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ユヴァル・ノア・ハラリ の「知の怠慢」「知の欺瞞」, ハラリの提灯持ちメディアにも うんざり

ハラリ批判に時間を費やすと Allman Brothers Band の名曲 "Ain't Wastin' Time No More"(邦題「時はもう無駄に出来ない」)が聞こえてくるので, くどくど書くつもりはない。ただし, ハラリを最初に批判した note からの転載にはそこそこの文字数を使うと思う。


今更ながら ハラリ批判を投稿しようと思った, その切っ掛け

以下の今年4月25日付の朝日の記事。朝日新聞はどうしようもない腑抜け・腰抜け新聞なので, 普段は読んでない。遥か昔の学生時代から ときに不満を抱きつつも37年余り購読し続けた朝日新聞だが, 2016年末にその購読を止めている(*1)。だから, 以下の有料記事は「無料」部分しか読んでいない。

この記事に気づいたのもやや遅かったが, その後も田舎に帰省したり他に書きたいことがあったり他にやりたいことがあったりで, 今日のこの note 投稿もだいぶ遅くなった。

上の記事を知ったのは, 一週間くらい前に, 以下の旧称「ツイート」を見たから。

コメント欄に, 「ハラリさんは」云々とハラリをやや擁護しているかに見えるリプライがあるが(「やや」擁護だけどね, そもそもコメント主もイスラエル批判者に違いないとは察する), ハラリに少なからずであろうが擁護, 慮り, あるいは忖度など, 一切 不要だ。

上の記事の件でのハラリ批判は, 早尾氏の文言で十分だと思う。加えるとしたら, いまだハラリ礼賛一色の下らないメディア連中への批判。

イスラエル出身でハイファ(*2)育ち, 今もイスラエル在住(居住地は Mesilat Zion, Zion だよ, ハラリに似合いの地名だぜ)のユダヤ人かつイスラエル人の「知識人」で, それもとりわけこの数年, 日本を含む世界のメディアに持て囃され, 結果, 世界大の影響力を持つイスラエル在住のイスラエル人の「知識人」でありながら, しかしハラリの自国批判は半端で, パレスチナに関わることなどは, 近年になってたま〜に小さな声を上げる程度だ。

こいつの世界大の「影響力」からしたら, 昨今イスラエルがパレスチナ・ガザ地区におけるパレスチナ人へのジェノサイドと民族浄化を極悪化させ, エルサレムそしてヨルダン川西岸地区でもパレスチナ民族浄化を激化させている折り, ハラリは本来ならイスラエル国内のごくごく少数派が行なっている街頭デモなどの文字通り先頭に立つべき責任がある人物だ。しかしハラリはほとんど動かない(自身の著書のプロモーションには熱心だけどね)。もうそれだけで ハラリは徹底批判されて然るべき人間だよ。

*1 私が 37年余り購読し続けた「朝日新聞」の購読を止めた理由 〜 または「ボブ・ディランの不都合な真実」

こんな新聞, 要らない, 朝日新聞。安倍晋三やドナルド・トランプのような批判しやすい権力者には批判記事を書いても, ディランのようなポピュラー音楽界の「大権威」様を前にすると, からっきしダメで 腰抜け腑抜け・及び腰の姿勢になり, あっさりと平伏すナサケない自称「ジャーナリズム」朝日新聞。

この下にもう一つ「朝日新聞」罵倒 note リンクを載せる前に, 以下は最新のディラン批判・非難・罵倒。

インチキ新聞, 朝日新聞。

*2 ハイファ, 今日のこの note の最終章にて。

イスラエルの歴史家・哲学者 ユヴァル・ノア・ハラリ の「人類と新型コロナウイルスとの闘い」論考批判

これを書いた頃は「ハラリ氏」などと「氏」を付したのだが, もう呼び捨てで十分。リンクと目次の下に, 本論 ユヴァル・ノア・ハラリ の視界から抜け落ちた 「隣人」 〜 パレスチナ人, パレスチナの民 の章, および「後書き」の章を転載しておく。

目次

ユヴァル・ノア・ハラリの「人類と新型コロナウイルスとの闘い」論
各論 〜 人類の ウイルス との闘いと 宗教
ユヴァル・ノア・ハラリ の視界から抜け落ちた 「隣人」 〜 パレスチナ人, パレスチナの民
後書き (note リンク 3点) 〜 その後の ユヴァル・ノア・ハラリ と パレスチナ

ユヴァル・ノア・ハラリ の視界から抜け落ちた 「隣人」 〜 パレスチナ人, パレスチナの民

【16段落目】
As you read these lines, perhaps a similar mutation is taking place in a single gene in the coronavirus that infected some person in Tehran, Milan or Wuhan. If this is indeed happening, this is a direct threat not just to Iranians, Italians or Chinese, but to your life, too. People all over the world share a life-and-death interest not to give the coronavirus such an opportunity. And that means that we need to protect every person in every country.

(日本語訳)
みなさんがこの文章を読んでいる間にも、テヘランかミラノか武漢の誰かに感染した新型コロナウイルスの、たった1つの遺伝子の中で、それに似た変異が起こりつつあるかもしれない。もしそれが本当に起こっているとしたら、それはイラン人やイタリア人や中国人だけではなく、みなさんの命にとっても直接の脅威となる。新型コロナウイルスにそのような機会を与えないことは、全世界の人にとって共通の死活問題なのだ。そしてそれは、あらゆる国のあらゆる人を守る必要があることを意味する。

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ここで私が言いたいことはシンプルです。それはこの後に紹介する 19段落目 に関しても同様なのですが。

「そしてそれは、あらゆる国のあらゆる人を守る必要があることを意味する」。

こう述べるこの段落で、ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、「イラン人やイタリア人や中国人」に言及しています。

しかし、彼の論旨からすれば、「あらゆる人」の中には、当然、イスラエル国内のアラブ系イスラエル人(パレスチナ人でイスラエル国籍を持つ人)、そしてイスラエルが不法占領を続ける東エルサレム並びにヨルダン川西岸地区のパレスチナ人、およびイスラエルが違法な封鎖政策を続けているガザ地区のパレスチナ人が含まれなければなりません。

新型コロナウイルスがイスラエル・パレスチナの地域でも猛威を振るうようになって以降、同地域におけるパレスチナ人の置かれた境遇が、あらためて世界の多くの人権を重んじる人々の中で注目されてきています。

イスラエルが 1967年以降、同年11月22日に採択された決議242号をはじめとする複数の国連安保理決議や国連総会決議に違反、抵触しながら、半世紀以上にわたって違法占領を続けるヨルダン川西岸地区(この文脈において東エルサレムも含まれます)では、昨日の時点までに、99人、ほぼ100人に上る新型コロナウイルス感染者(検査のうえ陽性と判定された人)が確認されています。

ガザ地区についてはどうでしょうか。イスラエルはガザ地区に対しては現在、違法な封鎖政策をし続けており(2007年以降、既に14年間)、医薬品を含む様々な物資の搬入が妨げられているために、同地区では、不足というより枯渇という表現が妥当であるほどに医薬品が足りなくなっています。そして、それだけでなく、今世紀に入ってからの度重なるイスラエルによる爆撃(毎年のように行なわれ悲しむべき、あるいは怒りと共に銘記すべきことに今年、今月、先週末も行なわれています)によって、同地区の病院の設備は機能不全に近い状態に追い込まれています。

今、世界の多くの都市で、Lockdown, 「都市封鎖」が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための手立てとして実施されていますが、皮肉なことに、パレスチナのガザ地区においては、イスラエルによる封鎖を解き、十分な医薬品を同地区に運び入れ、病院の施設・設備の状態を改善させることが、新型コロナウイルスとの闘いの上でも、急務になっています。今、ガザ地区では、それでも、そんな、すなわちイスラエルの封鎖政策のもとで「世界最大の強制収容所」と形容されるような大変な状況にある同地区のパレスチナ人たちが、今後の新型コロナウイルスの感染拡大に備えて、新たな医療施設の建設を急ピッチで進めているところです。

そのガザ地区では、昨日までに、9人の新型コロナウイルス感染者が確認されています。このままイスラエルによる厳しい封鎖政策のもとにおかれた同地区を放置したならば、現在のイタリアの状態を上回るような恐ろしい状況になりかねないものと、世界の多くの人々が心配しているところです(そもそも今回の新型コロナウイルスによる脅威がなくとも、イスラエルによる封鎖が続く限り、電気やガスなどの供給も制限され、水道水も汚染されてしまっているガザ地区は、今年 2020年中に「人が住めない」環境の地域になってしまうと、既に数年前から国連が警告しているほどなのです)。

イスラエルの知識人であるユヴァル・ノア・ハラリ氏が、上に転載した【16段落目】にあるような思考を深める時、何故その際に、彼の直ぐ近くに存在している「隣人」であるパレスチナ人の置かれた境遇への言及がないのか、この点には、甚だ疑問を感じざるを得ません。

この論考全体はグローバルな視野で人類の新型コロナウイルスとの闘いについて彼の考えを述べたものですが、しかし、その趣旨からして、彼の国であるイスラエルの違法な占領と封鎖のもとに置かれた、(イスラエル人の「隣人」である)パレスチナ人と彼らの新型コロナウイルスとの闘いについてユヴァル・ノア・ハラリ氏が【具体的に】何を考えているのか、そのことが全く伝わって来ないことには、大きな疑問を感じる他ないのです。

【19段落目】
Over the last century, humanity has fortified this border like never before. Modern healthcare systems have been built to serve as a wall on that border, and nurses, doctors and scientists are the guards who patrol it and repel intruders. However, long sections of this border have been left woefully exposed. There are hundreds of millions of people around the world who lack even basic healthcare services. This endangers all of us. We are used to thinking about health in national terms, but providing better healthcare for Iranians and Chinese helps protect Israelis and Americans too from epidemics. This simple truth should be obvious to everyone, but unfortunately it escapes even some of the most important people in the world.

(日本語訳)
過去1世紀の間、人類はかつてないほどまでこの境界の守りを固めてきた。近代以降の医療制度は、この境界にそびえる壁の役割を果たすべく構築され、看護師や医師や科学者は、そこを巡回して侵入者を撃退する守備隊の務めを担っている。ところが、この境界のあちこちで、かなりの区間が情けないほど無防備のまま放置されてきた。世界には、基本的な医療サービスさえ受けられない人が何億人もいる。このため、私たち全員が危うい状況にある。健康と言えば国家の単位で考えるのが当たり前になっているが、イラン人や中国人により良い医療を提供すれば、イスラエル人やアメリカ人も感染症から守る役に立つ。この単純な事実は誰にとっても明白であってしかるべきなのだが、不幸なことに、世界でもとりわけ重要な地位を占めている人のうちにさえ、それに思いが至らない者がいる。

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「世界には、基本的な医療サービスさえ受けられない人が何億人もいる」。

再び、ユヴァル・ノア・ハラリ氏よ、「パレスチナを見よ」、「あなた方の隣人であるパレスチナ人を見よ」です。

上記の一文が示すところの、世界において最も重大で深刻な事例の一つが、間違いなく、イスラエルが 2007年以来、14年間にわたって封鎖政策を続け、そのため医薬品が圧倒的に不足し、しかもイスラエルの度重なる爆撃によって病院の設備もその多くが機能不全に陥っているガザ地区に住む、180万人のパレスチナ人たちの置かれた境遇です。また、イスラエルが既に半世紀以上にわたって違法な軍事占領を続けている東エルサレムとヨルダン川西岸地区のパレスチナ人たちが置かれた状況も、同様に深刻です。

この問題においては、イスラエルのみならず、アメリカ合州国にも触れざるを得ません。イスラエルのガザ地区に対する封鎖政策、東エルサレムとヨルダン川西岸地区に対する占領政策は、過去の複数の国連安保理決議に明確に違反していますが、1948年のイスラエル「建国」以来、72年間にわたってイスラエルに対する一方的に偏った支援、軍事・財政援助政策を実施し続けるアメリカ合州国が、国連安保理において世界でたった5カ国の常任理事国の一つであることは、極めて皮肉な事実です。

ともあれ、イスラエル出身の世界的に著名な知識人であるユヴァル・ノア・ハラリ氏が、グローバルな視野で、イスラエル政府が敵視するイランという国の人々にも想いを馳せる「立派な」論考を公にする時、その彼の論考自体から、彼の国の政府によって 70年以上にわたり(控えめな表現をしても)基本的人権を侵害され続けている(彼らイスラエル人の隣人である)パレスチナ人に対する彼の想い、考えが、全く伝わって来ないのはどういうことなのか。

彼のこの論考の中に、上に述べたような境遇にあり、彼が考えるところの「人類の新型コロナウイルスとの闘い」においても重要な存在となるはずのパレスチナ人に対する言及が全くないことには、あらためて、大きな疑問を感じざるを得ないのです。

全く言及がない以上、最低限、彼自身が、この論考における文脈の中においてさえ、パレスチナ人の存在と彼らが置かれた医療環境ひいては彼らの人権をどう位置付けているのか、知る由もありません。

知りようがないわけですが、しかし、仮に、彼の他の論考を見る限り、現在のイスラエル政府に対しても(否定的な意味合いで)批判的な視点を持ち合わせるイスラエル在住のイスラエル人知識人であるユヴァル・ノア・ハラリ氏が、パレスチナ人の存在と彼らに関わる上記の諸々について無関心であるのなら、もしくは軽視しているのであれば、国際的に活躍し、一部からは「知の巨人」と評されるユヴァル・ノア・ハラリ氏が、「偽善者なのではないか」との誹りを受けても仕方ないのではないか。私はそう思います。

「健康と言えば国家の単位で考えるのが当たり前になっているが、イラン人や中国人により良い医療を提供すれば、イスラエル人やアメリカ人も感染症から守る役に立つ。この単純な事実は誰にとっても明白であってしかるべきなのだが、不幸なことに、世界でもとりわけ重要な地位を占めている人のうちにさえ、それに思いが至らない者がいる」。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏のこの主張には全面的に同意しますが、要するに、上記引用部分の言葉を置き換えれば、「イスラエル人の隣人であるパレスチナ人により良い医療を提供すれば、イスラエル人やアメリカ人も感染症から守る役に立つ」のです。

その「単純な事実は誰にとっても明白であってしかるべきなのだが、不幸なことに、世界でもとりわけ重要な地位を占めている」知識人のうちにさえ、「それに思いが至らない者が」います。

「思いが至らない」知識人の中に、ユヴァル・ノア・ハラリ氏自身が含まれるのかどうか、今後、機会があるごとに、彼の様々な論考を観察していけたらと考えています。

なお、上に転載した 19段落目に続く、20段落目から最後の 24段落目にわたって展開されるユヴァル・ノア・ハラリ氏の「人類の新型コロナウイルスとの闘い」論も、非常に示唆に富んでいます。その 5段落分を含み、この論考全体が、彼の国であるイスラエル、そしてアメリカ合州国、そしてイギリス、あるいは私の国である日本など、多くの国々の政治指導者(国によっては宗教指導者も)たちにぜひとも読んでもらいたい内容です。その意味で大変意義深い最後の 5段落分を含む全文に関心がある方は、上記のリンクを使って、彼の論考全体について一読していただけたらと思います。

後書き (note リンク 3点) 〜 その後の ユヴァル・ノア・ハラリ と パレスチナ

<< 以下、2020年 7月16日午後5時55分・加筆 >>

いま、久しぶりにこの投稿を見たら、読者の方からの反応が 12 になっていました。本投稿は 2020年 3月30日に書いたものですが、その後、4月22日に本投稿の続編的なものを書いて投稿しているので(内容的には重なる部分があり些かくどい面もありますが)、その投稿へのリンクをここに付しておきたいと思いました。

本投稿を今後ご覧になる方は、お時間が許す時にでも、以下の続編の方も合わせて読んでいただければ幸いです。

<< 2022年10月12日、以下の関連 note リンク 2点 を追加 >>

1) ユヴァル・ノア・ハラリ と 彼を礼賛する人たち が見ないもの、あるいは見ようとしないもの

2) 以下の note の主眼は ボブ・ディラン批判 だが, その第4章 ボブ・ディランの不都合な真実 〜 しかし, 日本の朝日新聞を含む世界の大手メディアは, ディランの「権威」の前にひれ伏し, ひたすら沈黙を守り続けている の注釈 *4 *5 及び *6で, その後の ユヴァル・ノア・ハラリ(2021年9月現在)について取り上げ, パレスチナ/イスラエル問題に関しても比較的まともなことを言うようになった ハラリと, それでもなお残る彼の論に対する批判について紹介している。

パレスチナ/イスラエル問題 〜 それは 勿論, 2023年10月7日に始まったのではない

過去の note においても書いてきたけれど, パレスチナ/イスラエル の「問題」は, 2023年10月7日に始まったのではない。いわゆる「パレスチナ問題」(「問題」という言葉の解釈次第で「イスラエル問題」と言った方がよいのではとも思うが)の歴史的背景を知る人間には, それはあまりに常識的なことではあるが。

「パレスチナ/イスラエル問題」の概観については, 以下の 2021年10月8日付 note の 第1章から 第2章 にかけて。

なお, ユヴァル・ノア・ハラリは, ハイファ育ちである。

ハイファ(48イスラエル, 47イギリス委任統治領パレスチナ)に戻って 〜 1983年10月5日

以下は, パレスチナ及び中東に関わる note マガジンへのリンク。

パレスチナ 🇵🇸

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