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幼稚園児は言った。オレさー塾に行きたいんだよね、その結末は?

息子が言った。
「オレさー、公文(クモン)に行きたいんだよねー」

父は思った。
「悪くないんじゃない。」

すると母が聞いた。
「幼稚園の誰が公文に行ってるの?」

「えーっと……みんな。」

「みんなじゃないよね。誰?」

「音ちゃん。」

「一人だけ?」

「うん。」

母は厳しい。
どうやら、周囲の多くが始めるまでは
塾系は行かせる気はないらしい。

しかし、
体操教室と水泳教室には通わせている。

現時点で
実益がはっきりしない
習い事に連れて行くのは
ごめんらしい。


そして一週間後。
家族で歩いていると、
息子が看板を指さした。
「おれさー、ここに行きたいんだよね。」

!!!

そこには、明光義塾の看板があった。

ほんとに、幼稚園児が行きたくなる場所なのか?

母が聞く。
「いったい何をしたいの?」

息子は真顔で答えた。
「オレ、字の勉強せんといかんのや。」


次の日。
母は買ってきた。

ダイソーの文字練習帳

!!!

塾ではなかった。

息子にとっては、
完全に藪蛇だったようだ。

こうして、毎日文字の練習が始まった。


一週間後。

水泳教室が終わり、
たくさんの友達のママがいる前で、
息子は得意そうに言った。

「オレさー、
帰ったら字の勉強せんといけんのや。」

「やっ、もう字の勉強しとるん?
すごいねー。」

ママたちに褒められて、
息子はニコニコだった。


さらに一週間後。

幼稚園のイベントがあった。

そこで息子は、女の子に手紙を渡していた。

ポストイットに
自分の名前と仲のいい女の子の名前だけを
書いた手紙。

父は思った。
「やるじゃん、こいつ。」

その後、
その子の家族とうちの家族で
話する機会があった。
そこで、私は女の子に聞いてみた。

「いつも二人は何して遊んでるの?」

「えー、一緒には遊ばないよ。」

「えっ?」

「XX君は警官ごっこばっかりしてる。」

「じゃあ、
YYちゃんはなにして遊んでるの?」

「プリンセスごっこ。」

「・・・・・・・」

そりゃ、噛み合わないかもしれない。


本当に勉強したかったのか。
友達が行くと言っていたからなのか。
ママたちに褒められたかったのか。
好きな子に手紙を書きたかったのか。
結局、本当の理由は分からない。

でも、確かなことがある。

「塾に行きたい。」
あの一言がきっかけで、
文字を覚え、
褒められ、
好きな子に手紙を書くようになった。

子どもの成長は、本当に面白い。

親が思っているより、
ずっと自分で前へ進もうとしているのかもしれない。

これからも、そんな姿を見守っていきたい。

練習した「ほ」は、すきな子の名前の一文字

(おわり)


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