“頑張る支援者が空回る”のはなぜか?―― 焦りがケースワークをズラす理由
空回りのケースワーク
頑張って調整したのに、
後から振り返ると
“そこまで急がなくてよかった”——
そんな経験、ありませんか?
私が駆け出しの頃、母の緊急入院により、息子のヘルパー調整を夜遅くにしたことがありました。でも結果的には、息子はヘルパーなしでも生活できました。振り返れば、私は“支援”より先に“焦り”で動いていたのです。
これって、頑張って空回りして、周りを巻き込んだ典型ですよね。今振り返れば、息子の生活状況を周りの支援者に確認し、支援者にとっても介入しやすい環境を整えるべきだったと思っています。
空回りが起きる勘違い
(1)"今"がよければいいわけではない
小手先の支援というのでしょうか。
ケースワーカーが手を差し伸べることでその場が解決することもあるかもしれません。だけど、私たちが目指すのは誰が引き継いでも同じ支援が回っていくこと、周りの支援者も無理なく介入を続けられることなんです。
(2)ケースワークは1人でできない
頑張り屋なケースワーカーほど、"自分でなんとかしなきゃ"と思いがち。
でも周りをみてください。
介護や医療、お金のプロなどたくさんの支援者がいます。その支援者たちを繋ぐことが、本来のケースワーカーの役割なんです。
(3)すぐ動くこと=最善ではない
たったの数時間で最悪な事態になることは、あまりありません。(本当の緊急対応は別ですよ)
まず支援者側が落ち着いて対応することがとても大切です。
空回りの原因
空回りすることの多くは 気持ちが焦ってしまうことから起きます。当然、焦らないように落ち着いて行動すればよいのですが、気持ちを制御すること自体、難しいものです。
本当の原因は、次の3つのことが整理されていないから起きることなんです。
・支援のゴールが曖昧
・支援者の役割が曖昧
・ボトムラインが曖昧
特に見落としやすいのが、3つ目のボトムライン設定です。
突発的なときでも、"最低限ここだけは防ぎたい"ことが明確であれば、一旦冷静に考えることができます。
私の体験談からいえば、「息子が命を落とさないこと」をボトムラインとして理解していれば、支援の検討は翌日に回し、落ち着いてから考えればよかったはずですよね。
これからできること
空回りする原因が、焦りやケースワークの整理不足だとしたら…。
単純に気持ちの問題ではなくなりますよね。
そして空回りすることの見方を変えると、あなたには熱意があるということ。熱意は弱みではありません。ちゃんと整理されれば、強みに変わるんです。
ただ、そこを理解しても事前に準備しておくことは難しいもの。もし空回りしそうなときがあれば、周りの人にこう質問してみましょう。
「この支援するつもりなんですが、〇〇さんの立場ではどう見えますか?」
ここで大切なのは、自分の意見を伝えつつ、相手の立場や考えを尊重すること。あなたの熱意もしっかり伝え、周囲を整理できたとき、あなたの熱意は、“周囲を動かす力”になります。
熱意そのものが問題ではありません。
整理されない熱意が、空回りを生むのです。
“自分が先に動く”のではなく、
“支援全体を整理してから動く”。
それが、空回りしないケースワークです。
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