"アセスメント不足"は経験不足?―― 見逃している本当のこと。
アセスメントが足りていない
「アセスメントが足りてないんじゃない?」
この一言で、思考が止まっていませんか?
アセスメントはクライエントが抱える問題やニーズを解決するために必要不可欠なことなのに、"アセスメント不足"で片付けられること、多くないですか?
具体的に何が、なぜ足りなかったのか、どうしたら防げるのか考えることってありますか?アセスメント不足に陥ることと同じくらい、あるあるかもしれません。
アセスメント不足で起きること
まず、アセスメント不足で起きることを整理しておきましょう。
(1)ニーズ(ゴール)が曖昧になる
仮にクライエントが、「〇〇してほしい」と明確に言ってきたとしても、それだけがニーズではないことがあります。隠れたニーズを把握することも、ケースワーカーとしての役割です。
本当のニーズを理解できないと、ゴールも曖昧になります。
(2)リスクが曖昧になる
クライエントにとってのリスクが曖昧になることで、"何を防ぎたいか"が明確ではなくなります。
ボトムラインを設定できなかったり、十分ではなくなってしまいます。
(3)計画が曖昧になる
あとになってニーズやリスクが分かってくると、立てていた計画の修正が必要になったり、そもそも立て直さないといけなくなることもあります。
👉️ 支援が遠回りになったり、誤ったゴールを目指してしまうだけでなく、クライエントを危険に晒す可能性すらあります。
なぜアセスメント不足は起きるのか
よく言われるのは、"経験不足" ですよね。
でもクライエントからしてみれば、自分の生活や将来を任せているわけですから、担当者の経験値によって左右されてしまうのは困ること。そして、それはあってはならないことだとも言えます。
考え方を変えてみましょう。
経験不足が問題なのではなく、
“経験に頼ったアセスメント”そのものが、
アセスメント不足を生むんです。
経験に頼るアセスメントは、
「気づけたこと」しか扱えません。
つまり、気づけなかった情報は、
最初から“なかったこと”になります。
これが、「抜ける」の正体です。
では、どうするか
結論を言えば、「誰がやっても必要な情報が抜けない状態」をつくることです。
つまり、
「考える前に、抜けない仕組みを置く」
ということです。
聞き方に経験値がでることはあっても、聞く内容がズレなければ、大きく外れることはありません。
そこで私は、次のようなシートを作成してみました。あくまで一例ですが、このシートに従って聞き取りをすることで、「アセスメント不足」を減らすことができるでしょう。

このシートは「何を聞くか迷う状態」をなくすためのものです。
このアセスメント票のポイントは、リスク要因と上手くいっていること、これからの希望を入れたことです。ニーズの把握とボトムラインの設定をしやすくしています。
また、一般的な内容になりますので、例えば認知機能、障害の程度、所得など、分野ごとに必要な情報は入っていません。
明日からできること
アセスメント不足は経験不足、ということは否定できません。しかし、型を決めることで経験不足を補い、必要な情報を引き出すことができます。
アセスメントに必要なのは、
経験の前に“構造”です。
経験で埋めるのではなく、
抜けない仕組みで防ぐ。
ここを変えるだけで、
支援の精度は大きく変わります。
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