露出計の仕組み(1)
コイルが磁石になる

図1のように巻いた針金(コイル)に電池を接続し、その下には磁石が固定されています。
スイッチを入れなければ何も起こりません。しかし、スイッチをオンにしてコイルに電流が流れると、コイルが上か下に動きます。これはどうしてなのでしょうか?
答えは、コイルに電流が流れると、コイルが磁気を帯びます(磁場が発生する)。このコイルと固定された磁石とが引き合ったり、反発したりするからなのです。露出計はこの原理を利用しています。
露出計の仕組み(セレン光電池の場合)


図2は、乾電池の代わりにセレン光電池をコイルにつなげたものです。セレン光電池とは、光が当たると発電する電池のことです。
セレン光電池に光が当たると、コイルに電流が流れます。するとコイルが磁気を帯び、コイルが少し回転します。セレン光電池に当たる光が強いほど、多くの電流が流れ、コイルは大きな角度で回転することになります。
途中にある固定抵抗は、電流によりコイルが回り過ぎないように(振り切れないように)、電流を制御しています。逆に、強い光を当てても、コイルの振れが少ない場合は、抵抗値の小さい抵抗器に替えます。
露出計の仕組み(CdS素子の場合)

図3は、セレン光電池の代わりに、CdS(硫化カドミウム)素子を使用した露出計です。
セレン光電池は、光の変化に電流の変化が鋭敏に追従しないのが欠点ですので、反応性の高いCdS素子を使った回路です。レンズの周辺に付いている小さな丸い穴に入っているのがこのCdS受光部です。
ただし、CdS素子の場合には乾電池が必要となります。動作する原理は、基本的に上記と同じです。

途中にある半固定抵抗は、抵抗値を変化させることで電流の制御をしています。露出計の調整はこのつまみを動かすことで可能になっています。
露出計指針

図3のように、この少し回転するコイルに「細い指針」を付けることで、コイルの動きに合わせて指針が動くようになります。つまりメーターになるわけです。これが露出計指針の正体です。

指針を元の位置(原点)に戻す役割は「ひげゼンマイ」が担っています。ゼンマイの力で指針にテンションをかけているのです。
露出計のレストア
露出計には磁石が入っているため、小さなねじなどが磁石に吸い付けられて、コイルが動かなくなっていることも珍しくありません。コイルに埃がたまっていることもありますし、指針が曲がっていることもあります。
〇指針の動きが怪しい場合には、主に次のことを確認します。
・コイルが回転軸から外れていないか
・ゼンマイが絡んでいないか
・コイル中心部に0点調整アジャスタがある場合は調整する
・コイルから出ている非常に細いエナメル線が断線していないか
・巻いてあるコイルの内部で断線している場合は、
露出計移植などの方法を取るしかありません。
指針が動くタイプの露出計を内蔵したカメラは、当時数多く存在しました。光の強弱で動く指針には、このような仕組みがあったのです。
今回は、露出計の仕組み、動作原理についてご紹介しました。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
露出計の仕組みは、次回に続きます。
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