ケースワーカーは“背負う”より“整える”仕事
ケースワーカーが背負うもの
あなたはケースワーカーとして、
どこまでの責任を負うことができますか━━。
ケースワークの仕事で関わる方(クライエント)は、何かしらの困り事を抱えています。そのため、大袈裟ではなく、時にその人の人生を左右する場面に関わることもあります。
私自身も、虐待された高齢者を保護したり、疎遠だった親子の再開に関わったりと、数え切れない"人生の節目"に立ち会ってきました。
ケースワーカーという仕事の特性上、多くのワーカーが同じように経験していること。その一方、ケースワーカーとしての"責任"を感じ、疲弊してしまうことも、よくあることです。
本当に背負っているのか
ここでいう"背負う"って、"その人の人生を背負う"ということだと思うんです。でも、果たして本当に背負っているのでしょうか?
ここに大きな誤解があるんです。
(1)ずっと担当はできない
どんなに思い入れのあるクライエントでも、ずっと関わり続けることはできません。担当替えもあれば、その人が転居してしまうこともあるでしょう。
(2)結果は誰にも分からない
最終的に決めたり動くのは、クライエントやその家族です。支援者がどんなに寄り添っても、支援者側が結果を決めることはできません。
(3)法律などには逆らえない
法律や規則、細かく言えば職場のルールなど、絶対に逆らえないことがあります。そこの領域を超えて支援することは、そもそもできないんです。
ケースワーカーの役割とは
どんなに熱意がある人でも、ケースワーカーとしての役割には限界があります。枠組みを超えた支援は、熱意ではなく、空回りです。
私が考えるケースワーカーの役割とは、
"背負うこと"ではなく、
"限られた枠組みの中で、最善の支援構造を整えること"
だと思っています。
ケースワーカーができること
ケースワーカーとしてできることには、残念ながら限りがあります。
ケースワーカーには、"背負う"ほどの熱意を持つ人と、"背負いたくない"と考える人、それぞれがいると思います。しかし、熱意の強さに関係なく、できることは構造を整えることです。
ケースワーカーにできることは、次のように整理できます。
(1)動ける範囲を理解する
例えば、職場の勤務時間外に動けなかったり、担当分野以外に顔を突っ込むことはできませんよね。
自分が動ける範囲をまず理解しましょう。
(2)ニーズを理解する
私たちの目的は、クライエントのニーズを満たすこと。まず、ニーズが何かを正確に把握する必要があります。
しかし、ニーズには表出されるものと、そうでないものがあります。表出されていないニーズがないか、関わりの中で掘り起こしていく必要があります。
(3)ボトムラインを設定する
ケースワークの結果は、支援者が左右することはできません。ニーズを満たせなかった場合でも、最低限抑えるポイントを設定しましょう。
まとめる
最善は尽くす。でもクライエントの人生を決定することはできないんです。私たち支援者の責任とは、構造を調整し、ボトムラインを守ること。
ケースワーカーは、 人生そのものを背負う仕事ではありません。限られた枠組みの中で、 その人が立て直せる条件を整えることではないでしょうか。
“背負う”より“整える”。
それが、支援を続けるための本当の責任です。
