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カメラ沼、やめました。|Nikon Zfを1年使って気づいたこと

2026年4月。
Nikon Zfを購入してちょうど一年。
そのタイミングで、東京を離れ、地元に帰ってきた。

いつかは生まれ育った街に戻りたいと思っていた。
ただ、そのタイミングは思っていたより、ずっと早かった。

地元の海/Nikon Zf

これから、地元の企業のブランド戦略、メディア戦略に一年がかりで並走するプロジェクトが始まる。
かつて10代の頃に遊び場だったこの街が、ビジネスの舞台に変わるわけだ。

生まれ故郷とはいえ、新しい環境だ。
だから僕はまず、何もない部屋に身を置くことに決めた。

荷物が少ないから引っ越しは簡単

もし今、

  • 生活を整えたい

  • 思考をクリアにしたい

  • 一度リセットしたい

そんな感覚があるなら、この話は少し役に立つかもしれない。

動画解説はこちらから

思考のフレーム

何もない部屋は、まるで写真のフレームのようだと思う。
何を入れるか、何を入れないか、それを自由に決められる。

20代の頃、テレビディレクターとして、新しいアイデアを次々と生み出すことが正義だった時代、僕の部屋は自分の興味関心で埋め尽くされていた。

サーフボード、スノーボード、撮影機器、DIYしたバーカウンター、料亭風のトイレ…
もちろん、テレビも、冷蔵庫も、電子レンジもあった。
賑やかで、情報のノイズに溢れていた。

30代になって、企業のコンサルティングやブランド設計の仕事にシフトするにつれ、部屋はどんどん削ぎ落とされていった。
テレビを手放し、電子レンジを処分し、洗濯機をやめてコインランドリーを使い、シャワーすらジムで浴びるようになった。

2017年当時の部屋

クライアントにとっての「本当に必要なもの」を見つけようとするならば、自分自身もまた「本当に必要なもの」だけに囲まれていなければ、言葉に矛盾が生じる。そう思ったからだ。

部屋の散らかりは、思考の散らかり。
複雑な経営の問いに立ち向かうために、僕にはこの「空白」という名のインフラが必要だった。

便利の反対は、不便ではない

東京から持ってきた荷物は、驚くほど少ない。

大きな家電は洗濯機くらい。
あとは服を詰めたキャリーケースと、最低限の生活用品が入ったボストンバッグ。
仕事用のトートバッグと、カメラ機材のリュック。

2026年4月

これに、後から届く2つのダンボールと、新しく買うマットレスがあれば、僕が生きていくのに必要なすべて。
(今回の部屋には最初から冷蔵庫がついていた。それはそれで、ありがたく享受することにした)

実際のところ、まだ生活は少し不便だ。
けれど、嫌ではない。

改めて気づいた。
便利であることと、必要であることは、必ずしもイコールではないのだ。

例えば、冷蔵庫。
毎日料理をして、食材をストックしたい人には必需品だろう。
けれど僕にとっては「あれば便利」なだけで、必需品ではない。
食事は外で済ませるか、その場で食べ切る分だけ作ればいい。

一方で、洗濯機は「便利かつ必要」だ。
手洗いをする気にはなれない。

そして、一度手放しても、不便を感じたら、その時に「便利」を買い足せばいい。
今はそれができる時代だ。

大切なのは、自分が何によって「なんとかなっているか」を把握し、選択肢を自分の手に取り戻すことだと思う。

生活必需品のほぼ全て

見栄とプライドを削ぎ落とした先に

この部屋に過剰な物が必要ないように、いつしかカメラも買い足さなくなった。
理由はシンプルで、Zfを手にしたことで、もう、足す必要がなかったからだ。

カメラとコーヒーしかない部屋

以前の僕は、いわゆる“カメラ沼”の中にいた。

新しい機材。新しいレンズ。
より良い写り。
より良い体験。

気づけば、何かを足し続けていた。
でも今は違う。

気づけば、このカメラ、Nikon Zfを一年使い続けている。

そして、そんな必要最低限の暮らしの中で、Zf の他にもうひとつだけ、手元に残っているカメラがある。
それがフィルム・ライカである、M4-2だ。

僕のバースイヤーに生産されたこの個体だけは、すべてのデジタルLeicaを手放した後でも、手元に残り続けた。

 Leica M4-2

かつてはデジタルLeicaも愛用していた。

けれど、自分にとって「Leicaの何が好きか」という本質を突き詰めた時、行き着いたのは機材のスペックではなく「撮影体験」そのものだったようだ。

レンジファインダーを覗き、自分の手でピントを合わせる。
オートフォーカスも、手ぶれ補正も、連射機能もない。
効率ではなく、手触り。

それなら、フィルムカメラでいい。
いや、むしろ、フィルムカメラがいい。

スピードが支配するビジネスの世界に並走する僕が、最も手間のかかる不自由な道具を相棒に選ぶ。
それは、究極の「思考の純度」を保つための、僕なりの儀式のようなものかもしれない。

生活の再編集

生活は、足すことで整うんじゃない。
削ることで整うこともある。

何を持つかじゃなくて、何を残すかを決めること。

この部屋は、まだ何もない。
でもそれは、これから「何を残すか」を、ノイズのない状態で決められるということだ。

何もない部屋は、ただの空間じゃない。
思考を編集するための、フレームだ。

写真で、思考を編集する。

人生を、再編集しよう。

部屋から見た夕焼け・/Nikon Zf

使用機材

▶︎Nikon Zf

▶︎AstrHori 50mm F2

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Andy|Leicaに恋して。 いただいたチップで、コーヒー飲みながら次の記事を書かせていただいております✨