“その支援、本当に本人のため?”―― ケースワークの正しさとは。
上手くいかない支援
(CW)〇〇さん、ヘルパー使ってくれないんです。
(先輩)どうしてヘルパーにこだわってるの?
(CW)どうみたって必要じゃないですか。
(先輩)それ、本当に本人のための支援?
(CW)…えっ!?
こんなやりとり、経験したことないですか?
ケースワーカーは客観的かつ専門的な視点と、これまでの経験則から、クライエントに必要な支援はすぐ頭に浮かぶもの。
でもクライエントに提案すると、全く支援を受け付けないことってありますよね。
こういう場合、ケースワーカーは「支援を受ければ生活が楽になるのに、なぜ?」とか、「こんなに良い提案をしてるのに…」と考えてしまうもの。
この問題、ケースワーカーがぶつかりやすい1つの壁なんです。
正しい支援とは
今一度考えたいのは、"正しい支援"とは何かということ。正しさについて、2つの視点からみてみましょう。
(1)ケースワーカーの視点
ケースワーカーはクライエントのニーズを満たすこと、安全を守ること、を優先に考えるもの。そのため、最も合理的で効果的な支援を"正しい"と考えます。
(2)クライエントの視点
クライエントにも、守りたいこと、見られたくないこと、そして、認められないこともあります。
複雑に絡み合った "今の気持ち" が正しさなんです。
それぞれ視点が違うだけで、どちらも正しいことが分かりますよね。
ケースワーカーができること
ここで思い出したいのは、冒頭の先輩の言葉。
"それ、本当に本人のための支援?"
ここでいう"本人のための支援"とは、クライエント本人が納得した支援、という意味になります。
私たちができることは、
"ケースワーカーとしての正しさ"
を押し通すことでも、
"クライエントの言いなり"
になることでもありません。
"クライエントと一緒に納得できる形を探すこと"
だと考えています。
納得できる形を探すこと
クライエントにとっての"正解"は、時にケースワーカーを悩ませます。それは、何も問題が改善しなかったり、遠回りすることばかりだからです。
"こんなに一生懸命支援してるのに!"
その気持ち、とても分かります。
ケースワーカーは、 「このままじゃ危ない」 「今のうちに支援を入れなきゃ」 そんな焦りを抱えながら動いています。
だからこそ、 支援を断られると苦しいんですよね。
でも、クライエントが求めているのは、そんな現実的な支援ではなく、寄り添いなのかもしれません。
最悪の事態を防ぎつつ、クライエントの希望に寄り添っていくこと。それが本当のケースワーカーの役割であり、合意を得ることの第一歩ではないでしょうか。
きっと、その寄り添いの中で信頼関係が生まれ、さらに良い支援に繋がっていくはずなんです。
まとめ
ケースワーカーをしていると、 「こっちの方が絶対に良いのに」 と思うことは何度もあります。
でも、その“正しさ”が、 クライエントの人生を置いていってしまうこともある。
だから難しいんですよね。
ケースワーカーに必要なのは、 “正しい支援をすること”ではなく、 “クライエントと一緒に納得できる支援を探すこと” なのかもしれません。
