[9]【配達のリズムが、崩れた朝】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。-新聞配達編-
■この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
・正直、極限まで恥をさらしています。
・僕が生きてきた記録(ノンフィクション)です。
・ほぼ毎日更新を目指しています。
【配達のリズムが、崩れた朝】
午前1時。
昨日から、
缶コーヒーをやめた。
インスタントコーヒー。
たったそれだけで、
少しだけ——
人間らしい暮らしに
近づいた気がした。
4月上旬。
まだ、寒い。
湯気の立つコーヒーが、
指先に、じんわりと沁みる。
___そういえば。
吉田は、
どうしてるだろうか。
考えてみれば、
アイツは自分から
僕のところに来た。
【吉田幸平】アイツを僕は裏切った。
【それは事実だ】
でも___
そこまで、
【引きずる必要はないのかもしれない】
___もういい。
【吉田の亡霊とは、ここで終わりだ】
仕事は、順調だった。
リズム。
考えない。
ただ、繰り返す。
慣れたら作業だ。
身体が覚えれば、
怖いものはない。
チラシを挟む。
流れ作業。
ミスは、ない。
完璧だ。
___いける。
今日は、一人で配達。
昨日、失敗しなかったからか。
認められたのかもしれない。
その時だった。
ガンッ!!
視界が、なくなった。
気づいた時には、
バイクごと倒れていた。
___痛い。
全身が、
遅れて痛み出す。
バイク。
倒れてる。
新聞。
散らばってる。
チラシも___
ぐちゃぐちゃだ。
「___クソっ。」
まず、バイクを起こす。
次に、新聞を拾う。
泥。
全部、泥まみれだ。

ここはどこだ。
分からない。
___落ち着け。
深呼吸。
鼻から吸って、
口から吐く。
灯___自販機だ。
視界の端に、光が見えた。
近づく。
缶コーヒー。
その銘柄を見た瞬間___
【吉田___。】
頭に、
顔が浮かぶ。
消えろ。
もう終わったはずだ。
亡霊を振り払うように、
僕は顔を背けた。
何もなかったフリをして、
販売店へ戻る。
戻った瞬間___
宮本さんが、
走ってきた。
「おい!」
空気で分かる。
___ヤバい。
「お客さんから、
すごいクレーム来てるぞ。」
心臓が、
の動きを全身で感じる。
「お前、
バイクでコケたやろ。」
___バレてる。
「新聞、泥まみれやって。」
終わった。
調子に乗った。
___完全に。
どうする。
どうしたらいい。
逃げ場がない___。
___ここから、僕の立場は一気に変わった。
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「人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。」
【第一章・失踪編】
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【第二章・新聞配達編】
→目次から読む
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