“頑張っているのに関係が崩れる”―― 支援者主導の落とし穴
信頼関係が崩れる
頑張って頑張って動いたみた……
あれ!? なんか関係が悪くなってない?──
こんな経験ありませんか?
私自身も、頑張って動いたはずなのに、
「そんな支援必要ない!」とか、
「なんで私の気持ちを分かってくれないんだ!」
なんて言われてしまったことがあります。
ケースワークは人対人の仕事。
ケースワーカーの頑張りと、クライエントとの信頼関係は、必ずしも比例関係にはないものです。
どうして関係が崩れるのか
・クライエントのニーズとズレている
・クライエントのペースに合っていない
・クライエントと合意形成できていない
このような要因があるからですよね。
構造はシンプルですが、実践は難しい…。
これって専門的知識を用いて効率的な支援をしようとしすぎている状態で、要するに、"支援者主導"になっているんです。
「勝手に進められた」
「こちらの思いとは違うのに」
こんなことを思われてしまったら、関係性は崩れていくばかりですよね。
クライエント主導の支援
とはいえ、クライエント主導で進めすぎるとどうなるでしょうか。
関係性は構築しやすくなるでしょう。
でも、進みが遅くなってしまったり、現実離れした希望を出されてしまうこともあります。
これではクライエントにとって、本当に価値のある支援といえるのでしょうか。
クライエントの思いが優先なのか、ケースワークの進めやすさが大切なのか、いつも悩む問題ですよね。
そして、ケースワーカーは"何に対して"頑張って支援すればいいのでしょうか。
ケースワーカーの焦り
支援が進まないと、 ケースワーカーは焦ります。
「早く動かなきゃ」 「なんとかしなきゃ」 「このままでは危ない」
でもその焦りが、 “クライエントを置いていく支援” を生んでしまうことがあります。
一度基本に立ち返ってみましょう。
ケースワーカーは、日常生活に課題がある方に対し、相談を通じてその課題を解決していく役割です。
はっきりしているのは、
・クライエントのニーズを満たすこと
・課題に対して最悪な状況を防ぐこと
この2つを実現させるために動いているんです。
何が言いたいかというと、専門的知識を用いて効率的に支援することや、クライエントとの関係性構築は、あくまで目的達成の手段や経過の話であって、目的そのものではないんです。
どうすればよいか
支援をする上で、次の線を引いてみましょう。
・実現可能かつ理想的な状態(トップライン)
・絶対に防ぎたいこと(ボトムライン)
この2つのラインが引けたなら、基本的にはクライエントに寄り添った支援をしていきましょう。
寄り添うとは、クライエントの言いなりではありません。だからトップラインを "実現可能" なものにしているんですよね。
私たちケースワーカーは、クライエントの伴走者です。
こちらが「進めなきゃ」と思っていても、 クライエントはまだ立ち止まっていることがあります。
そのズレを無視して引っ張れば、 関係は崩れます。
危険な状態でなければ、立ち止まっていいんです。
そして、無理に引っ張ったり、おんぶする必要はありません。ペースが遅いなと思っても、それがクライエントのペースですから、共感して、受け止めていきましょう。
絶対に防ぎたいことを防ぎつつ、実現可能なゴールに向かってクライエントのペースで進んでいけば、おのずと、クライエントとの真の関係構築ができるはずです。
明日からできること
支援が進まないと、 ケースワーカーは焦ります。
でも、 焦って前に進めようとするほど、 クライエントとの距離が開くことがあります。
大切なのは、 「どこまで進めるか」ではなく、 「同じ方向を見れているか」。
支援を動かす前に、 一度立ち止まって、 クライエントとペースを共有できているか確認してみましょう。
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