良かれと思った支援がズレる理由―― 頑張るほど本質を見失う
良かれと思った支援
良かれと思って動いたのに、
振り返ると、“それ、本当に必要だった?”
そんな経験、ありませんか?
私は高齢者の銀行手続きを手伝った結果、その後も頼られっぱなしで苦労した経験があります。その人を助けたい、そういう強い思いで行ったことなんですけどね…。
ケースワーカーも人間ですから、良かれと思って支援をしてしまうことはよくあること。
ただ、“良かれ”と思っていても、本質を見失えば場当たり的支援になってしまうことがあります。
私の体験談を例にすれば、目の前のことを解決しただけで、問題の本質を理解出来ていなかったんですよね。
よくある誤解
(1)目に見えることだけが問題ではない
「魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ」という言葉がありますが、ケースワークも本質は同じです。
目の前のことを解決しても、また同じ事が起こります。同じことが起こらない、起きても自分で解決できることを目指していかないといけません。
(2)お助けマンではない
ケースワーカーは身近な困り事を見つけやすいもの。でも、私たちの役割は、なんでもやってあげるお助けマンではないんです。
(3)強い思い=良い支援
強い思いがあることは大切。でもそれだけで良い支援になるとは限りません。強い思いを上手く活かしていくことが、ケースワーカーとしての本当の資質ではないでしょうか。
ズレる原因
良かれと思った支援がズレてしまうのは、いくつかの原因があります。
(1)問題の本質とズレる
私の体験談からいえば、銀行手続きができないことが問題ではなく、手続き能力の低下自体が問題なんですよね。
(2)役割とズレる
ケースワーカーは周りの支援者との調整役。私たちが良かれと思った支援は長くは続けられません。継続的に支援できる人たちと繋いでいくことが、私たちの役割なんです。
(3) 強い思いの使い方がズレている
“自分が動く”前に“周囲を整理する” 。これがケースワーカーの鉄則ともいえること。強い思いを“自分が動く力”ではなく、“周囲を動かす力”に変えていきましょう。
視点を変えてみる
良かれと思って動けるということを、リフレーミングしてみましょう。
・強い思いがある
・ニーズに気づける
・スピード感がある
と、いうことになります。見方を変えれば、ケースワーカーとしてのチカラなんですよね。
明日からできること
“自分が動く”前に“周囲を整理する”
まずはここに力を注いでみましょう。
もう一歩進むと、
"問題の本質を整理する" ことも大切。
本質を掴むコツは、「なぜ、なぜ、なぜ」を続けること。
なぜ、銀行手続きができないのだろう。
なぜ、銀行までいけなくなったのだろう。
なぜ、外出できなくなったのだろう。
ここに本質が見えてくるはずです。
良かれと思って動けるあなたは、ニーズを掴みやすい力があります。少し立ち止まって、「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返してみましょう。
そして、「この支援は、本質に向かっているか?」と問い直してみてください。
良かれと思う熱意は、整理されれば“支援を前に進める力”になります。
