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ハーベイ賞2025ノミネート作品が発表されました!

アイズナー賞と並ぶアメリカの漫画賞ハーベイ賞(Harvey Awards)2025のノミネート作品が発表されました。

全7つのカテゴリでそれぞれノミネート作品が選ばれており、10月に開催されるニューヨーク・コミコンで受賞作品が発表されます。

ではノミネート作品をみていきましょう!
YouTubeライブでも詳しくご紹介していますのでこちらもどうぞご覧ください!


Book of the Year

フレンドリーな動物仲間に囲まれ、暖かく居心地の良い小さな町。そんな町の平和を守るために、善良で愛らしいヒグマのサマンサは連続殺人犯となる…?! 表紙をパッと見ると子ども向け部門の作品が紛れ込んだのかなと思いきや、よく見るとなかなかに血なまぐさい動物マンガ。
アイズナー賞2024のBEST NEW SERIESノミネート。フランスACBDがオススメする「2025年夏の必読10選」、ケ・デ・ビュル漫画賞2025西フランス賞ノミネート。

ブラック・ホール』のチャールズ・バーンズの新作。
ブライアンと友人のジミーは子ども頃から悪趣味な遊びをしていた幼馴染。映画監督を志すブライアンはジミーと町に越してきたばかりの少女ローリーと一緒に、『ボディ・スナッチャー』のオマージュとして肉体のないエイリアンの子宮から人間が生まれるというSFホラー映画を撮影するために、古いカメラを手に人里離れた森の小屋へと向かう。夢と現実、想像と知覚の境界をあいまいにし、芸術を通して自己表現することの真の意味を鮮やかに描き出す。
アイズナー賞2025BEST GRAPHIC ALBUM—NEWノミネート。

人気の戦士キャラ、オーサンの生みの親であるパルプ・ライターの父が悲劇的な死を遂げ、娘のヘレン・コールは祖父が残した広大な屋敷「ウィンドホーン・ハウス」に呼び戻される。その屋敷の無数の部屋や廊下にはさまざまな秘密が隠されていた。それは父が物語に描いた伝説の冒険ともかかわっていて…。『英雄コナン』と『オズの魔法使い』が出会ったような剣と魔法のゴシック風ファンタジー。
アイズナー賞2025BEST LIMITED SERIESノミネート。

数々の賞を受賞したディストピア的成長物語『Little Bird』の忘れられない相棒を描いたスピンオフ。『Little Bird Vol. 1: The Fight For Elder's Hope』の35年前、世の中に幻滅した改造人間の追跡者であるマックス・ウィーバーは、改造人間の子どもと出会う。その子どもには、失われた記憶を解き放つ鍵になるかもしれない特殊な能力を持っていたが、その能力に興味を持つのは自分だけではなかった。

メアリー・ジェーンと結婚して子どももいるピーター・パーカー。夫として父親としての責任と、スパイダーマンとしての任務を両立している彼の前にスーパーヴィランが現れる。
中年になったスパイダーマンを描いているということで話題になり、売上ランキングでも上位に上っている作品です。
アイズナー賞2025BEST CONTINUING SERIESノミネート。

Digital Book of the Year

海の生き物を明るく豊かな未来へと導く灯台、ビーコン(導きの光)であると予言された人魚のカッパは、サメの王国の王子セイレーンに出会う。セイレーン王子は自らの民にかけられた呪いから解放するためにビーコンを殺すという運命を背負っていた。予言に縛られた二人はロマンスと危険に満ちた壮大な冒険に乗り出す。めっちゃ絵が可愛いです。単行本も出ているみたいです。

代々続く魔女の血筋に連なるモルガナは、魔女と敵対する吸血鬼の一族に属するオズに出会う。魔女と吸血鬼の一族の間で全面戦争が起きる危険があるなか、ふたりが選ぶのは、愛か、戦いか。
こちらも可愛いですね。単行本も出ています。

エリート・ナニー・アカデミーを出たダヴィナの初任務は悪名高きマフィアのアンダーボス、ガブリエル・アンジェリーニの幼い息子マイキーを守ること。しかしダヴィナは実は魅力的なヴェネツィアの裏ボスだった過去があり、ガブリエルの手によって永遠に忘れ去った組織犯罪の華やかな世界へと引き戻されてしまう。危険な罠に心をからめとられずに、マイキーを父親の野望から守ることはできるのか。アクションとコメディ満載のロマンスもの。なんとなく雰囲気がSPY×FAMILYみたいですね。ガブリエル、イケメンだな。こちらも単行本が出ています。

復讐は必要なのか? 復讐にはどんな代償が伴い、そしてそれには価値があるのか?『RESENTER』は、ある夜、勤務中に殺害された若い外科医ジャッキーを通して、これらの問いを探求する。殺害された後、彼女は奇妙な転移空間で目を覚まし、そこでリアという名の切り裂き魔と出会う。リアはジャッキーに魅力的な申し出を持ちかける。

女性の何気ない日常を描いたウェブコミックシリーズ。サラ・アンダーセンさんの作品は、アイズナー賞2025BEST HUMOR PUBLICATIONで『Adulthood is a Gift!がノミネートされていました。

Best Children's Book

マカイラはアイデアが溢れているのに、それをどう物語にしたらいいのか分からない。ハワードは絵を描くのが大好きなのに、なかなかアイデアが浮かばず、父親は漫画は時間の無駄だと思っている。リンダはスケッチブックに絵を描き続けているけれど、失敗だと思う部分ばかり気にしている。アートはただ創作することが大好きで、新しいことに挑戦することにワクワクしている。そんなみんなが集まって「漫画家クラブ」を結成。子どもたちが漫画の描き方を学び、創造力と想像力を活かして、自分だけのストーリーテリングの冒険を楽しめるクラブです! 『Smile』のレイナ・テルゲマイヤーと『マンガの描き方』のスコット・マクラウドがタッグを組んだ、ハウツー本とコミックを掛け合わせた友情物語。

  • Chickenpox by Remy Lai (Henry Holt Books for Young Readers/Macmillan)

アビー・ライは4人の弟妹たちと一緒に家に閉じ込められているのにうんざりしている。うるさい弟妹たちにまとわりつかれたり詮索されたりせずに、友だちともっと時間を過ごしたい。しかし水疱瘡にかかり、弟妹たちにも伝染して、みんなの身体には痒みを伴う赤い斑点が浮かび上がり、2週間も家に閉じ込められることなる。しかも友だちには患者はいなく、家に水疱瘡を持ち込んだアビーは責任も感じている。

カスケード・コープの静かな通りで、孤独なマーゴットは「幽霊は出ません」と札が貼られて捨てられたシンセサイザーを偶然見つける。マーゴットはこのシンセサイザーが、本物のシンガーソングライターになってそばにいない父親の賞賛を得たいという夢を叶える鍵だと気づく。オンラインでフォロワーやファンを獲得しようと奔走するが、実はこのシンセサイザーには幽霊が憑りついていたのだ。1979年にティーン・ポップ・センセーションを巻き起こしながら早すぎる死を遂げたヴィジョン。その魂はシンセサイザーの鍵盤と絡み合い成仏できずにいた。真逆の性格のマーゴットとヴィジョンは、音楽への共通の情熱によって思いがけない絆で結ばれていく。

  • Mixed-Up by Kami Garcia & Brittney Williams (First Second)

小学5年のステラは親友のエミコとラターシャと同じクラスになり、先生にも恵まれて最高な気分。しかもお気に入りにのテレビ番組、ウィッチリンズが新しいガイドブックとオンラインゲームを発表した。しかし授業の課題が山積みになり始め、遅れを取り戻すのに苦労するようになる。テキストの多いガイドブックを最後まで読むことができずゲームでも友だちに追いつけない。教師と家族はステラに学習障害があることに気づき、ディスレクシアの診断後、ステラは必要なサポートを手に入れることができる。カミ・ガルシアはディスレクシアの娘を持ち、自身の神経発達障害の経験からこの作品を描くインスピレーションを得た。ディスレクシアの読者が快適に読めるようDyslexie Fontが使用されている。

ローワンは警備員になって空飛ぶ馬のケスと村を守りたいと思っている。しかし自分のせいでケスが怪我をしてしまい、自身を失ってしまう。ケスが回復するまでの間、ローワンは辺境の地を巡る遠征を命じられる。怠惰な羊飼いのレオーネとコンビを組んだローワンは、初めはいらだちを覚えたが、レオーネの苦悩や献身によってふたりの間に新たな感情が芽生え始める。ローワンはジェンダーへの悩みを抱えるキャラとして描かれている。

  • Weirdo by Tony Weaver Jr, Jess Wibowo, & Cin Wibowo (First Second)

11歳のトニー・ウィーバー・ジュニアはコミック、アニメ、ビデオゲームが大好きで、そこに登場するキャラクターたちに憧れている。しかし新しいクラスメイトからは変わり者と思われいじめられる。同級生から受け入れられないことに苦しみ、他人の期待に応えようと努力するトニー。
アイズナー賞2025BEST PUBLICATION FOR KIDSノミネート。

Best Young Adult Book

アッシュはいつも孤独を感じていた。大人たちは気候変動の危機を無視し、アッシュと同年代の子どもたちは変化のために戦うことよりも、ポップスターや人気コンテストに興味を持っている。アッシュの家族でさえ、人生を夢遊病者のように過ごしている。アッシュのことを理解してくれているのは、祖父のエドウィンだけだった。亡くなる前、祖父はカリフォルニアの荒野の奥深くに秘密の小屋を建てる話をしていたことを思い出し、アッシュは孤独感から逃れるために、祖父の小屋を探しに行く。アッシュはひとりになりたいと願うが、本当にひとりで幸せになれるのか。世界に自分の居場所がないと感じたときの人生の選択を描く、感動的な物語。
アイズナー賞2025BEST PUBLICATION FOR TEENSノミネート。

空想好きな13歳のタラ。中学生になり新学期が始まったけど学校に馴染めない。みんなが好むような刺激的な番組を見るのも、もの悲しい音楽を聴くのも、弟とごっこ遊びをやめるのも気が進まない。しかしリビーという同級生に出会って…。大人への階段を上るときの面白さと恐怖、初恋を描く。
アイズナー賞2025BEST PUBLICATION FOR KIDSノミネート。

ニーシャ・スパークスはファッションが大好きな障害を持つ活動家。ギャビー・グラシアナは楽観的な性格でサーファー。ふたりの転校生は、同じマンガシリーズ『ナビゲーター・ノゾミ』が好きだと知って意気投合する。マンガの続刊を読んでいないことに気づいたふたりは、『ナビゲーター・ノゾミ』を探してノースカロライナ中を冒険する。ふたりの物語と『ナビゲーター・ノゾミ』の物語を交互に描きつつ、有色人種のふたりの友情とロマンス・ストーリー。

著者の10代のころを舞台にした半自伝的な作品。1991年、ブリアナは孤独な中学生。同級生から揶揄われたり、学業も振るわずそれを隠している。両親は離婚しており、家でもひとり。高校生になると友人ができて、唯一の幸せを感じて支え合って生きていたが、学校での人間関係が崩れ始めると頼れる人もいなくなってしまう。ブリアナの一人称の授業ノートと日記を交互に綴る見事なストーリーテリングで、静かな日常のひとときや家族の絆を通して受容や愛を伝える。

近未来、まれに超能力を持つ人が存在する異星メリディアン。主人公のオベロンは、精神が不安定になってしまい大学を中退して恋人とも別れていた。ある日、目覚めると夢を現実世界に呼び起こす能力が備わっていた。その能力にはいつも、高校時代の憧れの人、コンによく似た人が登場する。コンは3年ほど前に謎の失踪を遂げていた人物で、オベロンはいらだちを抱えていた。オベロンの人生を立て直すためにコンは奮闘するが、この夢の中の今にも危険な秘密があることが判明する。SFファンタジーBL。

Best Manga

  • The Guy She Was Interested in Wasn’t a Guy at All by Sumiko Arai; translated by Ajani Oloye (Yen Press)
    新井すみこ『気になってる人が男じゃなかった』(KADOKAWA)

  • The Summer Hikaru Died by Mokumokuren; translated by Ajani Oloye (Yen Press)
    モクモクレン『光が死んだ夏』(KADOKAWA)

  • Tokyo These Days by Taiyo Matsumoto; translated by Michael Arias (VIZ Media)
    松本大洋『東京ヒゴロ』(小学館)

  • Wind Breaker by Satoru Nii; translated by Jacqueline Fung (Kodansha Comics)
    にいさとる『WIND BREAKER』(講談社)

  • Witch Hat Atelier by Kamome Shirahama; translated by Stephen Kohler (Kodansha Comics)
    白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ』(講談社)

Best International Book

  • Blacksad: They All Fall Down Part 2 by Juan Díaz Canales & Juanjo Guarnido; translated by Diana Schutz & Brandon Kander (Dark Horse Books)

原書は『Blacksad Tome 7, Alors, tout tombe. Seconde partie』(フランス、Dargaud)。
日本語版は、フアン・ディアス・カナレス、フアンホ・ガルニド『ブラックサッドそして、すべて堕ちる[後編]』(大西愛子訳、ユーロマンガ・飛鳥新社)も刊行済み。刊行済み。50年代のアメリカを舞台にした黒猫探偵ブラックサッドの大人気ノワールシリーズ最新作。
アイズナー賞2024のBEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIAL受賞。ハーベイ賞2024Best International BookもEurope Comics刊の電子書籍版で受賞しているのですが、紙の単行本が出てまたもやノミネートされました。『ブラック・サッド』本当に人気ですね。

  • Mothballs by Sole Otero; translated by Andrea Rosenberg (Fantagraphics)

アルゼンチンの漫画家ソロ・オテロさんの作品。
原書は『Naftalina』(スペイン、SALAMANDRA GRAPHIC)。
2001年、深刻な経済・政治危機にあるアルゼンチン。亡くなった祖母ヴィルマの家に引っ越してきた19歳の少女ロシオは、1920年代のイタリアから始まる祖母の人生を回想する。ムッソリーニが政権を握ったイタリアからアルゼンチンに渡ったヴィルマの両親。学校にも行けず、家父長制の残る社会で孤独に生きたヴィルマの人生からロシオは何を学ぶのか。作者の家族の歴史にインスパイアされた作品。
ACBD批評グランプリ2023ノミネートアングレーム国際漫画祭2023フランステレビ読者賞受賞アイズナー賞2025BEST U.S. EDITION OF INTERNATIONAL MATERIALノミネート。

  • Muybridge by Guy Delisle; translated by Helge Dascher & Rob Aspinall (Drawn & Quarterly)

原書は『Pour une fraction de seconde(フランス、Delcourt)。
マンガ平壌』のギィ・ドゥリールがイギリス出身の写真家エドワード・マイブリッジの人生を描く伝記マンガ。鉄道泥棒男爵リーランド・スタンフォードの「馬は全速力で疾走する間、蹄は地面につかない」という信念を証明するため、馬の撮影に取り掛かり、その過程で、彼は意図せずして、現代における最も重要な技術的進歩の一つ、タイムラプス撮影と動きを捉える機械的な能力の発明を生み出すことになる。

  • Sunday by Olivier Schrauwen (Fantagraphics)

作者のいとこである架空の人物ティボーの一日。ガールフレンドが長期旅行から帰ってくる日、ティボーは目を覚まし、何もせず、ジェームス・ブラウンのことが頭から離れず、酒を飲み、タバコを吸い、恋人との関係に妄想を抱き、メールを書くのに苦労し、『ダ・ヴィンチ・コード』を見る。その間ずっと人との接触を避け、自分の思考と恐怖の深淵へと堕ちていく。一方、かつての片思いの相手とティボーの別のいとこがティボーにサプライズ誕生日をプレゼントしようと計画し、外部と内部が衝突する。
アイズナー賞2025BEST GRAPHIC ALBUM—NEWノミネート。

映画化もされたコーマック・マッカーシーの小説『ザ・ロード』のコミカライズ。作画はユーロマンガ誌で『ありきたりな戦い』が掲載されていたマニュ・ラルスネです。
原書は『La Route』(フランス、Dargaud)。
植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。親子二人は掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、ただ南へと歩く。
Fnac France Inter BD賞2025最終ノミネートACBD批評グランプリ2025ノミネートアイズナー賞2025BEST ADAPTATION FROM ANOTHER MEDIUM受賞。

Best Adaptation from Comic Book/Graphic Novel

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さてハーベイ賞2025ノミネート作品はいかがでしたでしょうか。
アイズナー賞2025でノミネート・受賞されている作品もちらほらありましたね。かつフランスのマンガ賞でも見かけた作品などは、それだけ世界的に評価されているのだと思うので、ぜひ日本にも紹介が進むといいなぁと思いました。あと日本ではあれだけウェブトゥーン作品が配信されているのに、英語圏の作品はほとんど日本語訳されていないので、そういうのも日本語で読みたいです(Webtoonは日本だとアプリがダウンロードできなかったりして、めんどくさいのです)。
Song for You and I』と『Strange Bedfellowsは購入済み・積読中なので早く読みたいなと思います。
さてどの作品が受賞するのか。10月に受賞作品が発表されたらまたnote記事にまとめたいと思います。

参考資料:過去の受賞作品

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