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「不適切な投与」~医師の判断、接種間隔~

10代の新型コロナワクチン接種率が高くなるにつれて、厚労省のサイトで公開されている「新型コロナワクチン接種後の副反応疑い報告」にも、10代の症例報告が増えています。接種後に出ている症状は、大手メディアで報道されているものだけではありません。5歳~11歳への接種を検討している保護者の皆様に、どのような症状が出ているか知っていただきたいので、気になる症例を紹介していきます。


不適切な投与の報告

新型コロナワクチンに関する事例をきっかけに、予防接種の際にミスが多く発生していることを知りました。新型コロナワクチンに関しては下記の記事でも取り上げましたが、10代の症例報告にも「不適切な投与」の事例があります。接種される側で防げることもあるので、このような事例を知っておくことにも意味があると思います。


喘息発作が起きた12歳へ2回目の投与


厚労省サイト ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第75回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第26回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料 1月21日

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00037.html

資料1-2-3-1より。
紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。

事例:16765 12歳女性 コミナティ筋注2回接種 ロット番号:FH3023
本報告は医薬品医療機器総合機構(PMDA)経由で連絡可能な報告者
(医師)から入手した自発報告である。

関連する病歴:「気管支喘息」(継続中)、注記:4 才頃から、LTRA(※ロイコトリエン受容体拮抗薬)、ICS(※吸入ステロイド薬) でコントロール中;「他要因(他の疾患等)の可能性には、ワクチン接種に対する精神的ストレスが発作を誘発した可能性があった」(継続中か詳細不明)。併用薬は報告されなかった。

2021/09/29、 Covid-19 ワクチン(初回、製造企業不明)、反応:喘息発作
2021/10/04喘息発作で入院した(3 日間)。

2021/11/29 15:55、 BNT162B2(コミナティ)2 回目接種
2 回目接種は主治医にすすめられた。
2021/11/29 15:55、不適切な製品適用計画(非重篤)があり、転帰は不明であり、「不適切な投与計画でのワクチン使用」と記載された。

2021/11/30 08:00(ワクチン接種の 16 時間後)、咳喘息(医学的に重要な事象)が発現。
2021/11/30 (ワクチン接種の 1 日後)、事象の転帰は軽快であり、「咳喘息」と記載された。

事象の経過は以下のとおりであった:
2021/11/29、2 回目の接種を受けた。
翌朝より、明らかに咳嗽が増加し当院を受診した。短時間作用性ベータ刺激薬の吸入に効果を示した。臨床経過から、ワクチン関連の咳喘息発作と診断した。前回入院時と同等の重症度であったが、プレドニンの内服を追加し外
来経過観察
とした。

報告医師は事象を非重篤と分類し、事象は bnt162b2 と関連ありと評価した。
報告者意見:
1. 時間経過として副反応の可能性を疑った
2. 1 回目と同様の経過が反復された。
再調査は不要である。これ以上の追加情報は期待できない。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000884905.pdf

不適切な投与については、何が不適切だったのかはっきりと書かれていないことが多いです。この事例は、症状名の欄に「不適切な製品適用計画;咳喘息」と書かれていました。咳喘息が問題なら、1回目の接種後に喘息発作で入院したのに、2回目を接種したことが不適切とされたのだと読み取れます。

ということは、「2 回目接種は主治医にすすめられた」という部分が、大きな問題なのではないでしょうか。


後から修正された事例

2例目は、当初10歳への接種として資料1ー2ー3ー1には「製品使用の問題、適応外使用」と報告されていたのですが、念のため資料1ー2ー2ー1を確認したら「15歳と判明した」と書かれていました。なぜ15歳を10歳と報告したのか気になりますし、症状が心配な事例なので取り上げます。

事例:16163 10歳女性(※後から15歳と判明)
コミナティ筋注2回目接種 ロット番号:不明
これは、連絡可能な医師からファイザーの同僚に連絡した自発報告である。
患者の病歴及び併用薬は報告されなかった。

日付不明、患者は以前に、COVID-19 ワクチン(製造業者不明、投与経路不明、1 回目、単回量)を接種した。
日付不明、BNT162B2(コミナティ)2 回目接種

臨床経過の詳細は次の通り:
日付不明(ワクチン接種後)、重篤の倦怠感、重篤の頭痛、重篤のふらつきが発現した。患者は現在入院していた。転帰は 3 週間が経過して未回復であった。報告者は、事象は重篤であると考慮し、被疑薬と事象との因果関係は提供されなかった。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000884905.pdf

資料1-2-2-1には、下記のように書かれています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000884778.pdf

※5 製造販売業者からの報告では、当初「10歳」として報告されたものの、その後の調査の結果、「15歳」であったことが判明したもの。資料1-2-1においては、集計の時点の関係上、「10歳」として処理している。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000884778.pdf

15歳と判明したなら、資料1-2-3-1も修正しておいてほしいですが、「連絡可能な医師からファイザーの同僚に連絡した自発報告」という部分も気になります。通常は、「連絡可能な医師より入手した自発報告である」などと書かれていて、「ファイザーの同僚に」とわざわざ書いてあるのは珍しいです。

接種間隔が不適切

3例目は心筋炎疑いですが、症状名のところに「不適切な製品適用計画」とも書かれていて、よく見ると1回目と2回目の接種間隔が短いです。ファイザー社製ワクチンの2回目接種は、1回目から3週間後となっています。接種間隔が短い事例は、この事例の他にもいくつかありました。

事例:16398 18歳男性 コミナティ筋注2回目接種 ロット番号:FK0108
患者の関連する病歴及び併用薬は、報告されなかった。

2021/10/26、コミナティ(ロット番号:FD0348)1回目接種。
2021/11/06、BNT162b2(コミナティ)2回目接種。
2021/11/07(2 回目ワクチン接種 1 日後)、発熱、全身倦怠感、関節痛、胸痛を発現した。事象の転帰は、心膜炎(疑い)、心筋炎(疑い)を含む治療では提供されなかった。(報告の通り)。
報告者は、事象の結果が 6 日間の入院に至ると述べた。

これ以上の再調査は不要である。これ以上の追加情報は期待できない。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000884905.pdf

10月26日に初回接種なら、通常だと2回目は11月16日の予定なので、16と6を間違えたということなのでしょうか。予約時にスタッフが間違えたのか、本人が間違えたのかわかりませんが、接種する前に確認すれば間違えに気づくはずです。なぜこのような間違いが、なくならないのでしょうか。


今後予想される「不適切な投与」

5歳から11歳への投与が開始されれば、12歳以上用との取り違いなど、ミスの可能性がさらに増えます。

https://www.fda.gov/media/153714/download

5歳から11歳用は、オレンジキャップのバイアルです。接種する量も違いますが、添加剤も違っています。

コミナティ筋注 添付文書
コミナティ筋注5歳~11歳用 添付文書

FDA(アメリカ食品医薬品局)のファクトシートによると、冷蔵保管しやすくするためだと書かれています。

HAS THE VACCINE BEEN USED BEFORE?
Millions of individuals 12 years of age and older have received the Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine under EUA since December 11, 2020. In a clinical trial,approximately 3,100 individuals 5 through 11 years of age have received at least 1 dose of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine. In other clinical trials, approximately 23,000 individuals 12 years of age and older have received at least 1 dose of the vaccine.

The vaccine that is authorized for use in children 5 through 11 years of age includes the same mRNA and lipids but different inactive ingredients compared to the vaccine that has been used under EUA in individuals 12 years of age and older and that has been studied in clinical trials.
The use of the different inactive ingredients helps stabilize the vaccine under refrigerated temperatures and the formulation can be readily prepared to deliver appropriate doses to the 5 through 11 year-old population.


(異なる不活性成分を使用することで、冷蔵下で安定化し、5歳から11歳への適切な供給を容易にすることができます。)

https://www.fda.gov/media/153717/download

この部分については、以前の記事で詳しく取り上げました(下記参照)。5歳から11歳用は、12歳以上用として臨床試験が行われたものとmRNAと脂質は同じですが、不活性成分(添加剤)が異なると書かれています。添加剤によってアレルギーなども違ってくると思うのですが、同じものとして扱っていることに疑問を感じます。

いつの間にか有効期限が延長

最近、Twitterで「有効期限の切れたワクチンを接種された」というツイートを見かけますが、ファイザー社製もモデルナ社製も、有効期限が延長されたから差しつかえないと説明されるようです。

厚労省のサイトにも、説明がありました。

(1) ファイザー社ワクチン(12歳以上用)について
 ファイザー社ワクチン(12歳以上用)は、令和3年(2021年)9月10日に、-90℃~-60℃で保存する場合の有効期間が「6か月」から「9か月」に延長されました。
 一方で、有効期限が令和4年(2022年)2月28日以前となっているワクチンは、有効期間が6か月という前提で有効期限が印字されています。
 このようなワクチンについては、有効期間が9か月まであるワクチンとして取り扱って差しつかえないこととしています。

(2) 武田/モデルナ社ワクチンについて
 武田/モデルナ社ワクチンは、-15℃~-25℃で保存する場合の有効期間が、 令和3年(2021年)7月16日には「6か月」から「7か月」に延長され、同年11月12日には「7か月」から「9か月」に延長されました。
(以下略)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

期限切れラベルのバイアルを接種された人の中には、本当に大丈夫か不安に思う人もいるのではないでしょうか。

重大な副反応(心筋炎)の追記があったり、添加剤の変更や有効期限の延長など、いろいろなことが変わってきています。接種する前は書かれていなかった新たな副反応が、接種後に追記される可能性もあるのです。接種前にわかっていたら、接種しなかったという人もいるでしょう。このような商品に対して疑問を持ち、接種に対して慎重になることは、恥ずかしいことではないと思います。

以前の記事(下記参照)で紹介したアンケートに、子どもが接種したい理由として、「(接種しないと)恥ずかしいから」という回答がありました。

もし子どもがそう感じているなら、それは周りの大人がそう思っているからではないでしょうか。