見出し画像

【第六章】まもるとこわす 家づくり|大手家づくり企業と戦う300日の記録|コミュニケーションを図る

この連載では、隣の建て替え工事に伴うトラブルに巻き込まれている夫と私が、編集やデザインの視点に加え、生成AIを「分析ツール」として駆使し、問題に立ち向かうプロセスを公開します。
相手は大手ハウスメーカー。立場は弱い「隣人」。それでも理不尽な力から愛する家族を「まもる」ために、具体的に何をしたのか?

まだ解決していないからこそ書ける、綺麗事ではない思考と行動のプロセスをすべて公開します。

住宅トラブルに悩む方、これから家を建てる方へ。泣き寝入りせず家を守るための「実践的なノウハウ」として役立てていただければ幸いです。

『まもるとこわす 家づくり』

今回は年末の大整理として、この問題の解像度を上げるため「序章」でお伝えしたことをもう少し深掘りしてお届けしたいと思います。序章からお読みになりたい方はこちらからぜひ。

施主との対話

9月のある日、造成業者(株式会社K-STYLE)の仲介で、施主ご夫婦、私たち夫婦を交えた対面での話し合いの場を迎えることになりました。

この時点で物損対象となっていたのは「物置」のみで、私は自分たちの物置がアンカー工事されていなかったということ、経年劣化を考慮し、撤去費用・再設置費用を除く約20万円を、下記の理由で4当分し、施主が解体・造成業者の分を回収する責任を追うよう求めていました。

  • 解体業者(株式会社阿部興業)
    物置の後に土留めをしなかったこと、解体時に擁壁に誤って穴を開けた

  • 造成業者(株式会社K-STYLE)
    物置の後に土留めがないまま、擁壁の穴も塞がず造成を進めた

  • 施主
    施主として直接発注のため業者に対する管理責任

  • 私たち
    アンカー未設置・経年劣化

しかし、隣家のご夫婦から提示された合意書には、下記のように記されていました。

本合意は、隣地所有者A家(我が家)と施工発注者B家(隣家)との間で、宅地造成工事に関連する問題を円満に解決し将来にわたり良好な関係を継続することを目的とする。

A家が訴えている案件については当工事との因果関係は立証されていないが、A家には既存構造物の撤去等で工事へのご協力をいただいていること、目的の項で述べた工事による騒音、振動等によってA家に負担を生じたこと等を鑑み、工事への協力に対する謝礼として5万円を支払うこととする。

清算条項本合意書への調印をもって、調印日までの工事に関する問題はすべてが解決したものとし、A家はB家に対して本合意書で定める以上の請求は行わないものとする。

隣家から提示された合意書の一部

さらに「両家の関係を良好にするため」「因果関係は立証できない」としながらも、隣家の奥様は「あの物置をアンカー設置せずに放置していたことで、誰かが死んでいたかもしれない。普通に考えれば、あれだけ大きなものが倒れたら死にますよね?」と話されました。

その言葉を受け、私は衝撃を受けました。なぜなら、物置が倒れ死んでいたかもしれないのは、業者だけでなく私たち家族であったかもしれないから。

物置の後で始まっている解体造成工事(2024年9月23日)

プロの業者であれば、危険を予測し、物置の撤去や移動を指示するはず。私は工事開始日に境界線沿いにあった植木鉢を、一緒に片付けていましたし、その際に物置についても移動する必要性について尋ねていましたが、移動させる必要はないと言われていました。

ですから、この施主の言葉には大変な衝撃を受けました。もし本当に「因果関係は立証されていない」「隣人関係を良好にしたい」とするならば、一因は造成工事にもあるのではないか?という思いが芽生え、「誰も怪我がなくてよかった」という言葉が出るのではと考えたからです。

また、施主は帰り際に「5万円で金額的な合意ができないのであれば、もう少しプラスしても良い」という言葉も残し帰られました。
夫はこの言葉に「人として考えるように」「誠意が感じられない」とも伝えましたが「それは残念です」という言葉が返され、その後の上辺だけの話を続ける気力さえありませんでした。

私はこの日から、「責任を認められない理由が何かあるのではないか」という疑問が芽生えると同時に、施主の奥様による心ない言葉で眠れない日々が続き、気持ちの整理ができず不意に涙が止まらなくなってしまったり、一時期は仕事も手につかないほどになり、その後「心因反応」という診断が下されるまで憔悴しました。

AIを活用した夫婦の対話

9月から11月は造成工事を終え、地盤が安定するのを待つ期間だったので、振動や騒音から解放され、私たち夫婦はこれまでの写真資料や音声記録をもとに、原因の究明や、ことの整理をするために、大幅な時間を割かざるを得ませんでした。

前章でも書きましたが、夫と毎晩、疑問点を洗い出しました。

「なぜ60センチ掘削する必要があったのか」
「なぜ補償ではなく謝礼なのか」
「なぜ私たちが言及した壁の隙間にも、目を向けようとしなかったのか」
「なぜ施主は威圧的なあの言葉を発したのか」
「なぜ当初の提案を下回る5万円だったのか」
「なぜ家にまで来たのか」

毎晩の戦略会議で、議事録や写真を見直し、Gemini 3 Proを活用しながら、法的問題点を洗い出し、弁護士相談に行く日々が2ヶ月くらい続きました。
弁護士巡りの回については「第四章」にて触れています。

それにしても最近のGemini 3 Proってすごいですね。実はこの問題が発生してから、だいぶAIの使い方に詳しくなりました。夫と私、それぞれの考えを合わせつつ、難しい法解釈についてはGeminiの知識を借りる。インターネットの技術が発展する前なら泣き寝入りかもしれませんが、こうしてすぐに物事を調べることができるということで、難しい問題を解決する助けになると考えています。


家まもりの編集術|AI活用のポイント

【まもるポイント① 】
AIを活用時は、事実だけを入力し分析する

Gemini 3 Pro、ほんとすごいなって思います。一方でハルシネーション(幻覚/もっともらしい嘘や事実とは異なる情報を作り出してしまうこと)もあることも覚えておく必要があります。
私がAIを活用する時のルールは一つ。事実だけを分析させること。誘導するような質問は排除すること。物置の転倒原因の仮説は、時系列、写真データ、風速、降雨量のデータをAIに読み込ませ、あらゆる可能性を分析しました。そのヒントが原因究明に多いに役立ちました。

【まもるポイント② 】
AIが作成したレポートは一字一句確認する

最近では大学の卒業論文にもAIが活用されているとか。自分の考えを発信する文章がAI任せになってしまうのは、個性が失われるようで少し寂しい気持ちがします。仮に、概要をAI にまとめさせたとしても、自分ならどう書くか、書かれていることは事実か、一字一句確認するようにしましょう。AIは完璧ではないし、あなたの分身ではない。難しいことを解明したり、わかりやすくしたりするために活用し、個を失わせるためのものではないと考えています。

【まもるポイント③ 】
比較分析・専門考察・多角的視点をするプロンプト

私たちはどうしても「ふつう」という言葉で自分の価値基準を標準化させてしまう傾向があるようです。私の普通は、相手の普通ではない。そういう意味で私は、専門的分野の考察や多角的視点を取り入れたプロンプト(指示や質問)をするよう心がけました。また、分析は一つの分野にとどまらず、似たようなジャンルと比較分析することで、物事を総合的に判断する助けになります。


今年はもう、大掃除を諦めました。とはいえ、昨日はキッチンとトイレはピカピカにいたしましたよ。キッチンは、この家のなかでも私の大好きな場所の一つです。

リフォーム時に、散々ステンレスキッチンが欲しいと暴走していた私ですが、今思えば TOTOにしてよかった。
クリスタルカウンターなので、写真が映えるんです。今年はお節の作り置きもお休み。お正月らしいご飯を、その都度作るという方向で家族時間を楽しみたいと思います。

そして、私たちは年明けからこの問題の最大の局面を迎えます。このnoteを大急ぎで仕上げているのも、この1年間にわたり起きてきたことを整理し、大きな力にするためです。小さな間違いを見過ごしていると、やがてそれは大きな間違いへと繋がっていきます。

個人が大手企業と対峙する時、その声はとても小さいものです。
でも、どんなに小さな声でも、世の中を少しでも良くするための声は届くと信じているし、こう言う現実があるのだと知ってもらうだけでも、いつか誰かの役に立つ光になれるのかもしれません。

だからこそ、この一年の最後に、一つだけお願いがあります。
この小さな声が届くよう、シェアやスキで応援をお願いします。

一年の締めくくり、そして一年の始まりに、大切な家族の時間が広がりますように。

【修正記録】
2026年2月17日|関係各社の名前を表記いたしました。

いいなと思ったら応援しよう!