調べていないこともデマだと否定!? NHKニュースをさらに検証!
3回にわたって、NHKのコロナワクチン関連ニュースを掘り起こしました。段々と慎重派の発言を取り上げなくなり、「安全」「有効」「社会のため」というポジティブキャンペーンが始まります。そして、必死にデマを否定する記事を書き、それらはまるで記事広告のようです。今回は、記事で否定されていたデマ事例について、審査報告書などを掘り起こしました。
コロナワクチンのmRNAはいつ分解されるのか?
前回までの記事は下記になります。
今回は、前回の記事をまとめていて気になった、デマの事例について検証します。
下記の記事で自称「運び屋」元ワクチン担当大臣は、「明らかに誤った情報に対してはしっかりと否定し、正しい情報を発信していくことが重要だ」と言っていました。
ワクチン接種 不安あおる誤情報やデマ どう対処する?
2021年7月15日 20時19分
新型コロナウイルスのワクチン接種が進む一方、ワクチンを打つことに不安感や疑問を持つ人も少なくありません。
SNSを中心に、根拠のない情報やデマが見られ、拡散されています。こうした誤った情報に対処するにはどうしたらいいのか。
15日、対策について考えるシンポジウムがオンラインで開かれました。
大手インターネット事業者が、誤った情報を否定し、科学的根拠のある情報を提供するために行っている対策などを紹介しました。
(中略)
“デマ”の事例
新型コロナウイルスのワクチン接種が進められる中、インターネットを中心に根拠のない誤った情報やデマが見られています。
〈デマ1 “ワクチンで不妊”〉
多く出回っているのが「ワクチンを接種すると不妊になる」といった誤った情報です。
ワクチンで作られた抗体が胎盤に悪影響を与えるとするものですが、新型コロナのワクチンに詳しい専門家は、抗体は胎盤に関わるたんぱく質を攻撃しないことが分かっていて、誤った情報だとしています。
また、ワクチンについて担当している河野規制改革担当大臣も今回のワクチンで不妊が起きるという科学的根拠は全くないと強調しています。
〈デマ2 “ワクチンで流産”〉
「妊娠中にワクチンを打つと流産する」といった誤った情報も出ています。
これについて厚生労働省は新型コロナのワクチンに関する情報をまとめたウェブサイトで「接種を受けた方に流産は増えていません」と示しています。
アメリカのCDC=疾病対策センターのグループの研究結果では、ワクチン接種を受けた3万5000人余りの妊婦について流産や死産になった割合や生まれた赤ちゃんが早産や低体重だった割合は、新型コロナウイルスが感染拡大する以前の出産で報告されていた割合と差がありませんでした。
〈デマ3 “遺伝情報書き換え”〉
「ワクチンを打つと体内に長期間成分が残り、遺伝情報が書き換えられる」という誤った情報もあります。
現在、日本国内で接種が行われているファイザーとモデルナのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンについて、厚生労働省はウェブサイトで「注射するmRNAは短期間で分解され人の遺伝情報に組み込まれるものではない」として、遺伝情報が書き換えられるという情報を否定しています。
(以下略)
デマの事例として、「ワクチンを打つと体内に長期間成分が残り、遺伝情報が書き換えられる」という誤った情報もあると書かれています。
NHKは2020年9月の記事では、下記のように書いていました。
現在、開発が進んでいる新型コロナウイルスのワクチンの多くは、人工的に合成したウイルスの一部の遺伝子を使って免疫の反応を引き起こす「遺伝子ワクチン」と呼ばれるタイプで、これまで世界のどこでも使用されたことがなく、多くの人に接種するとどのような副反応が起きるか予期できないと指摘されています。
こうしたワクチンを十分な審査を経ずに、そのまま国内で使用すると、生活習慣や遺伝的な背景の違いなどから予期しない影響が出るおそれもあるため、多くの専門家は慎重な対応を求めています。
「これまで世界のどこでも使用されたことがなく、多くの人に接種するとどのような副反応が起きるか予期できない」と書いていたのに、2021年7月の記事では、体内に長期間成分が残ることや、遺伝情報が書き換えられることは、デマだと断定しているのです。
では、記事に書かれている厚労省のサイトを見てみましょう。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンで注射するmRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます。また、mRNAは、人の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではありません。身体の中で、人の遺伝情報(DNA)からmRNAがつくられる仕組みがありますが、情報の流れは一方通行で、逆にmRNAからはDNAはつくられません。こうしたことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。
このような一般的な科学的な知見だけでなく、薬事承認にあたっては、動物試験や臨床試験の結果に基づいて安全性を評価し、審査を行っていきます。
「取り込まれることはありません」ではなく、「ないと考えられています」というのが逃げ道を用意している感じです。
NHKの記事から「たらい回し」状態ですが、今度は、薬事承認の報告書(ファイザー社製)を見てみましょう。
2021年02月14日 審査報告書
4.R.1 本剤の非臨床薬物動態について
機構は、本剤を用いた非臨床薬物動態試験は実施されていないことから、本剤の薬物動態について申請者に説明を求め、申請者は以下のように説明した。
本剤は mRNA である本薬を LNP に封入した製剤である。通常、mRNA は生体内に投与されると、生体内の核酸と同様に速やかに代謝されるが、LNP に封入することで mRNA が代謝されることなく宿主細胞内に取り込まれ、細胞質内でタンパク質を発現することが可能となる。そのため LNP に封入したmRNA 製剤の体内動態は、封入されている mRNA による影響を受けることなく、LNP に依存すると考えられる。
ルシフェラーゼ遺伝子発現 mRNA-LNP を筋肉内投与したときの生体内分布を評価した試験の結果から(4.2 参照)、本剤を筋肉内投与した場合、本剤は主に投与部位に分布し、一部は全身(主に肝臓)へ
一時的に分布し、それぞれでタンパク質を発現するが、いずれの部位でも時間の経過とともに本剤及び発現したタンパク質は消失すると推察された。
機構は、申請者の説明を了承し、提出された非臨床薬物動態試験成績から、本剤の薬物動態特性について一定の把握は可能と判断した。
このワクチンでの非臨床薬物動態試験は行っていないとのこと。どうやら、飲み薬などと違い、ワクチンの場合は行わなくても審査は通るようです。そうだとしても、まったく新しい技術のワクチンを初めてヒトに接種するのに、この試験を行っていないことに驚きました。
しかも、「いずれの部位でも時間の経過とともに本剤及び発現したタンパク質は消失すると推察された」とあり、「推察」で説明を了承しています。ユルすぎてビックリです。
下記の申請資料概要にも、「あらためてこれらの成分の代謝および排泄を評価する必要はないと考えられた」と書かれています。
申請資料概要 (非臨床試験の概括評価 3. 薬物動態試験)
感染症予防を目的としたワクチンの開発では全身曝露量の評価を必要としないことを踏まえBNT162b2 封入 LNP の筋肉内投与による PK 試験は実施しなかった。また,本剤に含有される他の 2 種類の脂質(コレステロールおよび DSPC)は天然に存在する脂質であり,内在性脂質と同
様に代謝,排泄されると考えられる。加えて,BNT162b2 は取り込んだ細胞中のリボヌクレアーゼにより分解されて核酸代謝され,BNT162b2 由来の S タンパク質はタンパク分解を受けると予想される。以上のことから,あらためてこれらの成分の代謝および排泄を評価する必要はないと考えられた。
「考えられる」とか「予想される」という程度でなのに、「必要ない」なんてどうして言えるのでしょうか。新しいタイプのワクチンとしては、とても重要なことだと思うのですが・・・。
通常、mRNA が生体内に投与されると速やかに代謝されてしまうので、LNP(脂質ナノ粒子) に封入することで mRNA が代謝されることなく宿主細胞内に取り込まれ、細胞質内でタンパク質を発現することが可能となった、とのこと。報告書には、ワクチンそのものではなく、mRNA-LNP の生体内分布を評価した試験の結果が書かれています。
4.2 分布
4.2.1 ルシフェラーゼ遺伝子発現 mRNA-LNP の生体内分布(CTD 4.2.2.3.1)
マウス(雌 3 例/群)にルシフェラーゼ遺伝子発現 mRNA-LNP が RNA 量として 2 μg 単回筋肉内投与され、in vivo イメージングシステムを利用して投与 9 日後までの生物発光が測定された。
最初の測定ポイントである投与 6 時間後の投与部位及び肝臓領域の発光シグナルはそれぞれ約 1.0×109 及び約 5.0×107 p/s であり、その後は経時的に減少した。発光シグナルは肝臓領域では投与 48 時間後には検出されず、投与部位では投与 9 日後に対照群(リン酸緩衝生理食塩液投与群)で検出されたバックグラウンド値付近まで低下した。
4.2.2 3H 標識ルシフェラーゼ遺伝子発現 mRNA-LNP の分布(CTD 4.2.2.3.2)
ラット(雌雄各 3 例/群)にルシフェラーゼ遺伝子発現 mRNA-3H 標識 LNP が RNA 量として 50 μg単回筋肉内投与され、投与 48 時間後までの放射能の組織分布が検討された。投与部位の放射能濃度は、投与 1 時間後に最高値(394 μg lipid eq ./g)を示した後、経時的に減少し、投与 48 時間後では 165 μg lipideq./g であった。投与部位以外で放射能が認められた主な組織は、肝臓、脾臓、副腎及び卵巣であり、投与 8~48 時間後に最高値(それぞれ 26、23、18 及び 12 μg lipid eq./g)を示した。
ラットの試験では、投与部位以外に肝臓、脾臓、副腎及び卵巣でmRNA-LNPの分布があり、投与 8~48 時間後に最高値を示した、とのこと。
48時間後に最高値を示した、というところまで書かれていますが、その後いつまであったのか書かれていません。これでは、本当に短期間で分解されるのかわかりませんし、ラットと人間が同じとは限らないと思います。さらに肝臓については、気になる影響がありました。
5.R.1 肝臓への影響について
機構は、ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中 GGT の増加及び肝細胞の空胞化について、本剤接種によるヒトでの安全性を説明するよう求め、申請者は以下のように説明した。
ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中 GGT の増加及び肝細胞の空胞化の発現機序は不明である。しかしながら、肝細胞の空胞化については、形態学的に脂肪滴に類似し、門脈域の肝細胞に局在すること、本剤に含まれる LNP を用いたラットにおける非臨床薬物動態試験で、脂質の肝臓への分布が確認されていることから(4.1 及び 4.2 参照)、脂質が肝細胞に取り込まれたことにより生じたものと推察される。血中 GGT の増加及び肝細胞の空胞化は、いずれも軽度かつ回復性が認められたこと、本剤投与により肝臓及び胆道系への傷害を示唆する病理組織学的所見及び臨床検査値(血中 ALT、AST、アルカリホスファターゼ及び総ビリルビン)の変化も認められないことから、いずれも毒性学的意義が低い所見と考える。
本剤接種によるヒトでの安全性について、海外 C4591001 試験の第II/III相パート(7.2.2 参照)における肝胆道系の有害事象の発現割合は表 8 のとおりであった。また、国内 C4591005 試験(7.1 参照)において、肝胆道系障害に関する有害事象はデータカットオフ日(2021 年 1 月 5 日)時点で報告されていない。
以上を踏まえると、本剤接種によるヒトでの肝毒性に関するリスクは低いと考える。
血中 GGT や肝細胞の空洞化が見られ、発現機序が不明だが「脂質が肝細胞に取り込まれたことにより生じたものと推察される」と説明しています。発現機序が不明もコワイですし、また「推察」なのもコワイですが、脂質というのは先ほどの4.1と4.2でのLNPを指しているようです。短期間で分解されるから心配ないと言っていますが、ラットでは影響があったということです。それなのに、「本剤接種によるヒトでの肝毒性に関するリスクは低いと考える」と結論づけています。
このようなリスクが見つかったら、徹底的に調べるのが製薬会社の責任であり、調べるように言うのが審査だと思っていました。
そして実際に接種が始まると、肝機能障害などの健康被害がでています。救済制度でもすでに何人か認定されました。
不妊や流産もデマと言い切れるのか?
こうなってくると、デマ1、デマ2にあった不妊や流産の可能性も、本当にないと言えるのでしょうか。先ほどの試験では、微量であってもLNPが卵巣にも分布しているのです。
こちらも厚労省のサイトを確認してみましょう。
新型コロナワクチンも含め、これまでに日本で使用されたどのワクチンも、不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません(※1、※2、※3)。排卵と妊娠は、脳や卵巣で作られるホルモンによってコントロールされていますが、新型コロナワクチンには、排卵や妊娠に直接作用するホルモンは含まれていません(※4、※5)。また、卵巣や子宮に影響を与えることが知られている化学物質も含まれていません。動物実験においても、ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチン共に、接種したラットが問題なく妊娠・出産したことが確認されており、生まれた仔にも異常は無かったことが報告されています(※4、※5、※6)。
米国でワクチン接種後に妊娠した827人の女性の経過を調べた研究では、ワクチンを接種した人の流産率が自然に発生する流産率を上回ることはなく、ワクチンが妊娠に与える好ましくない影響は確認されませんでした(※2)。また、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンの臨床試験では、ワクチン接種後に妊娠した人がいることも報告されており(ファイザー社:ワクチン接種群12人、プラセボ接種群11人、モデルナ社:ワクチン接種群6人、プラセボ接種群で7人)、ワクチン接種により妊娠しにくくなるという根拠は確認されていません(※4、※5)。
新型コロナワクチンの成分が大量に卵巣に蓄積したという情報がSNSで流れていますが、これは正確ではありません。ファイザー社が報告した動物実験結果において、ワクチンの有効成分であるmRNAを封入している「脂質ナノ粒子」の成分が卵巣にも分布したことが示されていますが、分布した量は投与部位が最も多く、卵巣に特に多く集積したわけではありません。投与後48時間までにおいて、卵巣で検出された「脂質ナノ粒子」の成分は総投与量の0.1%未満です。(※7、※9)。
また、新型コロナワクチンは精巣に影響を与える成分も含まれていません。モデルナ社が報告した動物実験結果では、投与したmRNAが精巣にもわずかに分布することが示されていますが、ファイザー社のワクチンと同様、分布した量は投与部位が最も多く、精巣への分布量は血漿中への分布量と比較しても低く、24~72時間以内には検出下限未満となっています(※8、※10)。男性においても、現時点において、ワクチン接種が不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません。
「現時点において、ワクチン接種が不妊の原因になるという科学的な根拠は報告されていません」と書かれていますが、この現時点というのがいつなのか明記されていません。他の項目もそうですが、現時点というのがいつなのかは、非常に重要だと思いますが書かれていないのです。
2021年9月8日に書いた記事(下記参照)でも前半部分を引用したのですが、そのときと変わっていないようです。12人とか6人とかで、「根拠は確認されない」と言い切るデータとして使っていることに驚きましたが、今もそのままです。そうなると、全く情報をアップデートしていないということになります。
「科学的な根拠が報告されていない」ということは、「可能性がない」と断言できるということではないでしょう。
「分布した量は投与部位が最も多く、卵巣に特に多く集積したわけではありません。投与後48時間までにおいて・・・」とあるのは、先ほどの試験のことだと思いますが、48時間以降にどうなったかは書かれていないのです。
微量でも長期にわたれば、影響があるかもしれませんし、ヒトで調べていない以上、不安は払拭できません。実際、不正出血や過多月経の報告などは多数出ています。
追記:
その後厚労省は、月経への影響に関するこっそりQ&Aを書き換えていました。
ところで、ヒトの体内にワクチンによるmRNAが残っているかどうかは、どうやって調べるのでしょうか? 接種した人の肝臓や卵巣にmRNAが残っているかいないか、どうしたら確認できるのでしょうか?
NHKの記事や厚労省のQ&Aには、その方法が書かれていません。デマだと否定する医師のブログなどでも、理論が書かれているだけで、どうやって調べるか書かれているものを見つけることはできませんでした。
これまで接種した人たちの中で、調べた人はいるのでしょうか?
