頑張っているのに支援が進まない理由―― “支援のズレ”に気づけていますか?
支援がズレている
頑張っているのに支援が進まない。
それは能力不足ではなく、“支援のズレ”かもしれません。
私がケースワークが上手く行かないとき、先輩に指摘をされたことがあります。
「支援がズレてるんじゃないかな。」
なんだかハッとした気がしました。
勝手に本人の希望以上の支援をしようとしたり、自分だけで抱え込んでみたり…。
振り返ると支援がズレてしまうこと、誰にでもあるんじゃないでしょうか。
ズレることの誤解
(1)ケースワーク能力が低い?
このズレって能力の問題ではなく、ちょっとしたボタンの掛け違いなんです。
(2)ズレるのはおかしい?
考え方は人によって千差万別。時と場合によっても考え方は変わります。当然、本人のニーズだって。
ケースワーカーはその"ズレ"を敏感に感じ取り、交通整理をしていくことが大切なんです。
(3)ズレた支援は無意味?
ズレた支援も、その過程を振り返れば大切なアセスメントになります。
無意味にしてしまうのは、もったいないですね。
なにがズレるのか
(1)ニーズ(ゴール)がズレている
本人のニーズが途中で変わることもあれば、支援者の思い込みでズレていることもあります。そして、掘り起こしきれていないニーズがあることも。
このズレが一番影響が出やすく、支援が進まないことになります。
(2)支援者間で考えがズレている
支援者それぞれに立場があり、関わり方が異なるため、本人への見方も変わります。その中で考えが統一できていないと、徐々にそのズレは大きくなっていきます。
(3)最低限防ぎたいラインがズレている
ケースワークをするうえで、"これだけは防ぎたい"という最低ラインがありますよね。極論でいえば、死なせないとか、暴力に至らないとかです。ここがズレてしまうと、支援に対する温度感やスピード感が変わります。
ズレを修正する3つの視点
(1)ニーズの精査
まずは本人へのアセスメントですね。途中で状況が変わることもあるため、支援途中でも確認していく必要があります。
(2)防ぎたいことはなにか
ゴールにたどり着くまでには時間がかかるため、最低限防ぎたいことも、はっきりさせていきましょう。
ここがズレていなければ、最悪の事態を防ぐことができます。
(3)支援者との意思統一
ゴールの設定、役割分担、ボトムラインの確認をして、意思統一を図ります。
ケースカンファレンスは、そのズレを整理する有効な場になります。
◆ズレてしまったときも、同じ流れを辿ればズレを修正することができます。
明日からできること
特別な技術ではなく、普段のケースワークを“整理して確認すること”が重要です。そこに気づけたら、これから意識することはたったの2つ!
(1)支援のズレに気づくこと
最も簡単なのは、視覚化することです。
次の3点を視覚化し、適宜確認していくことで、いち早くズレに気づくことでしょう!
・本人のニーズはなにか
・ゴールはどこか
・最低限防ぎたいことはなにか
ケース台帳などで視覚化しておくと、ズレに早く気づけます。
(2)支援者とのズレを修正すること
関係者との間で支援がズレていると思ったら、まず次の言葉を投げかけてみましょう。会議だけでなくても、普段の会話の中で使えるので、使ってみてください。
「今の支援は、何を目指していますか?」
この質問は、支援の方向性のズレを自然に確認できる言葉です。相手に嫌な気持ちをさせないため、色んな場面で使うことができますよ。
支援がズレるのは、能力の問題ではありません。
支援のズレに気づき、整え続けること。 それこそが、ケースワーカーの本当の専門性です。
