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[4]【初出勤、罪悪感の中で】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。-新聞配達編-


■この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
・正直、極限まで恥をさらしています。
・僕が生きてきた記録(ノンフィクション)です。
・ほぼ毎日更新を目指しています。


【初出勤、罪悪感の中で】


午前1時。

掛け布団もないマットレスから、
体を起こす。

冷たい。

アパートの前の自販機へ向かう。

缶コーヒーを押す。

___あぁ。

吉田が、買ってくれた銘柄だ。

胸の奥が、チクリと痛む。

どうしてるだろうか。

連絡は取れない。
お互い、プリペイド携帯は
もう着信しかできない。

___1人っきりの
ホームレスは夜は、怖い。

あの夜を思い出す。

吉田は、今もあの恐怖の中にいるのか。

「___すまない。」

小さく、つぶやいた。


新聞店に向かう。

そこは、想像以上だった。

1日4,000部。

配達員18人。社員5人。

配達だけじゃない。
昼は集金や契約もあるらしい。

生活のリズムが、普通じゃない。

でも___
そんなこと、考えている余裕はなかった。



恐る恐る、近くの人に声をかける。

「すみません___」

「あとにして!今、忙しいから!」

即座に返される。
空気が張りつめている。
別の人が、ちらっとこちらを見る。

「あぁ、聞いてるよ。
とりあえず、今日は横で見といて。」

助かった___そう思った。

「まずチラシ作りな。
配達用にまとめるんや」

言われるまま、手を動かす。


トラックが到着した。

新聞だ。

全員で荷下ろしを始める。

重い。

思っていたより、ずっと重い。

食べてないせいで体に力が入らない。
体力も低下している。

何も分からないまま、
ただ邪魔にならないように動く。

それだけで、精一杯だった。


荷下ろしが終わると、またチラシ。

誰も、しゃべらない。
ただ、手だけが動いている。
バサッ、バサッ___

紙の音だけが、響く。

また別のトラックが来た。
荷下ろし。
そしてチラシをまとめる。

何度か繰り返す。


4時。

「ほな、配達行くで。後ろついて来て」

原付バイクにまたがる。

暗い。
知らない街。
知らない道。

どこをどう走っているのかも分からない。
ただ、必死に追いかける。
置いていかれないように。

それだけだった。


6時。

配達が終わる。

事務所に戻ると、

缶コーヒーと、菓子パンが置いてあった。

「好きなん取ってええで」
「それと、これ。社長から。」

二千円だった。

パンとコーヒーを手に取る。

また___この銘柄だ。

吉田の顔が浮かぶ。


スポーツ新聞と、菓子パン。

缶コーヒー。

それだけ持って、アパートへ戻る。

次は、15時出勤。


口に入れた瞬間、
体が一気に落ちていく。
限界だった。

そのまま、倒れるように眠る。


夢を見た。
吉田が、出てくる。
何も言わない。

ただ、こっちを見ている。


悪夢だった。

僕はこの悪夢と___
しばらく付き合うことになる。

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「人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。」

【第一章・失踪編】
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1話から読む

【第二章・新聞配達編】
目次から読む
1話から読む


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