見えない敵|不正行為は予防するもの
あなたは試験監督をしているとき、どこに立っていますか?
本記事では、不正行為の予防と、不正行為の対応について、実践例にもとづいて紹介します。
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1.見えない敵ほど、生徒は警戒する
定期考査で試験監督をしている時、あなたは、教室のどこにいますか。
教室の後ろに立つのが基本です。この位置なら、生徒は試験監督がどこにいるのか分かりにくくなります。
黒板の前で座ったまま、ましてや内職などをしていたら──
それは、生徒に「隙」を見せることになります。その隙が、不正行為を誘発する原因になりかねません。
とはいえ、残念ながら、教室によっては後ろに立つスペースがなかったりもします。
こういうことを避けるためにも、「教室の動線が空気を変える」で紹介したように、教室の動線確保は重要事項なのです。
💬し~がるの実感:動線確保の大切さ
考査用の席になると、どうしても列と列の間を空けねばならず、一列の席数も増えたりし、教室の後ろのスペースがなくなりやすいです。
し~がるの場合、教卓と黒板の間のスペースを無くし、最前列の生徒の席を普段よりも前にして、教室の後ろのスペース(動線)を確保しました。
これで試験中の机間巡視も行いやすくなります。
教卓は教室の端に寄せ、答案の準備等は、この教室の端の教卓で行ってもらうようにしていました。実際、配布する時は教室の端から行うわけで、作業効率も、この方が良好でした。
2.不正行為のパターン
◇2-1 カンニングペーパー
机間巡視をしている際、教師が近づくたびに答案や問題用紙をスライドさせるような生徒がいた場合、問題冊子や解答用紙の下に、カンニングペーパーを隠し持っている可能性が高いです。あるいは、机に直接、答えが書いてある可能性が高いです。
「ちょっと見せてもらってもいい?」とでも言って、問題冊子と解答用紙を取り上げてみて、確認してみましょう。
◇2-2 スマホ
スマホをこっそり隠し持ち、答えを調べたりするパターン。生徒は、自身の机の手前、机の下でスマホを見るため、教師が黒板の前に立ってみていた場合、生徒の視線が、机上の答案ではなく、机の手前側に注がれているのがわかります。これは、教師が座って試験監督をしていたら、なかなか気づけません。
もちろん、教室の後ろに立っていれば丸見えになります。
発見したら、試しにその生徒に近づいて行ってみてください。
急に隠そうとしたりするような動作があった場合は、どこに隠したか、見落とさないようにして下さい。
なお、試験開始前に、「机の中やポケットにスマホがあった場合、それだけで不正行為になるからね。今ならまだしまう時間があるよ。」と、明確に宣言しておく必要があります。
「ついうっかり、しまい忘れた・・・」は生徒の定番の言い訳です。その言い訳をさせないためにも、試験開始前にしっかりと布石を打っておく必要があります。
◇2-3 他者の答案を覗き見る
どうしても教室内の生徒数が多いと、隣や斜め前の生徒の答案が見えてしまうケースがあります。この場合、「2-2 スマホ」同様、生徒の視線が不自然になります。ただし、これだけではカンニングと断定するわけにはいきません。
まず、見られている(見えてしまっている)側の生徒に対して、
「解答用紙は自分の真正面に置くように」と指導します。
横や斜め後ろの生徒から見えない位置に解答用紙を置かせます。これで予防線を張るしかありません。
しばらくは、該当生徒のそばに立ち、試験監督が警戒していることを、生徒にしっかりと伝えるようにします。
◇2-4 回収時の不正記入
答案回収の時に、生徒がほかの生徒の解答を書き写すケースがあります。試験終了と同時に、答案を回収する際には、教師はすべての列の回収状況に神経をとがらせなければなりません。
予防線として、試験終了5分前あたりに「試験終了のチャイムが鳴ったら、筆記具を置いて解答を止めてください。試験終了後も筆記具を手にしていた場合、不正と見なします。」と宣言します。
3.発見した時の対処法
意外と周知徹底されていないのが、不正行為を発見した時の対処法。あなたの学校では、考査の度に、教務からそのようなアナウンスはありますか。
以下に基本的な手順を示します。
◇3-1 証拠品および答案用紙の没収
カンニングペーパーやスマホなどとともに、解答用紙も必ずその場で没収します。生徒側に隠したり、ごまかしたりする隙を与えず、生徒と奪い合いにならないよう、教師側は、間髪入れない瞬間的な動きが求められます。疑わしい生徒の後ろから静かに接近するのがコツ。
◇3-2 生徒を廊下に出す
生徒を心理的に観念させることと、証拠隠滅を阻止するためです。また、周りの生徒への影響を抑えるためです。仲間の生徒が騒ぎ立てるなど、周りの生徒も巻き込んだ騒動に発展すると、試験全体が無効になりかねません。
机に答えが書かれていた場合は、机も黒板の前や廊下に出し、ほかの生徒が証拠隠滅をしてしまわないようにします。
一連の流れの際、没収した証拠品や答案用紙を、教卓に放置しないことにも注意。教卓に近い席の生徒がこっそり取ってしまう可能性があります。
◇3-3 となりの教室の試験監督に協力要請
HR教室に内線電話があればよいですが、無い場合、となりで試験監督を行っている教師に、二つの教室を廊下から同時に監督してほしい旨、お願いします。
試験監督中にどうしてもトイレへ行きたくなった場合にも、この手法は有効です。
◇3-4 職員室へ生徒を連れて行き、証拠品とともに引き継ぐ
連れて行った生徒の、担任以外の教師に引き継ぎます。担任によっては、証拠隠滅や、(無罪に向けての)誘導尋問によって、不正行為をもみ消そうとする教師もいるので要注意です(あなたの学校にはいませんか、そういう教師)。
◇3-5 答案回収時の書き写し(◇2-4 回収時の不正記入)
2-4に記したように、予防線として、試験終了5分前あたりに「試験終了のチャイムが鳴ったら、筆記具を置いて解答を止めてください。試験終了後も筆記具を手にしていた場合、不正と見なします。」と宣言してあることを前提とします。
答案を回収する生徒の流れが、どの列も一定かどうか監察します。流れが止まっていて、筆記具を手にしている生徒がいたら、そこで「不正!」の宣言をし、答案を没収します。
クラス全体としては礼をして一度終了し、該当の生徒については、別途呼び出し、どこの答えを書いたかなど、事情聴取をします。答えを書き写した場合、本人に該当箇所へ○印を付けさせます。
試験直後の休み時間に、ここまで行うことがポイント。証拠物件の無い現行犯のため、相手に言い逃れを考える時間を与えてはいけません。あなたがその場で速やかに対処します。
しかし実際には、名前を書き忘れただけ、と言うケースもあるでしょう。筆記具を手にしても、結局は答えを書くには至らなかった、というケースもあるでしょう。このあたりの判断は、状況によりけりでしょうか。
もとい、そうならないよう、予防線を張り、緊張した雰囲気を作り出しておくことが大切です。
なお、書き写したことを認めた場合は、◇3-4の手順に移ります。
🌱まとめ
「不正行為をしてはいけない!」と黒板に書いてあるHR教室、あったりしませんか。もちろん、あなたの学校の生徒たちは「不正行為をしてはいけない」ことくらい、理解していますよね。(自明のことを書き記す謎の習慣)
不正行為を無くすには、黒板に「不正行為をしてはいけない!」などと書くのではなく、不正行為をしなくなる雰囲気を作ることが大切です。そのためには、教師の側が、試験中は試験監督に専念し、試験時間中、ずっと隙を見せないことが大切です。
試験監督中のあなたの姿勢こそが、生徒に「誠実さ」を伝える大切なメッセージになります。
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