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卒入学コーデをAIに添削された話


卒業式と入学式の母の服装には、思っている以上に細かいルールがあるらしい。
そんな「保守的な姑」レベルのマナー教えてくれたのは、ママ友でも雑誌でもなく、AIだった。

式に着ていくのは、ずっと前に買ったいつものスーツ。
でも、せっかくの節目なので、ほんの少しだけ華やぎを添えたかった。




ブローチをAIに相談してみた

最初に考えたのはブローチ。
最近よく見かけるし、ちょっと流行っている気もする。
コサージュと違って、コートの中で潰れないのもいい。

探してみると、すぐに迷った。

一万円の現代もののセール品か、アンティークの「トリファリ」か。

値段はほぼ同じ。
でも決めきれない。

夫に聞いても
「どっちでもいいんじゃない?」
と言われるのは目に見えている。

そこで私は、AIに聞いた。

するとAIは、わりと迷いなく答えた。

トリファリがいいと思います
長く人気があり、流行に左右されず、一生使えるからです

なるほど。
そう断言されると、急に頼もしく思えてくる。

とはいえメルカリ産のアンティーク。
「届いたら写真と違うかも」と、少しだけ不安だった。

けれど届いたブローチは、想像以上に繊細で美しかった。

アクセサリーというより、小さな芸術品みたいだ。

レースに付けても似合うし、
麦わら帽子に付けても絵になる。

この時、私はAIを「センスのわかる頼れる相棒」だと信じ切っていた。
……あんなに厳しい「指導」が始まるとは知らずに。





スカーフの「宝塚問題」

次に挑んだのは、スカーフだった。

ただ、私はスカーフに苦手意識がある。

特にクラシカル柄。
男顔の私が巻くと、どういうわけか「宝塚の男役」が完成する。

(こちらの記事で紹介しています👇)


スカーフが得意なYouTuberを参考に、白のドット柄と黒のロゴ柄、二枚のスカーフを買ってみた。

白は入学式。
黒は卒業式。

そんなふうに使い分けたら良いのではないかと思い、いざAI診断。





AIの冷徹なジャッジ:入学式編

入学式のコーデは、初めは意外に好評だった。

白ジャケットにグレーのワイドパンツ。
そこにドットのスカーフを、パールネックレスに絡めるように巻いてみた。

華やかで素敵です

AIはそう言ってくれた。

問題はその後、

パンツが少しカジュアルなので、
ベージュやライトグレー、ホワイトのテーパードパンツの方が
フォーマルになります

とのこと。

最近はワイドパンツが流行っているし、
太めパンツなら今っぽいかなと思って選んだのだけれど、
そこはAIにはあまり響かなかったらしい。

どうやらAIは、とことん無難さをすすめてくる。
流行は、あまり追わないタイプのようだ。

何千人といる入学式会場で、親のファッションを見ている人などいない。
けれど、浮くのも嫌だ。

結局、私はビビって数年前の「黒のテーパードパンツ」をクローゼットから引っ張り出した。

ハンドバックも肩掛けは外して、手で持った方が良いとのこと。
手厳しいAI。
初めに上げといて、下げる。





辛口AIのファッションチェック:卒業式編

さらに厳しかったのが卒業式。

グレーのジャケットに黒のワイドパンツ。
黒のハンドバッグの持ち手に、ロゴ柄のスカーフを巻いてみた。

萌え袖もやめた方が良いって💦
少しの遊びも、AIには通じない。

これは少し自信があった。

ところがAIの評価は、

ロゴ柄は少しカジュアルなので、
巻いて行くのは問題ないが、会場では外した方が良いです

なるほど。
スカーフなら何でもいいわけではないらしい。

さらに、

バッグのジッパーに付いているフリンジキーホルダーも
外した方が良いと思います

とまで言われた。

それなら、と
クラシカル柄ならどうかと聞いてみた。

すると今度は、

柄はフォーマルだが華やかなので、
会場では外した方が良いです

とのこと。

どうやら卒業式というのは、
思っていたよりずっと抑えめの場らしい。

入学式のように、ある程度華やかでも良いのかと思っていたけれど、
どうやらその二つには、ちゃんと差があるようだ。

結局、当日は寒すぎてコートを脱ぐ余裕すらなく、あんなにAIと揉めたスカーフの出番はなかった。
コートの襟に、あのトリファリだけをそっと光らせて参列した。




AIに相談してわかったこと

最近のオケージョンは、
昔より少し自由になってきている気もする。

私立のママたちがネイビーを形や素材で遊んでいるのを見て、
「江戸小紋みたいで粋だな」と思うことがある。
従来日本人は、目立たないおしゃれを楽しむ民族だ。

我が家は公立高校だから、
本当はもう少し攻めても良かったかもと思わなくもない。

けれど、AIのリスク管理能力の高いアドバイスのおかげで、
「マナーを知らない人ね」という視線に怯えることはなかった。

ファッション誌だけでは掴みにくい、
ちょっとした暗黙のルール。

パワハラが撲滅されつつある優しい世界に、ピーコさんのような孤高の毒舌ファッション評論家は生まれにくい。
このままでは、日本のファッション界がぬるま湯に浸かってしまう。

そんな危機は、AIのおかげで食い止められるだろう。

きっとピーコさんも草葉の陰からホッとなさっている。
そんなふうに思った。



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