デヴィッド・グレーバー『負債論』を読む その0
「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。
御覧いただき、ありがとうございます。
こちらの記事で書きました通り、11月より、noteの毎日更新を再開しています。水曜は「文化と遊びの日:麻雀の話、書籍の紹介」のテーマとなります。
本日から、こちらの書籍を読んでいきます。
書籍の実物の写真はこちら。

実に分厚い。実に重い。

測ったら1キロ超えていました。これは読むだけで筋肉がつきそうです。
あまりに分厚いので、何回かに分けて読んでいきたいと思いますが、良い筋トレになりそうです。
著者はデヴィッド・グレーバーさん。
前に紹介した、こちらの書籍の著者でもあります。
「ブルシット・ジョブ」の発見者であり、それだけでも天才的な社会人類学者の方だと思うのですが、残念なことに、2020年に59歳という若さで亡くなられました。
書籍『ブルシット・ジョブ』の原著発行が2018年だそうです。これに対して今回の『負債論』の原著は2011年。訳者あとがきによると、この本の刊行を以てデヴィッド・グレーバーが世に知られるようになったということなので、主著と言ってもいいでしょう。
目次を引用してみます。(いずれ該当の記事をアップした際にリンクしていきます。)
第1章 モラルの混乱の経験をめぐって
第2章 物々交換の神話
第3章 原初的負債
第4章 残酷さと贖い
第5章 経済的諸関係のモラル的基盤についての小論
第6章 性と死のゲーム
第7章 名誉と不名誉 あるいは、現代文明の基盤について
第8章 「信用」対「地金」――そして歴史のサイクル
第9章 枢軸時代(前800―後600年)
第10章 中世(600―1450年)
第11章 大資本主義帝国の時代(1450から1971年)
第12章 いまだ定まらぬなにごとかのはじまり(1971年から今日まで)
結論 おそらく世界こそが、あなたから生を借りている[あなたに生を負っている]
はい。どうやら8章からは人類史をざっと再定義しているようです。ですので、まずは1章から7章までが前半と考えて良さそうです。
具体的には次回(来週)から読んでいこうと思っていますが、なぜ、今、このタイミングで、この本を読もうと思ったのかをお伝えしておきます。
まず、こちらの記事でもうっすら書きましたが、そもそも、お金と言うのものを社会状況のメジャーにすると、実態をうまくとらえられない可能性があるのではないか、という疑問がありました。
そもそも、農業という産業が資本主義経済のロジックに合わないのではないか、という話はこちらで書きました。
また、現在、大学で「非営利組織の経営」という授業を担当していますが、この分野の研究を進める上で、「寄付とは何か?」ということを経済学的に考えたいと思っていたのですが、「寄付」で「経済学」だと「行動経済学」の観点からの考察しか見つけられず、いや、知りたいのは、寄付をどうやって集めるか、という話じゃないんだよなー、と思っていました。
「寄付」が「経済」に、もっというと「社会経済」にどのようなインパクトを与えるのか、ということを考えている際に、この『負債論』での根本問題が自分に刺さったのです。
その部分を酒井隆史さんと高祖岩三郎さんによる本書の「訳者あとがきにかえて」から引用してみます。
現代社会の南北問題における負債をめぐる厳しい事情をさんざん語ったにもかかわらず、「借りたお金は返さないと」というキメの一言でひっくり返された経験から、この「借りたカネは返さねばならぬ」という経済とモラルのからみ合って強力さを増幅させる常識を覆すことが課題として提出される。
もっとシンプルに言えば、「我々はなぜ、借りたカネは返さねばならないと思い込んでいるのか?」という問いになります。
この「あとがきにかえて」では『ミナミの帝王』の萬田銀次郎の「借りたカカネは返すのがスジというものである」という言葉も紹介されていますが、この「貸りた金を返すかどうか問題」というのは、あちこちで裁判にもなっているように、実はモラルの問題であることは経験者なら理解できることかと思います。
もっと言えば、なぜ、モラルの問題なのに人はカネを貸すのか?
という側面から、貸す側の暴力や邪悪さのようなものを発見する、というような話。
住宅ローン、奨学金などの身近な問題から、赤字国債や、そもそも日本国債が売れなくなった話まで、いろいろとお金にまつわる社会問題を考える際に、有益なヒントが得られそうだ!
そういう観点から、ここからしばらくの間、この本を読んでいきたいと思います。ご関心が合えば、フォローいただき、おつきあいいただけますと幸いです。
続きはこちらから。
現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。
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