人は孤立すると狂うのか:『The Wall』がこの小説の土台になった理由──あとがき⑤手の届かない何かへの憧れと、でも確実にそこにある愛情と

本文中に発砲シーンはありませんので、ご了承下さい。
私は、この小説を書くとき、
Pink Floyd『The Wall』
をずっと頭の中に流していました。
【手の届かない何かへの憧れと、でも確実にそこにある愛情と】引用部分
Vera Lynn "We'll Meet Again"
"We’ll meet again some sunny day."
第2次世界大戦中、イギリスで「兵士たちの恋人」という愛称で親しまれ、前線の兵士や国内の市民に向けて、歌を届け続けた歌手です。多くの兵士が戻れないことを分かったうえで、「でも、きっと晴れた日に、また会いましょう」と歌い続けました。

Pink Floyd "Vera"
『The Wall』に収録された曲で、主人公の父親が戦死したことを、Vera Lynnに問いかけたものです。

Pink Floyd "One of My Turns"
これも『The Wall』に収録された曲です。
【手の届かない何かへの憧れと、でも確実にそこにある愛情と】引用部分
日を経るにつれ、愛は灰色に変わっていく。
それはまるで、死人の肌の色のように。
(原詞)
Day after day, love turns grey
Like the skin of a dying man.
「The Wall」は、1979年発表の2枚組のコンセプトアルバムです。主人公の孤立と狂気の生涯を描いたものですが、エイジの人生の下敷きとして使いました。
このアルバムをご存知でなくても、問題はありません。
ただ、エイジがなぜ孤立し、それでも最後まで愛を手放さなかったのか。その背景には、この世界観がありました。

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