1on1をしない上司、形だけの上司はなぜ変わらないのか ── 部下の評価も、部下の状態も、上司の評価に届かない
「1on1をしてくれない」「1on1はあるが、業務報告で終わる」。上司に対してこう感じたとき、次に浮かぶのは「自分から働きかけないと何も変わらないのか、これは本当に自分がやるべきことなのか」という疑問だ。この記事の結論を先に書く。上司が変わらないのは、部下が我慢強くないからでも、上司の性格の問題でもない。部下からの評価が上司に届かない。部下がどんな状態かも、上司の評価には反映されない。この2つが同時に切れていると、誰も直そうとする理由を持たなくなる。以下、そう言える根拠をデータで追っていく。
データは2026年8月時点で確認できた公開情報に基づく。出典ごとの発行時点は文中に明記した。一部の数字は、人事系サービス会社のブログを経由して引いている。その箇所は本文中で断っている。
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第1章:なぜ上司は部下と面談する必要があるのか
エンゲージメントの7割はマネージャーで決まる
まず、なぜ上司が部下と面談する必要があるのか。「部下のため」という話に見えるが、それだけではない。
ギャラップ社の調査によれば、従業員エンゲージメント(仕事への熱意や、会社への関わりの強さ)の7割は、マネージャー次第だという。
出典:
「従業員エンゲージメントの『7割はマネジャー次第』、ギャラップ社トップ研究員の結論」(Forbes JAPAN、2026年4月)
https://forbesjapan.com/articles/detail/96188
そしてこのエンゲージメントは、会社の業績に直接効いてくる。ギャラップの2024年メタ分析では、エンゲージメントが高い上位25%の企業は、下位25%の企業と比べて収益性・生産性ともに高いという結果が出ている。
出典:
「エンゲージメントと業績の関係をデータで解説」(ミキワメラボ、Gallup 2024 Q12 Meta-Analysisをもとに作成)
https://mikiwame.com/lab/entry/engagement-performance-relationships/
※この数字は、ギャラップの元の資料ではなく、人事系サービス会社のブログを経由して引いている。
つまり、上司が部下を理解しようとすることは、部下への親切ではなく、上司自身の組織の成果に効く。だとすれば、上司には放置しない動機があるはずだ。
ところが実際には、そうなっていない。
第2章:上司との面談で実際に起きている2つの問題
放置する上司に当たったとき、まず対処法を探そうとする。質問の仕方を変える、他の情報源を探す、資料を自分で作る。こうした工夫は一時的に仕事を回すが、根本の疑問には答えない。1on1をする、方針を説明する、というのは本来、上司の役割に含まれる仕事のはずだ。それなのに、なぜ部下の側が動かないと何も進まないのか。
データを見ると、この状態には2つの別々の問題が並んでいる。
問題1:そもそも面談が実施されていない
面談には、性質の違う2種類がある。評価を決めるための面談と、部下の成長を支える1on1だ。どちらについても、行われていない人が一定数いる。
まず評価のための面談から。2025年4月に発表された調査では、人事評価の際に部下との面談を「実施していない」管理職が35%で最多だった。
出典:
「マネジメント層の職場づくり実態調査」人事評価の際、部下との面談を"実施しない"管理職が最多で35%(HRプロ、2025年4月・シーベース調べ)
https://www.hrpro.co.jp/press_detail.php?ccd=00310&press_no=12
成長を支えるための1on1も、状況は似ている。パーソル総合研究所が2024年6月に実施し、2025年2月に発表した調査(正社員3,000名対象、従業員50名未満の企業は除外)では、1on1を直近半年で経験した部下は55.7%にとどまり、過去には行っていたが直近半年は経験していない部下が26.9%、一度も経験したことがない部下が17.5%だった。合わせると4割強の部下が、今は1on1を受けていない。
問題2:1on1をしていても、理解されたと感じていない
同じ調査で、1on1を経験している部下の29.7%、およそ3人に1人が「効果が感じられない」と回答している。
出典:
「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」(パーソル総合研究所、2024年6月実施・2025年2月発表)のうち、「1on1ミーティングの実態と課題」の集計より、実施率と困りごとの回答
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
日本経済新聞も同じ調査を取り上げ、部下の経験率は6割弱に達した一方、上司・部下ともに面談の効果が「感じられない」が3割近くに上ったと報じている。
出典:
「『1on1』に普及の壁、上司・部下とも効果『感じられず』3割近く」(日本経済新聞、2025年5月)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC24AQZ0U5A420C2000000/
※「効果が感じられない」という答えには、理解されていないこと以外の理由も混ざっている。同じ調査では「面談について学ぶ仕組みがない」「上司が多忙で、面談のスケジュール設定が難しい」も部下の困りごととして挙がっている。
2つの問題の底にあるもの
実施されないことも問題だし、実施されても形式的にこなされることも問題だ。この2つは原因が違う。だが部下から見れば、行き着く先は同じだ。自分は理解されていない、という点で変わらない。
同じ調査では、部下の成長にプラスの影響を与えていた上司の姿勢として、「本音を話してくれる」「部下に配慮して励ましの言葉をくれる」「自分でも気がつかない、新たな視点をくれる」の3つが挙がっている。どれも制度があるかないかではなく、上司が部下に向き合っているかどうかの話だ。2つの問題の底にあるのは、「上司が部下を理解しようとしているか」という一点になる。1on1は、そのための手段の一つにすぎない。
ここで厄介なことが起きる。上司が理解しようとしているかどうかは、部下には分かる。だが、部下には変えられない。では、これは誰が引き受ける問題なのか。以前、アドラー心理学の「課題の分離」という考え方で、この「誰の課題か」という問いを扱ったことがある。今回は同じ問いに、制度の側から入っていく。
第3章:部下の評価は、上司にどれくらい届いているのか
部下からの評価が上司の評価に届く仕組みは、実際にどれくらいあるのか。
360度評価の導入率は、数字が安定しない
部下や同僚からの評価を人事評価に組み込む仕組みとして、360度評価がある。その導入率は、同じ会社(シーベース社)の発表でも、2024年10月時点で61.4%、2025年10月時点で「企業の4割強」と、1年で大きく動いている。数字そのものが安定していない。
出典:
「企業の6割が360度評価を導入」(HRzine、2024年10月・シーベース調べ)より、2024年時点の導入率61.4%
https://hrzine.jp/article/detail/6111
「データでわかる!360度フィードバック導入・活用状況」2025年調査結果(HRプロ、2025年10月・シーベース調べ)より、2025年時点の導入率「4割強」
https://www.hrpro.co.jp/press_detail.php?ccd=00310&press_no=13
さらに、管理職の評価項目には、部下の育成やチーム運営も入っているのが普通だ。だから「部下からの評価が届かないなら、上司の評価はまったく動かない」というほど単純でもない。
出典:
「人事評価の項目とは」(E-coms)
https://www.e-coms.co.jp/column/personnel_evaluation_item
ここで言えるのは、部下自身の評価が上司の評価にそのまま反映される仕組みは、多くの会社にない、というところまでだ。
※この導入率の数字は、そのまま受け取れない事情がいくつかある。調べたシーベース社が360度評価を売っている会社であること。回答した社員が、すでに360度評価を入れている会社の人に絞られていること。「導入している」の中身に、育成目的の実施と、評価に反映する実施が混ざっていること。
360度評価は、入れ方で効かなくなる
入れれば部下の評価が届くようになる、というものでもない。人事コンサルティング会社が公開している設計の解説では、共通した注意点が挙がっている。
評価する人は5〜10名程度にする。少なすぎると誰が書いたか分かってしまい、本音が出ない
誰に評価してもらうかは、本人や上司ではなく人事が決める
昇給や昇格に反映するかどうかを先に決めて、全員に伝える。処遇に直結させる場合は、匿名性の守り方をより厳しく設計する
結果を本人に返すところまでを含めて設計する。返さなければ、集めただけで終わる
出典:
「360度評価(多面評価)とは? 活用メリットとデメリットを解説」(リクルートマネジメントソリューションズ)より、評価者の選び方と匿名性についての記述
https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000046/
「360度評価(多面評価)- 副作用に留意した設計と運用」(クレイア・コンサルティング)より、評価者の人数、処遇への反映、結果の返し方についての記述
https://www.creia.jp/solution/survey-assessment/360-degree-feedback/
※これは調査データではなく、制度の設計を請け負っている会社が公開している解説だ。効果を測ったものではない。
裏を返せば、これだけの手間がかかるということでもある。評価する人を選び、集め、集計し、本人に返す。上司ひとりで用意できるものではない。
仕組みを変えた会社もある
一方で、この状態は変えられないものではない。たとえばKDDIは「KDDI版ジョブ型人事制度」において、人事評価の能力評価に360度評価をもとにしたコアスキル評価を組み込んでいる(同社公式発表、2024年12月時点の記載)。
出典:
「30の専門領域ごとのプロ人財を全社公開」(KDDI News Room、2024年12月)
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-362_3632.html
つまり、この仕組みを作るかどうかは会社が選べる。選んでいない会社では、部下が動かない限り何も変わらない状態が残り続ける。
※人事制度は変わるので、これは記事に書いた時点の情報だ。
第4章:部下が理解されなくても、誰も困らない
測れるのは「やったかどうか」だけ
1on1を実施したかどうかは、記録に残る。実施率という数字にもなる。だが、その1on1で上司が部下を本当に理解しようとしたかどうかは、記録にも数字にも残らない。測れるのは、やったかどうかだけだ。
やっていない上司の場合、実施率という数字には表れる。それでも変わらないのは、その数字が上司自身の評価に響かないからだ。形だけやっている上司の場合は、そもそも数字に表れない。実施率の上では「やっている」に入るからだ。中身が伴っていないと分かるのは、その場にいた部下だけ。そして、部下自身の評価が上司の評価にそのまま反映される仕組みは、多くの会社にない。
制度を入れれば、やる形は作れる。だが、理解までは作れない。1on1を入れた会社で「効果を感じない」が3割出るのは、制度が失敗しているというより、制度に測れる範囲の限界があるからだ。
成果が落ちれば上司も困るはずだが、そうなっていない
ただし、ここまでの説明だけでは足りない。エンゲージメントの7割がマネージャー次第で、それが収益性や生産性に効くのなら、部下からの評価が届かなくても、成果が落ちれば上司自身が困る。困れば直そうとするはずだ。
そうなっていない。ギャラップ社の2026年報告によれば、日本で仕事に熱意を持って取り組んでいる従業員の割合は8%で、東アジアの地域平均18%、世界平均20%を下回っている。この8%は、2023年から2025年までの3年間を平均した数字だ。同社が公開している推移表では、2012年以降、この割合は5%から8%の間に収まっている。直近は2022年の5%から3年続けて上がってはいるが、上げ幅は年に1ポイントで、東アジア平均との10ポイントの差は埋まっていない。
出典:
「State of the Global Workplace: Japan Country-Level Data」(Gallup、2026年4月公表、2023〜2025年の3年平均)
https://www.gallup.com/workplace/705794/state-global-workplace-japan-country-level-data.aspx
エンゲージメントが組織の成果に効くのなら、この水準は放置できないはずだ。10年以上にわたって1桁台にとどまり、地域平均の半分以下のままなのは、「部下がどう感じているか」が上司の評価にも、経営の判断にも届いていないことが、一因かもしれない。
※ただし、同じ結果は別の理由でも起こりうる。管理職がやり方を学ぶ機会を持てていない、経営層がエンゲージメントと業績のつながりを知らない、目標が短期の数字に偏っている。どれでも数字は上がらない。何が主な原因かは、この記事の材料では決められない。
つながりが、2か所で切れている
情報の流れが、2か所で切れている。
部下 → 上司:部下は上司の中身が分かるが、それを上司の評価に届ける手段がない
部下の状態 → 上司の評価:部下がどう感じているかは、上司自身の評価につながっていない
だから、部下だけが困る。上司は困らない。会社も、困っていることに気づかない。誰も、直そうとする理由を持たない。
上司が変わらないのは、変わらないことを選んでいるからではない。変わる理由が、制度の中にないからだ。
ここで言っているのは、上司に直す力がないという話ではない。直す力があっても、直したかどうかが評価に出ないなら、直す理由は生まれない。部下の側からは、この2つは同じに見える。上司が分かろうとしない、という結果は変わらないからだ。ただ、直せないのか、直す理由がないのかで、打つ手は変わる。
ただし、逆は言えない。制度を入れれば良くなる、という話ではない。1on1を入れた会社でも、部下のおよそ3人に1人は効果を感じていない。測れるのは形だけ、という限界は360度評価を入れても残る。制度は変わる理由を作る条件の一つだが、それだけで中身までは作れない。
第5章:部下ができること、上司ができること
部下の立場で、確かめられること
「自分から言わないといけないのか」というもやもやは、性格や我慢の問題として自分の中で抱え込む前に、仕組みの問題として一度置いてみるといい。確かめられることが2つある。
自分の会社に、部下からの評価が上司の評価に届く仕組みはあるか
部下の状態が、上司自身の評価につながっているか
どちらもなければ、上司が変わらない理由は自分の側にはない。そう切り分けられる。
選択肢1:社内で、状況を見える形にしておく
部下に上司を評価する権限はない。だが、状況を見える形にしておくことはできる。大事なのは、その残し方だ。
口頭ではなく、文字で残す。メールやチャット、日報など、後から参照できる場所に置く
感情ではなく、事実で書く。「放置されてつらい」ではなく、「この判断について確認を依頼したが、回答を得られていない」と書く
日付を入れる。いつ何を依頼し、いつまでに返答がなかったのかが分かる形にする
上司を責める書き方ではなく、仕事の進み具合として書く。「情報が揃わないため、この部分の判断を止めている」という書き方なら、批判ではなく事実の共有になる
こうして残した記録は、上司のさらに上の人や人事の目に入ったときに、初めて効いてくる。上司を変えさせる力は、部下にはない。だが、決める力を持つ誰かの目に触れるところへ置いておくことはできる。
ただし、これで問題が直接片づくわけではない。上司のさらに上の人や人事が動くかどうかは、その人たち次第だ。誰かに情報を届けて、そこから何かが動くのを待つ形になる。しかも、この情報が上司本人に伝わると、関係が悪くなることもある。誰にいつ届けるかは、そこも踏まえて選ぶ必要がある。
選択肢2:環境そのものを選び直す
部下からの評価が上司に届く仕組みもなく、部下の状態が上司の評価にもつながっていない。そう分かったとする。ここまでの説明が正しければ、その会社の中でこの状況が自然に変わる見込みは薄い。異動や転職も含めて、環境そのものを選び直すという道がある。
どちらを選ぶかは、条件による
この2つに、正しいほうと間違ったほうがあるわけではない。
社内で記録を残す道は、時間がかかる。動くかどうかは他人次第だし、関係が悪くなることもある。環境を選び直す道は、状況を確実に変えられる。ただし、慣れた場所や積み上げたものを手放すことになるし、次の会社が同じ状態でない保証もない。仕事で得たいもの、今の職場に残っている理由、体力や時間の余裕によって、どちらが合うかは変わる。
切り分けておく意味は、この判断を自分を責めながらではなく、事実をもとに下せるようになることだ。我慢が足りないから居づらいのだ、と思っている間は、どちらを選んでも自分の失敗のように感じてしまう。制度がそうなっているだけだと分かれば、残るのも出ていくのも、条件を見比べたうえでの選択になる。
上司の立場で読んだ場合
ここまでは部下の立場で書いてきたが、同じ話は上司の側からも読める。
上司の側にとって効いてくるのは、部下がどう感じているかが上司の評価に表れない、という点だ。裏を返せば、評価が悪くないことは、自分のチームがうまくいっている証拠にならない。制度は、自分のチームの状態を教えてくれない。
既に見てきた事実を、上司の側から並べ直すとこうなる。
エンゲージメントの7割はマネージャー次第で、それは業績に効く。だが、そのつながりは自分の評価には表れない
実施率は上がっても、部下の3人に1人は効果を感じていない。やった記録は残るが、効いたかどうかは残らない
中身が分かるのは、その場にいた部下だけだ。評価に反映されないことと、見られていないことは別だ
ただ、状態を知る前にやることがある。1on1の基本を学ぶことだ。
何をすれば効くのかは、すでにデータで出ている。パーソル総合研究所の調査は、部下の成長度を10点満点で測り、やり方との関係を出している。
上司より部下のほうが多く話しているとき、部下の成長度は6.8点。逆のときは6.3点
その日のテーマを部下が決めているとき6.9点、上司が決めているとき6.4点
月2〜3回以上、1回30分以上1時間未満のときが最も高く7.4点。同じ頻度でも1回1時間以上になると6.0点まで下がる
出典:
「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」(パーソル総合研究所、2024年6月実施・2025年2月発表)のうち、「部下の成長につながる1on1」の集計より、話す割合・テーマ設定・実施頻度と部下の成長度の関係
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/1on1/
短く、こまめに、部下に話させる。テーマも部下に決めさせる。書き出せば、これだけだ。
ただし、自分の感覚は基準にできない。同じ調査で、上司の42.5%は「部下のほうが多く話している」と答えている。一方、部下で「自分のほうが多く話している」と答えたのは31.4%にとどまり、36.6%は「上司のほうが多く話している」と答えている。同じ時間を過ごしていて、どちらが話していたかが食い違う。できているつもりで、できていないことがある。
学ぶ仕組みが会社にない、という事情はある。同じ調査では「面談について学ぶ仕組みがない」が、上司の困りごとの1位に入っている。それでも、学ぶかどうかは上司の課題だ。会社が用意するのを待っている間、部下は理解されないままになる。そして部下の側からは、この課題は動かせない。
そのうえで、自分のやり方が部下にどう見えているかを知る手段がいる。制度が教えてくれない以上、自分で取りに行くしかない。打てる手は多くない。
1つは、部下からの評価を匿名で集めることだ。ただし上司が自分で配って自分で集める形にすると、答えは当たり障りのないものになりやすい。人事や別の部署に集約まで頼めるなら成立するが、頼めないならこの手は使えない。
もう1つは、面談の記録の残し方を変えることだ。自分が何を伝えたかではなく、相手が何と言ったかを、相手の言葉のまま残す。自分の解釈に置き換えて書いた記録は、後から読み返しても自分の見立てしか出てこない。
制度そのものを触れる立場なら、部下からの評価を上司の評価項目に入れるという手もある。KDDIがやっているのがこれにあたる。ただし、一人の上司が決められることではない。
どれも、制度が促してくれることではない。やるかどうかは、上司自身が選ぶことになる。
おわりに
1on1が行われない、あるいは形だけになる。その状態が続くのは、上司が怠けているからでも、部下の受け止め方が悪いからでもない。部下からの評価が上司に届かず、部下の状態も上司の評価に反映されない。この2か所が切れていると、誰も直そうとする理由を持たなくなる。
もちろん、この説明がすべての会社に当てはまるとは言えない。ほかの理由でも同じ結果は起こりうるし、この記事で集めたデータでは、どれが主な原因かまでは決められなかった。それでも、自分の会社にその2つの仕組みがあるかどうかは、確かめられる。確かめたうえで、記録を残して待つのか、環境を変えるのか。どちらを選ぶかは、その人の条件次第だ。
2026年8月
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