見出し画像

“支援を断られる”のは失敗なのか?―― 拒否の奥にあるもの

満を持してだったのに…


(CW)〇〇さん、今度からヘルパーを入れますよ!
(ク)そんなの、いらないよ!!
(CW)…えっ!!?

 こんな経験、誰しもあるはず。

 関係者と準備して、あとはサービスを入れるだけだったのに、クライエントに断れてしまう──

 私自身の経験から言えば、一人暮らしの高齢者への支援で起こりがちでした。

「絶対にサービス使ったほうがいいのにな…」
 毎回そう思いながら、自分自身の無力さや、ケースワーカーの存在意義を考えさせられていました。




誤解していること


 こういった場面では、次のような誤解が生まれてしまいます。

(1)ケースワーカー自身の能力

 どうしても、自分の準備不足、力不足を感じてしまうところ。でも、支援を断られたのは、支援方針とニーズがズレてしまったから。

 決してケースワーカーの力不足ではありません。


(2)地域の人の目

 こういうクライエントの場合、多くは地域の方も心配していて、注目度も高くなっています。そのため、「何も変わらないじゃないか」、「なぜ支援しないんだ」そんな誤解を生みやすくなります。


(3)クライエントのニーズ

 支援を断った時点で、
 "ニーズのないクライエント"
 というレッテルを貼ってしまいがち。

 でもよく考えてください。
 例から言えば、
 "家で生活したい"、"放っておいてほしい"
 これって立派なニーズですよね。


ケースワーカーができること


 支援を拒否された=関係(支援)が終わり
 ではないです。

 少し見方を変えてみて、ケースワーカーができることを考えてみましょう。


(1)SOSを見逃さない

 ここで大切なのは、ボトムラインを引くこと。例えば、"孤独死させないこと"、"火災を起こさせないこと"などでしょうか。

 ボトムラインのシグナルが出たとき、SOSが出ていると判断します。その時が、真の介入時です。

 ケースワーカーとしてはもどかしさがありますが、グッと我慢して、見守っていきましょう。

 

(2)地域の力を借りる

 心配してくれる人が地域にいることは、クライエントにとっての強みです。

 ただし、心配ではなく、厄介者扱いしている人がいることも確か。ケースワーカー自身が責められることもあるでしょう。
 
 それでも地域に力になってもらえるよう動くのが、ケースワーカーの仕事です。


(3)即座に対応できる状況にしておく

 関係者との連携を図り、ボトムラインの共有や役割分担を明確にしておきます。

 そして、SOSがでたときの対応方法など、事前に協議しておきましょう。


まとめ

 支援を断られた時点で手詰まりになってしまうものですが、視点を変えるだけで、こんなにも支援の幅が広がります。

 支援を断られても、 “関係まで拒否された” とは限りません。

 ケースワーカーはクライエントの伴走者です。クライエントが支援を断ってきたときでさえ、寄り添い、その気持ちを受け止めてあげてださい。

 こんなときでさえ共感と受容をしてくれたクライエントとは、信頼関係がより強固なものになっていくでしょう。

 そして、いざ何かがあったとき、スムーズに支援を導入するために、その"信頼関係"が力になってくれるのです。


関連記事


#ケースワーカー
#相談支援
#ケースワーク
#ソーシャルワーク
#支援拒否
#高齢者支援
#対人援助職
#アセスメント
#地域包括支援
#支援技術

いいなと思ったら応援しよう!