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(23)【逃げるか、続けるか】人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。-失踪編-


■この物語は筆者の実体験をもとに執筆しています。
・正直、極限まで恥をさらしてます。
・僕が生きてきた記録(ノンフィクション)です。
・ほぼ毎日更新を目指しています。


【逃げるか、続けるか】


朝4時。  

【朝のコーヒー】  

しっかりとした味。  
これが、僕のコーヒーだ。  

昨日の朝___。

考えて、考えて、考えて  
悩んで、悩んで、悩んで  

「人間らしく、生きる」  
そう決めた。  

いや___
正確には【僕らしく】だ。  

もう、同じ自分ではない。  

___そう思っていた。  

コーヒーの香りを感じながら  
ぼんやりと頭を回転させる。  

今日も休みだ。  
何をしようか___。

コンコン。  

「今日は、どないする?」  

やっぱり松下さんだ。  
安定の朝5時。  

「昨日、買い物終わらせたんで  
今日は何でも出来ますよ。  
あ、コレで
インスタントコーヒーも飲めます。
カップスープも作れます。」  

電子ケトルを指差す。  

「ええなぁ〜。
久しぶりにパチスロどうや?」  

一瞬だけ、迷った。  

___昨日の自分が、頭をよぎる。  

___だが。

「いいですね。」

___そう答えた瞬間、
昨日の自分が消えた気がした。

「モーニング食べて行きましょう。」

「よっしゃ!」  
松下さんがニカッと笑う。  

「昨日な、自分おらんかったから  
1人で行って負けたんや。」  

「やっぱ相棒おらんと勝てんわ。」  

憎めない人だ。  

喫茶店のモーニング。  
美味しい。  

こういう時間が___
人間らしいのかもしれない。  

「さぁ、行くか!」  

松下さんが50万円近く出した  
「スーパービンゴ」  

夢の続きを、見に行った。  

___だが。  

一万円札が  
音もなく消えていく。  

当たる。  

【単発】
【単発】
【単発】  

増えない。  

【減る】  

【減る】  

【減る】  

気づけば___

2人で、20万円近く消えていた。  

僕の所持金は15万円。  
松下さんは1万円。  

僕は5万円を差し出した。  

「元々、松下さんのお金ですから。」  

そして___

2人とも、所持金1万円になった。  

___終わった___ 。

泣いた。  

地獄と地獄の往復で  
ようやく掴んだ金だった。  

それを___

一日で捨てた。  

「明日から、また現場で稼ごうや。」  

松下さんが、力なく言った。  

寮に戻り  
そのまま眠った。  

深く、深く。  

___逃げるように。  

そして、真夜中。  

目が覚めた。  

現実が、襲ってくる。  

お金がない。  

目標の50万円まで  
あと少しだったのに。  

今は___
1万円しかない。  

先週の地獄は  
何だったのか。  

頭が、動かない。  

何も考えられない。  

残ったのは___

【放心】

【呆然】

【虚脱】

【フリーズ】

そして___

【理解】

(あぁ___。)

(俺は、何も変わっていない。)

(昨日、決めたはずなのに。)

(たった一日で、全部捨てた。)

静かに、確信した。

(俺は、また繰り返す。)

(何度でも___。)

24話【動くだけ】に続く




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「人生が終わった日も、朝のコーヒーだけは飲んでいた。」

【第一章・失踪編】
目次から読む
1話から読む

【第二章・新聞配達編】
目次から読む
1話から読む


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