏教徒(むしろ神道の方がスキ)」です。
感覚としては「(あがめている宗教は)特にない」です。

 積極的に日常生活の中で宗教活動はしないが、海外の人に「あなたの宗教は何?」って聞かれたときに「特にない」っていうとえらいことになりますので(サタンを信仰している人くらいの扱いになります・要注意)、ブッキョーとシントーを信仰してます、と答えます。

 そんな不信心者の私ですら思ってます、「死ぬときには世俗的な欲から解放されるんじゃないか」って。

だってもう死ぬんだし、お金欲しいとか、たとえば若くなりたい綺麗になりたい美味しいモノが食べたいとかも、思わなくていいですよね?

日本人の多くは、お金はあの世に持っていけないと言いますし、こういう感覚がある人は私だけではないと思うんです。
で、私は全世界の人もそんな感じだと勝手に思っていた。

死んだ先の金や食べ物を心配する人々

2009年、香港に引っ越しますとね。
町中にこういうお店があるんですよ。最初何売ってるのか全然わからなかったんですけど。

長いお線香が売ってるから、あーこれは宗教用品店なんだなと理解しました。

香港人はクリスチャンも多いですけれども、仏教というよりは道教の人もたくさんいるんですよね。教会登録上はクリスチャンだけど道教行事もやるみたいな人も多く。
その関係で道端でいろいろ燃やしている人も多いです。

(日本でやっている「お盆・盂蘭盆」も道教由来の行事です。仏教だと死後その人は輪廻か解脱しているはずで、私昔からこのお盆に帰ってくる先祖って誰なんだろう、と思っていたのですよ)

出典

で、上記の宗教用品店に、こんなものが売っているのにある日気づいたのです。

出典
出典
出典

おままごと用品のようにかわいい!
紙で作られた、お金、ごちそう、最新のiPhone、ルイビトンのカバンとか、もーいっぱいあります。

で、これ何に使うものかって香港人に聞くとですね、「あの世で使うため」らしいんです。
あっちの世で不自由しないために。

あの世のお金

この紙製品はもうアートと言っていいくらいの世界でして。
で、最新流行のバッグとかiPhoneとかのガジェット系を発売するのもすごい速いんですよ、流行キャッチアップが。
紙製のミニマッサージチェアも見たことある。
あの世でも肩は凝るのか(笑)

出典
出典

で、この時点で私は香港人の強欲さに感心しつつ、爆笑していたわけです。

いやいやいや、
死ぬときにも食べ物の心配するんだ!
ルイビトンもiPadもあの世に持っていく気まんまんなんだ!
ご先祖もそういうモノをもらったら喜ぶと思っているんだ!

さすが香港人!って。

典型的な香港人の考え方は、やっぱり拝金主義と物質主義でして。
日本的な「お金はないけど幸せ」とか無いんですよ。

お金イズジャスティス!貧乏は不幸!みたいな。
死んだあとまでブランドもん持っていたいとか、ある意味見上げた根性だなって。ルイビトンもここまで好いてもらえると嬉しいだろう。

そして私は気づくのです。

私は「極楽とか天国って世俗的な欲から解放された世界」だとなんとなく思っていましたが・・・。例えばキリスト教でいう7つの大罪から解放された世界みたいなイメージが勝手に私の中にはあったことに、逆に物欲全開の香港祭祀を見てて気づかされた。
(7つの大罪は、傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲)

広い世の中、あの世でまで物欲全開、虚栄心全開!ビバ資本主義!みたいな方々も多いんだなということを。
香港でコレということは、中国台湾や、全世界の華僑にもやっぱり根底が共通する感覚なんでしょうし。

家まで担いで死ぬ気の人々

しばらくして香港での引っ越し先の近くに、葬儀場があったのですよね(だからたぶん家賃が安かった)。
見えますでしょうか、葬儀場の前においてあるカラフルな小人の家みたいなもの。

これのことです
出典

こういうものなんですけれども、これが「あの世で住むための豪邸」なのです(紙製)。

家まで担いで死ぬ気なのか!!!

びっくりしましたよね。
そして思いました。自分はそこまで強欲になることができない。
例えば「死ぬ前にお寿司食べたい」とか思うかもしれないけど、死んだあとまでのことは考えてない。欲望が及ばない。

だから、香港人のお金やビジネスへのパワーには、かなわないって。
あっちは富をあの世まで持っていく気で働いているんですよ。
パワーが湧き出てきている源泉そのものが我々とは違うんです。

まとめ

出典

いかがでしょう、この広い世界には、死んだあとまで最新式BMWに乗る気の人たちがいるということを。家まで担いで死ぬ気だということを。

死生観ですら、ところ変われば、というお話でした。

華僑のド根性については、ぜひこちらの記事もどうぞ。

このあの世紙アートを研究した本も出ています。


余談①教材として教室に持ち込んだらドン引き

日本人の夫が独身のときにやはりこの紙アートのレベルの高さ・詳細さに感心して、当時彼が香港で教えていたデザイン系の授業にこの紙アートあの世用品をいくつかアートのサンプルとして持ち込んだことがあるそうです。

学生全員からむっちゃ、ドン引きされた、と言っていました。

生者の生活空間に祭祀以外の目的で持ち込むのはタブーであるらしいのですよ。

余談②長女がこの家に入ったらおばちゃんガチ切れ

上記の葬儀場の近くに住んでいるとき、長女が2歳前くらいでした。
子どもから見れば、素敵なおうち!ってなるじゃないですか。
で、私も仕事が建築関係ですし、文化コードが違うから小人の家になんのタブーも感じないし、長女が通りがかりにその紙製の家に入ってちょっと遊んだんですよ、窓から顔出したりして。
小人家よく出来てるなー子どももかわいー!くらいのノリで。

通りがかりのおばちゃん、ガチ切れ!

その時は広東語をあまり私がわかっていなかったんですが、そういうときって相手の言語はわからなくても、言ってることはわかるじゃないですか。

この子を冥界に連れていかれたいのか!!!

みたいなことを絶対言っていました。
私たちのために怒ってくれておばちゃんありがとう。私たちが思う以上にタブーな用品のようだと理解しました。
でもやっぱりタブー感覚は身に着かない。

余談③これをおままごと用に買うのは自粛した

これで娘たちとおままごとごっこしたーい!という気持ちはあったのですが、「香港で長年育つこの子たち(その時は子どもを大学まで香港で行かせる気がった)が、その体験を香港人の友だちに話しちゃったらけっこうヤバいことになりそう」という、一応の理性ブレーキにより、自粛しました。

余談④実は沖縄でもこの「あの世のお金」を使う。コンビニで売ってる(笑)

香港から沖縄に引っ越したことのある身からすると、香港台湾系文化と沖縄文化は本当に地続きです。

沖縄のハーリー(爬竜船)
香港ドラゴンボートレース
沖縄のお墓
香港のお墓


沖縄の豚の丸焼き文化
香港の豚の丸焼き文化

そして沖縄祭祀でも「あの世(グソー・後生)」というのは超重要。
(沖縄は仏教とか神道とか言うより、とにかく先祖崇拝の宗教観)

で、当然のようにこの「あの世の紙製のお金(ウチカビ)」も沖縄にもあります!

出典
出典

で、沖縄ではこのあの世のお金は、コンビニとかスーパーにシャラっとフツーに売っているんです。

出典

そして、予想ですけれども沖縄の人は日本全土でこういうことをやっているときっと思っている(笑)
墓場でBBQピクニック(清明節)が普通だと思っているだろう。

面白いですね。

2025.5.22

【再掲】反響大につき100組→300組へ増席しました。【NEXT2035】「君が志望校を決める前に、お金と仕事の話をしよう。教育乱世を幸せに生き抜く親子セミナー」無料連続オンラインセミナー 2025年4月6日~7月13日開催

上記セミナーをリアル孟母ベティが主催しております。
参加はすべて無料です。

海外でも生きていける子にしたい!
そんな子を育てるために、親がまず変わりましょう!
もっと親子で対話を重ねましょう。

なぜ、今「仕事とお金の話」を親子でするのか?
今の子どもたちは、SNSやネットでたくさんの情報を手に入れています。
でも、その情報は意外と身近な世界に限られ、自分の将来を広い視野で考えるチャンスは多くありません。

このセミナーでは、子どもたちが「社会のリアル」にふれ、自分の未来を主体的に考えるきっかけをお届けします。

反響大につき、募集枠を300組まで引き上げました!
日経東洋経済財経新聞プレジデント毎日新聞などでも紹介いただいている親子のためのセミナーです。

学校では教えてくれない、仕事やお金のこと。

今、大人たちの経験や失敗談から、知恵と勇気を受け取る時間を、一緒につくりませんか?
このセミナーに参加すると、こんなメリットがあります!

子どもたちが「将来」について、自分ごととして考えられるようになります。
普段なかなか聞けない「大人たちの失敗談」や「社会のリアルな裏話」を聞くことで、「こんな選択肢があったんだ!」と世界が広がります。

将来の進路や職業選びの視野が広がります。
よく見る「なりたい職業ランキング」だけでなく、自分の可能性をもっと自由に描けるようになります。

「お金」や「働くこと」に対する正しい知識と向き合い方が身につきます。
AIの出現や社会構造の変化など、これからの時代を生き抜くために必要な「知恵」と「勇気」を学ぶことができます。

親子で将来について話す“きっかけ”になります。
忙しい毎日の中で、あらためて親子で「未来」について語り合う時間を持てる貴重な機会です。

安心して参加できます。
セールスや勧誘は一切なし。純粋に子どもたちの未来を応援したい、そんな思いだけで開催しています。

社会がどんどん複雑になり、将来が見通しづらい今だからこそ、大人と子どもが本音で対話する場が求められています。

このセミナーは、家庭でも学校でもない、「第三の学び場」として、未来を生きる子どもたちにとって、かけがえのない「気づき」と「一歩踏み出すきっかけ」をお届けします。
★見逃し配信あり https://www.youtube.com/@next2035education
★講義資料のみ提供可 下記フォームから申し込みできます
お申込みはこちら


関連記事:


いいなと思ったら応援しよう!