“様子をみましょう”で止まってない?―― ケースワークの停滞
様子をみるって?
(上司)そういえば、〇〇さんの進捗は?
(CW)動きないですね。今は様子見してます。
(上司)何かあったときの対策はできてる?
(CW)…えっ!?
こんなやりとり、経験ないですか?
"様子をみる"って、ケースワーカーや支援者の間でもよく飛び交う言葉ですよね。
でもその真意が…
"動きがあるまで何もしない"
になっていませんか?
冒頭の例でいえば、上司とCWの間でも、解釈がズレてしまっていますが、きっとCWは、"動きがあるまで何もしない" として捉えていたのでしょう。
何もしないことのリスク
"様子をみる"って、介入するタイミングではないときに使われますよね。例えば、支援が拒否されている、まだ支援が入る状態にはない、などでしょうか。
確かに、「ニーズを満たすための支援」という視点では、あまりできることはないかもしれません。
でも、ただ動きを待っている状態は、実は大きなリスクを抱えています。
例えば、気づいたら電気が止まっていた、郵便物が溜まってしまっていたなど、知らないうちに孤立化や状況が深刻になっていることがあります。
このような「想定外」は、支援者もクライエントも、大きく消耗し、最悪の事態を招くことになるんです。
“様子見”は、 時に「何も進めていない状態」を正当化してしまう言葉になります。
逆に言えば、リスクへの対処ができる状態であれば、文字通り"様子見"でいいのかもしれません。
様子をみることの真意
ケースワーカーは、クライエントのニーズを満たすことだけが、役割ではありません。
クライエントのリスク要因に対し、最悪の事態から守ることも、大切な役割です。
「様子をみる」とは、
ただクライエントの"様子をみる"ことではなく、
"次の動きへの準備"と"その期を伺う"
ことなのではないでしょうか。
ケースワーカーができること
では、動きがないクライエントに対し、
どのように"様子を見れば"いいのでしょうか。
(1)介入するタイミングの確認
「どの状態になったら介入するのか」を明確にしてみましょう。
例えば、「夜中に怒鳴り声が聞こえるようになった」 「同じ服をずっと着ている」など。
支援者側が絶対に防ぎたいこと(ボトムライン)のシグナルがでたときに、介入できるようにしましょう。
(2)見守り体制の確認
意外と見落としがちですが、「誰が、どのくらいの頻度で、どうやって」見守りをするのかは、明確にすべきです。
見守り(訪問)は意外と労力がかかるので、高頻度になると"負担だなぁ"と思いがち。
でも支援者4人で分担できたとしたら…。誰かが週一回訪問したとしても、一人当たりでいえば月一回になるわけです。
(3)緊急時の役割分担の確認
最後に、緊急時に誰がどう動くのかを整理しておきましょう。
緊急事態になると、「これは想定外でした…」なんて言う人もいるものですが、想定外を限りなく減らすのが、ケースワーカーの仕事です。
「誰が動くのか分からない」 「みんなが“誰かが動くだろう”と思っていた」
緊急時ほど、こういうことが起きるのです。
まとめ
“様子を見る” という言葉は便利です。
でも本当に大切なのは、 「何も起きないことを願う」ことではなく、 “何か起きたときに動ける状態” を作っておくこと。
ケースワーカーは、 クライエントが苦しくなってから慌てる仕事ではありません。
“その時”が来る前に備えること。 それも、立派な支援なんです。
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